コロナ禍により大学生活もままならなかったこの1年。フォースタートアップス(以下、フォースタ)のインターン生たちも不自由ななかで、リモート+たまに出社のスタイルで様々な業務に取り組みました。
スタートアップに関わる仕事やチーム運営を通じて、大学生活だけでは得られなかった知見や視座を得た様子を3人が語ります。就職活動や将来に向けた意識にも変化がありました。
池田龍之介(Ryunosuke Ikeda)
上智大学経済学部経営学科3年。高校時代に『Slush Tokyo』にボランティアで参加したことをきっかけにスタートアップに興味を持ち、大学1年生の秋からフォースタートアップスへ。現在はフォースタとVCでインターン中
境駿伍(Shungo Sakai)
早稲田大学商学部3年。高校時代からスタートアップに興味を持ち、インターンや『Slush Tokyo』ボランティアに参加。2年生の秋からフォースタートアップスへ。
柳田紗菜(Suzuna Yanagita)
立教大学経営学部経営学科3年。高校時代に起業家の話を聞いて起業を志す。先輩の勧めで大学1年の冬からフォースタートアップスでインターンを開始
高校時代からスタートアップや起業に興味。社名と仕事内容に魅かれてフォースタへ
―皆さんは、なぜインターンを始めたのですか。フォースタを選んだ理由も教えてください。
柳田:私は、先輩の勧めがありインターンをしようと決めました。大学1年の冬頃だったので、周りはまだ全然インターンはしていなかったですね。元々、高校生のときから起業に興味があって、起業に必要な知識や情報を得られるところという軸でインターン先を探しました。その軸でフォースタを見つけて「ここしかない!」と直感で決めて応募しました。
池田:僕は、元々飛行機オタクで、ずっとパイロットか管制官になりたいと思っていました。そのためには英語が必要なので、高校生のときにアメリカに留学し、帰ってきて英語ボランティアをしようと思って、たまたま行った先が『Slush Tokyo』でした。世界的なスタートアップイベントで、学生ボランティアで意識の高い大学生がたくさんいて、そこで初めてインターンというものを知りました。大学生も起業家さんもカッコよくて、それまで飛行機のことしか考えていなかったのですが、自分もスタートアップをやってみたいと思うようになりました。
とはいえ大学に入学して、具体的な起業プランがあるわけでもなかったので、スタートアップでインターンをすれば少しは近づけるかなと思い、始めたという経緯です。
境:僕も高校生の頃からスタートアップに興味がありました。『Slush Tokyo』にも参加しましたし、夏休みにスタートアップでインターンの真似事もしました。それがとても楽しくて。インターンといっても社長さんと一緒に昼ご飯を食べて、簡単な資料作りのなどの雑用をする程度でしたが、自分のまったく知らない世界や価値観を持った人たちに触れることができ、世界が広がったように感じました。
大学に入って、1年生のときはスタートアップとは無縁の普通の大学生活をしていたのですが、2年生になるタイミングで、そろそろ将来何をするか考えるためにもインターンを探そうと思いました。フォースタは、スタートアップの情報メディアの仕事ということで、いろいろなスタートアップを知ることができるかなと思って選びました。
柳田:ふたりともすごい。私は田舎出身なので、『Slush Tokyo』なんて言葉も存在もまったく知りませんでした。たまたま高校の先生の知り合いの方が起業していて、“トリプル・ダブリュー・ジャパン”という排せつ予測デバイスを開発している会社なのですが、先生の伝手で、その代表の方が講演に来てくれたことがありました。そこで初めて、「ああ、こんなおもしろいことをやっている人がいるんだ」と知って、スタートアップに興味を持ちました。
データベース運用業務プラス各セクションの業務を担当。仕事やチーム運営から学ぶ様々なこと
―for Startupsでは、具体的にどんなお仕事をしていますか。
池田:インターンの仕事は、この3人を含めて全員に共通の『STARTUP DB』(※国内最大級の成長産業に特化した情報プラットフォーム)のデータベース運用業務があって、それにプラスして、それぞれの所属セクションがあり、そこの仕事を担当します。
僕はHRセクションでインターン採用の仕事をしています。インターン生は、募集のやりとりから選考まで全てを担当します。
採用のほかには、インターンチームの組織活性などをやっていて、例えば直近では、OKRの仕組みを作り直しました。セクションごとだけでなく、個人でもOKR設定するようにして、個人として目標設定することでインターン業務を通して成長できるようにしました。
境:僕はメディアチームで、『STARTUP DB』の記事の作成をしています。書く頻度が高いのは、ニュースサマリーとIPOサマリーのふたつ。ニュースサマリーは毎週、資金調達やM&Aなど、一週間にあったスタートアップ関連のめぼしいニュースを記事にまとめて発信しています。IPOサマリーは、IPOがあると、その企業の有価証券報告書の内容をわかりやすくまとめて発信するもので、大体月に1〜5社くらい。そのほか、定期的に企画案を出してそれ以外の記事を書いています。
柳田:私はプランニングチームで、ざっくり言うと『STARTUP DB』を充実させるために、情報量を増やしたり、信頼性を上げたりするための施策を考え、実行するチームです。
具体的には、一定期間の中で達成するタスクがあって、それに沿って日々の業務を進めるなかで課題を見つけ、その解決策を考えます。その案をミーティングで出し合い、優先順位をつけて解決していきます。直近では、ENTERPRISE機能のリリースがあったので、そこに向けて一つ一つの企業の内容を充実させるにはどうしたらいいかと考え、取り組んできました。
―カジュアルとはいえ採用の面談もインターンがするのですね。大変そうですが。
池田:そうですね。最初は話すのに苦労しました。僕は1年生で入って、面談に来るのは2年生、3年生が中心。年上の人に「フォースタートアップスのインターン、いいっすよ」なんて話すのは偉そうだし、最初はどう質問したらいいかわからなくて、緊張しました。慣れてくると、相手の考えなども聞いて意見交換できることが自分のためにもなり、この仕事の魅力の一つだと思うようになりました。就職活動はまだですが現在面談する側に立っていることは、いい経験になっていると思います。
―ほかにも仕事を通じて得られることがあれば教えてください。
池田:フォースタのオフィスに出社して、社員の方々と同じ環境で仕事をしているだけでも学びにつながる事が多いです。今、どこのスタートアップが伸びているとか、それこそ具体的な会社名なども耳にするので、日本のスタートアップのトレンドをリアルタイムで知ることができますね。
境:本当にそうですね。スタートアップのいろいろな情報、普通の生活をしていたら知り得ない情報も自然に耳に入ってくるので、好奇心をくすぐられますし、勉強になって楽しいです。すごく思ったのは、意外とスタートアップってたくさんあるんだなということ。
起業はあまり身近なことではありませんが、『STARTUP DB』の運用をしていると、本当に起業している人がたくさんいる。それも、ゲームやアプリは僕らもわかりますが、研究開発系のスタートアップなど馴染みのない分野が結構あって、toBの企業が意外と多いのだと、そんな気づきもありました。
自分自身のことでは、先ほど池田も言っていた個人OKRと週報を書く作業を通じて、自分が変わったと感じます。週報は自分と向き合い、一週間を振り返って課題や改善点などを書きます。個人OKRは、社員の方と面談して具体的な内容を決めるのですが、そのときに、僕の人生でやりたい方向性まで深ぼって話をしてもらいました。当初、僕は自分が成長したいからインターンを始めたのですが、面談を通じて、メンバーの成長に貢献できる人間になりたいのだと気づきました。それからは、スタートアップのニュースで興味深かったことなど、積極的に学びを共有するようになって、行動や価値観にも変化が出てきました。これは、インターンを通じて得られたとても大きなものかなと思います。
漠然としたイメージがクリアな実像に。インターンを通じて視野が広がり、価値観も変化
―この先の就職活動を見据えて、役立ったことや行動や気持ちの変化などはありますか。
柳田:フォースタに入る前は、自分が起業したいと思っていたのですが、フォースタに入って少し変わりました。コロナの前はオフィスに出社して、起業家さんとの勉強会や話を聞く機会があったのですが、起業家さんたちはすごく楽しそうに、自分の会社や事業のことをワクワクした様子で話すのです。それを聞いて、自分もこのようなワクワクしている人と一緒に働きたい、一緒におもしろいものを作って自分もワクワクしたいと思うようになりました。
以前は、起業しなかったら大企業に勤めようと思っていたのですが、フォースタでいろいろなスタートアップがあると知って、スタートアップに就職するという道もありだなと思うようになりました。
境:僕は、インターンをやる前は漠然と、スタートアップはカッコいい、楽しそうといった印象を持っていましたが、業務を通じて、例えば会社のホームページで見るべき点などがわかるようになり、解像度が上がりました。盛り上がっている業界、伸びているスタートアップもわかるようになりました。
そのなかで柳田とは逆で、大企業もいいなと思うようになりました。スタートアップの役員の方の経歴なども見るのですが、最初からスタートアップの人は少なくて、大企業で学んでから起業する方が多い。そういう選択肢があるんだなと。前は漠然としていたので、大企業はつまらない、スタートアップは楽しいと安直な対立構造でとらえていましたが、そこは滑らかに、どちらがいいとは言えないと思うようになりました。
池田:僕の場合は、起業したいという気持ちは変わらないですね。将来、STARTUP DBが発信している時価総額ランキングにランクインするような会社を作りたいです。
就職活動でいうと、航空会社一択という気持ちは薄れて、いろいろな業界がわかったので、スタートアップでも大企業でも活気ある会社に入りたいです。フォースタで目にしているいろいろなスタートアップのように、勢いがあって自分も成長するし、会社も成長するという環境に行きたいと思うようになりました。
学びにどん欲で、積極的に動きたい人に最適。日本のスタートアップ全体を盛り上げるやりがいも!
―どのような方がフォースタのインターンに向いているでしょう。これから入る人へのメッセージもあわせてお願いします。
池田:自分で将来何かやりたいという人には、すごくいいと思います。例えば将来起業したいと思っていて、日本にどんなスタートアップがあるか、どんな業界に波があるかなどを学びたい人はマッチすると思いますね。普通に大学生をやっているだけではなかなかわからない部分だと思うので。
フォースタのインターンは、チームワークや社会人の働き方なども実地で勉強できる場です。僕は別の会社のCVCでもインターンをしているのですが、フォースタのSlackチャンネルは、ひっきりなしに通知が飛んでくるんです。いろんなチームの状況がわかって自分も意見を言えるので、学ぶ意欲がある人なら、いろいろ吸収できると思います。
境:本当に自分のセクションに留まらず、垣根は低くて、ほかのチームのことでも興味があれば、自分で手を挙げていくらでもできる環境です。インターンだけで運営しているチームなので、雰囲気は上下関係なくフラットで、お互い自由に発言もでき、こういう雰囲気が好きな人は向いていると思います。逆に厳しい社員からビシバシ言われたい人は、あまり向いていないかな。とにかくインターン生の裁量がすごく大きいので、自分で考えていろいろやっていきたい人は楽しいと思います。
柳田:そうですね。みんなが学びに貪欲ですよね。それぞれが何かしらの軸があって学びを広げているのですが、その興味関心がバラバラなので、話していて新鮮です。どんな方面でも学びにどん欲な人と一緒に働きたいです。
本当に、大学にいるだけでは会えない人たちに会えたと思います。話している内容が全然違いますし、そこから得られる気づきが自分の成長につながる。話しているだけで、常に新しい情報を取り入れている実感があります。大学生で味わえない、バイトでも絶対に味わえない環境で働けると思います。
池田:もう1点は、他のスタートアップインターンと違うのは、日本のいろいろなスタートアップ全体に関われるということ。どんなに素敵なスタートアップのインターンでも、その会社のプロダクトをグロースする業務に限られてしまうかと思います。フォースタだと、『STARTUP DB』などの業務を通じて日本のスタートアップ全体を盛り上げることができる。その点は、ぜひアピールしたいです。
境:スタートアップのデータベースを作っている会社は、日本では他にほとんどないですからね。希少な日本最大級のスタートアップデータベースの運用ができるという点で、スタートアップ全体の盛り上げ、活性化につながっているやりがいも感じます。この環境に魅力を感じる人にぜひ来てほしいなと思います。
―スタートアップの空気に触れられることは、本当に魅力ですね。意識や解像度が上がる体験を、ぜひ多くの人にしてほしいですね。今日はありがとうございました。
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