組織改革リアルストーリー|GCストーリー|note
2018年2月にマネージャー職を撤廃してフラット型組織に移行したGC。今も「GCにとってシアワセな組織の形ってなんだろう?」という問いを持ちながら試行錯誤しています。そんなリアルストーリーをお届けします。
https://note.com/gc_story/m/m514ab7108c26
組織の「在り方」が問い直されているタイミングのようにも思えます。
GCストーリーは以前フラット型組織に至る変遷をまとめましたが、組織としてまた新しいフェーズに直面しています。
GCストーリーの今までとこれからを代表でもある西坂に伺いました。
※本記事は2020年11月5日にGCストーリー公式noteにて公開した記事のバックナンバーです。掲載内容も2020年11月5日時点の情報を基にしています。
ーGCストーリーの社名の由来でもある「成長と貢献」について伺ってもよろしいでしょうか?
僕は考え方として「成長と貢献」を大切にしています。
より詳しく言うと「貢献のための成長」ですね。
多くの人に貢献出来る自分になるため成長するのが生きる目的だと思っています。
ーいつ頃その考えに気づいたんでしょうか?
そもそもで言うと学生時代にまで話は遡ります。
「勉強が出来る」「お金をたくさん稼げる」と偉いみたいな学歴社会の考え方に疑問を持っていました。大学を卒業して就職を考えた時にも「就職ってなんだろう?」と考えたんです。
周りの友達に「どこに就職するのか?」「何を大切に就職するのか?」聞いても、つまりは「お金」「安定」「モテる」のどれかなんですよね。
そこから「どうしたいの俺は?」みたいな話になるんです。
ー結果として就職した先はご友人の親が経営している会社でしたよね?
そうですね。友人の父親が経営している看板関係の会社に就職しました。そこまで大きくない会社だったら歯車にならず影響力を持ちつつ働けると思ったんです。
ー実際に働いてみてどうでしたか?
「何のために頑張るのか?」は相変わらず分からないままでした。
会社の評価制度は「売上数字」が高いと偉くなる仕組みじゃないですか。
1度はその基準で頑張ってみようと思い、実際に同期の中で1番になりました。
ただ「同期で1番になるために生きてるわけじゃないよな」とすぐ思うわけです。次に年収が300万だったので、年収が上がれば人生が拓けると思いました。そして、27歳の時に年収1000万円で引き抜きの話が来るわけです。
ーそこで転職はされたんですか?
結局転職はしませんでした。「人間をお金で売り買いしている」と思ってしまったんですよ。そこからも「何のために生きてるのか?」「何のために仕事してるのか?」が分からない日が続きます。
色々考えて、最後に残ったのが起業でした。当時は起業すると偉いみたいな価値観がありました(笑)。実際に会社を作ってみたらそれでも虚しくて。会社を作った時に全てを成し遂げてしまった感じがしたんですよ。
転機は30代前半でした。
当時通っていたビジネススクールの責任者に可愛がってもらっていて、一緒にシンガポールに行ったんです。バーで起業家達と日本の未来について話をしていました。
このまま行くと日本の経済が厳しくなって自分の子供が貧困で苦しむかもしれない。
「日本をなんとかしなくちゃいけない」といった大きい話でした。
その時に隣に座っていた人から「成長と貢献」の単語が出たんです。
そこで、雷が落ちる感覚がありました。
ー自分がずっと考えていた事が言語化されていたんですね。
人生の目的は「成長と貢献」だと気づいたんです。
バーで社長が「未来の子供達が貧困で悲しい思いをしなくて済むような日本を作るために俺が頑張るんだ」と話をしているわけです。
そこから僕自身も、ずっと持っている大切な考え方になります。
ーフラット型組織にした部分は1つのターニングポイントだったと思います。マネージャー制度を撤廃した理由についても伺ってもよろしいでしょうか?
成長と貢献の考え方だと、自分の貢献の範囲を広げていくわけですよね。じゃあ僕たちは何をすべきか「未来の子供たちのために何が出来るか?」を考えたら、自分たちの意識を変えるしかない、が結論になってきます。
ー意識ですか?
資本主義の中で勝ち続ける思想は本当だろうか?と疑問に思ったんですよね。結局その資本主義の中で競争し続ける事は、世界が抱えている環境問題を加速させます。大量消費の考え方を前提にしていますから。人類として1段階越えて行く必要があるんじゃないでしょうか。
規模拡大による利益の最大化が目的の意識でみんなが生きていると、環境問題が解決されません。そこから意識を変えなくちゃいけないとずっと思っていました。
「新しい人類の意識の雛形になるような会社をどう作るか?」がGCストーリーが向かうべき会社の方向性です。
ーそのためのフラット組織だったのでしょうか?
「みんなで助け合う」「足りない部分を補完し合う」概念ですよね。社員一人ひとりの意識変容の話です。
旧来の組織の二項対立の概念を作っているのは、例えば評価制度です。「売り上げを上げた人が偉い」だと「売り上げを上げてない人はが偉くない」となります。評価制度はそもそも二項対立を作る仕組みなんです。会社の仕組み自体がそもそも古い価値観の中で出来ています。そこをどう壊していくのか考える時に、うちの会社で1番正解を握っているのは自分だと思いました。みんな「社長はどう思うか?」を正解にして二項対立になってしまいます。まず自分が物理的な出社を減らしました。その後、会議やマネージャーがヒエラルキーや構造を作ってしまいます。皆の意識が1段階上がれば再構築されるので、1回全部壊す事をやってみたのがフラットになった経緯です。さっきの人類の意識変容の雛形となる組織モデルの第1歩です。
ーGCストーリーのミッションである「ステークホルダーの幸せ」について聞かせてもらえればと思います。
究極には、人類は世界の未来に責任を持つ生き方をした方がいいんじゃないかと思います。一人ひとりが100年後の子孫が生きる世界に責任を持っている日常を過ごさないと未来がないんじゃないでしょうか。
じゃあ人はどうやって意識の階段を進めるかで言うと、まず身近な人たちの事を考えてその延長線上に範囲が広がっていくと思います。「一緒に働いている先輩の役に立ちたい」から始まって自分に後輩が出来ればその後輩のため。そこからチーム全体、会社全体、業界に広がって、日本から世界になり未来になる広がり方です。
範囲は人によって違います。自分が大切にしたいと思える範囲に対して貢献する日常を繰り返すことで、だんだん力がついて範囲が広がって行くと思います。
人それぞれ認識の範囲が違うので、その人の意識できる認識の範囲のことをステークホルダーと言っています。ステークホルダー全体の幸せを考えるのが一人ひとりの出来る事であり、その範囲を広げて行くのがミッションです。
ー「個のための組織」とも最近よくおっしゃってますよね。
自然の中や、色んな選択肢を持った働き方をしたい人が増えて来ていますよね。リモートワークや副業、2拠点に対応しない会社の存在が厳しくなるんじゃないかなとも思っています。
「組織のための個人」ではなく「個人のための組織」が重要だと考えています。
ー個人の幸福と組織の幸福を両立するイメージでしょうか?
最優先は個人の幸福ですよね、組織なんてなくたっていいわけだから。
ー組織なんてなくたっていい、ですか?
組織は個人の幸福のために必要な概念で、不幸になるためではないですよね。本来は全体が幸福になる上で組織があったほうがいい前提で作られてきたはずだと思います。インターネットが進んだ事によって個人として生きていけるようになりました。組織に属さないと生きていけないのは微妙じゃないですか。インターネットがない時代に個人で生きていこうとしたら大変だと思うけど、今は十分にバリューを発揮できるようになってきてるわけです。
でも個人が幸せになっていく上で、1人で生きていくかって言うと仲間が必要で、皆と一緒にやっていくのが組織ではないでしょうか。組織の存続のために個人を従属させるのは違いますし、これからどこの組織も変わっていくでしょう。
ー最後にGCストーリーのビジョン「収益事業の発展と幸せな組織作りを同時に発展させることで世界のモデルになる」を含めこれから目指す組織の展望を聞けるとうれしいです。
他の会社から見た時に「自分達の在り方を問い直す」きっかけになる組織でいたいですよね。「自分達はこのままでいいのか?」みたいな。ただ収益が出てないと会社は維持出来ないのも、また事実です。
良い会社だけど収益がないと「いい事言ってるだけ」の会社になります。未来の人類を考えて「世界を変える雛形になる組織」を考えた時に収益と組織がバランスされている状態が必要です。「それってどうやって出来るの?」と他の会社の人達のモデルになるためにも収益と組織のバランスは大事にしていきたいです。