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「働く」をもっと豊かにするモノやサービスを。オフィス構築のプロが展開する新たな事業とその未来【事業インタビュー】

株式会社フロンティアコンサルティング
代表取締役副社長 兼 新規事業開発部 部長
佐々木 真志

オフィスデザインや移転、内装工事、レイアウト設計など、オフィスに関することを幅広くトータルでコンサルティングしている同社。代表取締役を務めている佐々木氏が、新規事業責任者として本格的に新たな事業開拓に取り組むこととなりました。新たな事業への想いや、今後のビジョンについて今回語っていただきます。

「働く」を豊かに。ゼロイチから事業を立ち上げる

ー新規事業開発部とはどのような部門ですか?

ざっくり言いますと、新規事業を立ち上げる部署です。「何かこれをやろう」という新規事業があるわけではなくて、ゼロイチから事業を立ち上げることが大前提になります。

これまでのオフィス業界では、ハードを作ることに関しては当社が一定のシェアが取れてきていて、知見も溜まってきています。ただ、「働く」という文脈で、もう少しモノからコトに目線を寄せていくと、働く人が豊かになるモノやサービスは、まだまだ世の中に足りないんじゃないかなと思っています。

そういったところを埋めていくようなサービスやプロダクトなどを、我々の目線から作りたいと思い、この部署を立ち上げました。


ーこの新しい事業に対して、佐々木さんはどのような可能性を感じられていますか?

インテリアや住宅リフォーム、商業などの業界と比較し、オフィスはすごく小さいハブでありながら、実は一番難しい業界になりつつあるのではないかと思っています。

なぜなら、働き方の選択肢が増えてきて、働く人たちがどんどん多様化している一方で、オフィスが従来のままであったり、従来のツールしかないことによって働き方の豊かさが生まれにくくなっています。

テクノロジーの利用も必然となってきているものの、ワークテックと呼ばれているものの選択肢は意外に少なく、まだまだこの業界は余白があります。その余白を埋めようとしている会社が現時点で少ないので、我々としてはチャンスであると捉え、業界の在り方を変えていくことができたらいいなと考えています。

ユーザーとオーナーの課題感から生まれる新しいニーズ

ーリモートワーク環境の推奨を始め、世の中の働き方の変化していく中で事業への影響はありますか?

そうですね、より我々に求められることが難しくなってきていると感じています。難しくなってきているからこそ、我々に頼っていただけているというありがたさもあり、確かに需要はすごく増えています。

90年代頃にできあがってるオフィスの在り方で続いてきた働き方が、働き方改革の施行により、ABW※という考え方が流行り始めて、変化をしてきました。さらに近年コロナウイルスの影響により、それが本来の意味で広がりつつあります。

※Activity Based Workingの略。働くための最適な場所を自分で選んで働くこと。

そうなると、今のオフィス環境の課題に対してユーザー側からも変えていかなくてはいけないと思いますし、ビルのオーナー側もただ空室やオフィスを貸すというよりは、快適な働く空間を提供するために、どのような設備を組み合わせながらビルを貸していけばいいのか、ということを真剣に悩み始めています。我々はその受け皿として、お答えできているというところにチャンスがあると思ってます。


ー既に新しいサービスやプロダクトで進めているものはありますか?

まずはオーナーさんがビルをどうやって貸していくのがいいのか、という点で我々の知見があるため、これをフックに新サービスができるのではないかと、去年から少しずつ動き始めています。既に小さくサービスをリリースしたのですが、まだその延長線上でできることはあると思っています。


ー具体的なサービス内容についてお伺いできますか?

はい、今回はSCO(スマートセンターオフィス)というものにチャレンジをしました。

ファーストプレイスが家、セカンドプレイスがオフィス、サードプレイスがカフェやサテライトオフィス、コワーキングスペースのような文脈で整理されている、いわゆるオフィス(本社)の在り方が今、変わってきています。それぞれが多様な働く環境を求めるように、例えば1万社あったら、1000社に1~2社しか刺さらないようなオフィスでも、そういう人たちが欲しいオフィスは必ずあると思います。

そこで、20~30人の企業が出社率を3割に抑えて、テレワークをしながら活用することを想定しながら、20坪程のオフィスを作りました。通常この広さですと10人ぐらいが入って使われるようなオフィスですが、敢えてテレワーク用ブースや会議室など用意したり、30人全員が集まる時は座ることが出来なくても、立食で何か食べながらみんなでわいわいパーティーができるように、ありえないほど大きなカウンターキッチンを作ってみたりもしました。

その他にもカウンターそばにはソファも置くなど、どこでも働けるような状況でオフィスを作ったところ、リリースしたその日のうちに入居者の方が決まりました。空室で借りるよりも賃料は上がりますが、それだけの価値を感じていただけています。

このような世界観は、今後はどんどん生まれてくると思いますし、オーナーさんはこれらを自分たちで企画することは難しいので、ユーザーさんが求めているものと、オーナーさんが感じている課題感に、ニーズがすごくあると思っています。

▼実際のオフィス。空間を広々使い、様々な働くスペースを用意している。


それぞれの領域から生まれる、新たな事業

ー会社の代表から、改めて新規事業の責任者として着任された経緯についてお聞かせいただけますか?

会社の意思表示ではないですが、片手間で新規事業をするのではなく、そこにきちんと時間とお金をかけて代表がコミットしていくという姿勢の表れです。

個人的な性格でいうと全部やりたいタイプなのですが…アイデアもあり、やりたいことを少しずつ走らせてきた結果、やはり時間は足りなかったですね。その課題を解決するという意味でも、今回の答えが必然的な最適解だったと思います。


ー既に新しいアイデアも出てきていますか?

そうですね、結構考えることが好きなので企画を良く作っています。また、様々な社会の方との接点は一番多い方だと思うので、世の中はこうであるとか、こういう技術が進んできているとか、AIがどういうものであるかとか、それをじゃあオフィスに入れてきたとき何ができるか、みたいなことは常に考えてます。


ーこの事業の将来のビジョンをお聞かせください。

まずは部署のミッションである、働く人達の選択肢が増えて、豊かになるようなサービス、プロダクトを開発していくことが前提としてある中で、オフィス業界や働く業界をひろげていくようなイメージを持っています。

まだその先は明確ではないですが、新規事業開発部のようなものを作ってスピンアウトしたり、事業本部化されることもあるでしょうし、子会社化することもあり得ます。また、我々はお客さまがいて、提供や販売をする場を持っているので、新しいテクノロジーの開発支援やアドバイスを行って、それらをスケールさせるお手伝いもできると考えています。

それぞれの領域を牽引するような人間がどんどん生まれてくれて、そういった人たちがどんどん羽ばたいていってくれたら、我々の会社も豊かになるのかもしれないですね。そのような意味では、業界を引っ張れるような子を産むような事業部にしていきたいです。

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