神様仏様稲尾様、権藤権藤雨権藤、メークドラマ、ショータイム。
そんな言葉が時代の中で流行語となるほど、日本の文化を築いてきた野球。
なんで日本人はこんなに野球が好きなのでしょう。
9~10月の大宮の河川敷には、目を疑うほどの野球人が、野球をしにグラウンドへ集います。ITS軟式野球大会です。フォルシアも例にもれず、この日のために練習をし、メンバーを集め、この大会に参加します。
社会人の野球の大会は、多くは業種別で大会が設けられています。ITS軟式野球大会は、その名の通りIT企業だけでその賜杯を争います。大会にはA~Cのブロックがあり、それぞれトーナメントがあり、合わせて200を超えるチームがエントリーをしています。Aは上級のチームが集い、いわゆる上手いチームの締まった野球が繰り広げられています。Cも実力者たちが新会社、新チームを作り隠れていたりして、意外と面白い試合があったりします。フォルシア野球部は、2023年はその間の、Bブロックでの戦いでした。
試合中はずっと叫んでいる
「ナイスキャッチ!」「ナイスバッティング‼」「ナイスカット‼!」「ナイセン(ナイス選球眼)‼‼」
野球の試合はなぜか、大会の間中、ずっとほぼ全員が何かを叫んでいます。チームの誰かが打席に立っている間、守備で守っている間、試合に出ている出ていない関係なく、ほぼ全員、裏表ずっとです。誰かが活躍した時、誰かがミスした時、誰かを鼓舞するための言葉を、ずっとずっと叫んでいます。直前に同じ言葉を誰かが叫んでも、ひるまず全く同じ言葉を叫びます。不思議な世界です。
野球は「静」と「動」の場面がはっきり分かれていて、「静」の時間が長いスポーツに感じます。
その時にたくさんの事をそれぞれが考えていて、それが伝えたい思いになって声となり出てしまうのかも知れません。不思議ながら、なんか優しい世界なのかもしれません。フォルシアも例にもれず、これを全力で行う野球部です。
スポーツは万人をかっこよくする
そんな感じで叫んでいるからでしょうか。誰しも、野球をしているときは顔が違います。性格さえ攻撃的に変わっている人もいます。人によりますが、3~5割増しかっこよく見えます。放つ言葉も違ってきますし、喜怒哀楽がはっきりと表情に浮かんでいます。フォルシアの野球部も例にもれず、オフィスで仕事をしている時より、全員、超絶格好よくなります。そうなってくると、行動もいつもと違ってきます。
守備の時、アウトカウントが増えると、人差し指を突き出し、その腕を空に高く突き出し「1アウト!!!」と全員が連呼します。普段は絶対できない、どんなに好きな歌手のライブに行っても恥ずかしくてそれができない、という社員もこの時だけは自発的にそれを行うことができるようになります。2アウトの時は人差し指に小指も加わり、それを天にかかげることさえもできるのです。グローブとグローブだけでなくハイタッチ、もできてしまいます。スポーツをしている時は、その人の違う横顔が見えるような気がします。
2023年のフォルシアはベスト8のチーム
今年のフォルシアの大会の結果は、なんとBブロックでベスト8でした。行った4試合の名場面を、このブログで伝えるには紙面が足りないので今回は割愛しますが、勝った試合も負けた試合も、全員の笑顔あふれる試合でした。
ベスト4、という栄光まであと少しでしたが、4試合もできたことで「心地よい悔しさ」を抱えながらのシーズン終了となりました。来年も良い試合がしたいです。
なお、試合のすべては休日に行われ、試合に勝ち進むたびに、休日がつぶれていきます。予定を崩して、家族に謝って、いろいろな葛藤を抱えながら人々は野球をしていきます。勝つ事による犠牲と、勝つ事による快楽...この2つを天秤にかけて、大宮の球場にいる全ての人間がそれを思って戦っています。...か、どうかは不明ですが、そんな葛藤もすべて熱気として巻き込んで大会は開催していくのでした。
この記事を書いた人
田澤 征治
去年の大会で怪我をしましたが、今年、復帰!最終戦ではスタメンとなり、ヒットも打ち、怪我無く試合を終えることができました。守備機会も2回。どっちもイージーなフライでしたね。