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会社という枠を超え、共創自治区CONCONのみんなでつくった夏祭り

FICC京都は、2021年春から京都の二条城南東の式阿弥町にある「共創自治区CONCON(以下、こんこん)」にオフィスを構えています。

なぜこんこんに移転したのか?きっかけは、事業部長である村松が前のオフィスで抱いた違和感でした。いくつものテナントが入るオフィスビルで働いている人はたくさんいるのに、その人たちのことを何も知らない。そんななかでこんこんを知り、同じ環境にいる人と交流ができ、会社という枠を超えたつながりが生まれる場所だと思って入居を決めたそうです。

こんこんは、コンテナと長屋を組み合わせた珍しい建物です。事務所やショップ、さまざまな職業のフリーランスが集まる場所であり、入居している人や訪れる人によって、楽しみ方や使い方が違うところが魅力です。

今回、その「こんこん」という場をもっと多くの人に知ってもらいたいという入居者みんなの想いから、2022年10月1日のこんこん設立3周年を記念して、夏祭りを開催しました。この記事では、こんこん夏祭りとFICCが取り組んだことについて紹介します。

こんこんメンバーと一緒につくる初めてのお祭り

こんこんには「共創自治区」というコンセプトがあり、集う人たちのユニークなスキルや経験を活かし合うことで、新しいものや価値を生み出せると考えています。集う人たちの会話から広がり、アイデアを出し合い、その場にいるメンバーでかたちにしていけるのが、こんこんの魅力です。

みんなで取り組む活動のひとつに、2022年4月から始まった「こんこん自治会」があります。月に一度、夕方になると仕事を終えた入居者が集まり、こんこんの未来について話し合います。コロナ禍で交流ができていなかったこともあり、毎月数名ずつそれぞれの自己紹介をするところから始めました。「どんな仕事をしているのか」「趣味は何か」など、お互いの理解を深めたからこそ、自治会ではさまざまな話題が飛び交うようになりました。(入居者はこちら


自治会の様子


そのなかで、「楽しいことがしたい」「もっといろんな人に知ってもらいたい」という声があがり、いつものメンバーも初めましての人も仲良くなれるように、今回のお祭りの企画へと発展していきました。入居者それぞれがやりたいことを出し合い、「FOOD」「HEALING」「CREATIVE」という3つのジャンルで、みんなの得意分野を活かしたコンテンツを準備することになりました。

FICCが担当したのは、「CREATIVE」。FICCでは毎年12月に全メンバーが参加する忘年会が開催され、毎回大盛り上がりする謎解きゲームがあります。(2021年度年末全社会の様子はこちら)今回は、その謎解きゲームをこんこんに集うメンバーと来場者に初披露することになりました。夏といえば、きもだめしということで、「こんこん×ホラー」をテーマとした体験型デジタルコンテンツを制作することになりました。

秋だけど、夏祭りの理由

ところで、10月はもう「秋」のはずなのに、「夏祭り」と呼んだのはなぜでしょうか。その昔、日本のとある地域では、その土地の風土に沿って独自に暦を創っていたことがあったそうです。暦も世界も、捉え方次第で自由になれる。こんこんは誰かの居場所であり、仕事場であり、遊び場です。「今」が混ざり合う場所で、その人次第で使い方が変わる自由なこんこんを楽しんでもらうため、「こんこんの夏はまだ終わらない」をテーマに掲げて、こんこん独自の暦を刻もうと、「秋」ではなく、「夏祭り」として開催されました。

社内忘年会恒例の「謎解きゲーム」を披露。体験を通じて目指したこと

当日は雲ひとつない晴天のなか、お祭りがスタートしました。FICCのメンバーは入口の受付にて、笑顔で来場者をお迎えしました。


パンフレットに載っているQRコードを読み込むと、謎解きゲームに参加できます。


QRコードを読み込んだ後のスマホ画面(写真左)。夏祭りの思い出に、マスコットキャラクターであるきつねのこんこんくんと楽しく記念撮影のはずが……(写真右)。


なんと、こんこんくんのいたずらにより、呪われてしまいます(写真左)。呪いを解くには謎解きクイズに正解するしかない!そこで、会場にいるスタッフに声をかけて、クイズが書かれた紙をもらいます(写真右)。

クイズのアイデアは、事業部長の村松勇輝によるもの。


回答画面は、懐かしの「こっくりさん」(写真左)。子どもの頃に一度は遊んだことがあるのではないでしょうか?スマホ画面上の10円玉を人差し指で動かして、一文字ずつ回答していきます(写真右)。子どもも大人も、真剣に考えていました。

これらのスマホゲームのデザインと開発を担当したのは、山本洋平と堤大洋。10円玉を動かすという細かい動作にこだわって制作に取り組んでいました。


謎解きクイズの答えは、こんこんがある地域の名前「しきあみ」でした。答えを入力すると、無事に呪いは解け、こんこんくんと再会できました(写真左)。正解した人には、こんこんガムとステッカーをプレゼントしました(写真右)。


そして、さらなる難問に挑戦!スマホ画面(写真左)に書かれているヒントをたよりに、こんこんを歩き、ヒントの紙(写真右)を探しだし、紙に書かれた2つのヒントをもとに答えへとたどり着ける内容です。はじめのヒント「たよりはいつも急」を指す場所とはどこだったのでしょうか?ヒントの紙は、FICCの郵便ポスト9番の中に隠されていました。2つのヒントから、こんこんのどこかに隠れている答えを探します。


「トイレ(ヒント3の答え)」の近くに、「レオ・レオニ(ヒント2の答え)」の代表作である、「スイミー(謎解きクイズ・難問の正解)」の姿がありました。


難問の答えは、「スイミー」でした。こんこんのWebサイトには、次のように書かれています。「まるでレオ・レオニが描いた『スイミー』のように、ふだんは別々で活動していても同じ目的のために集合して、大きな力を発揮するということ」と。このストーリーを知っている、こんこん愛が強い人のみが答えられるという難易度の高さに、入居者も苦戦していました。答えに辿り着けた人には、ワンドリンクプレゼントという特典付き。しかし、当日の正解者はたったひとりでした。

この難問と体験設計を考えたのは、社内忘年会の仕掛け人でもある、肥川紫乃。今回もクイズの挑戦者を唸らせてくれました。

FICCが目指していたのは、クイズを通じた人と人のコミュニケーションです。運営メンバーがクイズ用紙を持ち、来場者から声をかけられたら手渡しをする、ヒントを出す、プレゼントを渡すなど、来場者と入居者が交流するきっかけを生むような体験を考えました。その結果、「難しい、全然分からん」「できた」など、さまざまな声が飛び交っていました。

訪れる人それぞれが楽しんだ、当日の様子

当日は、当初想定していたよりもたくさんの人にご来場いただき、夏祭りは大盛況のうちに幕を閉じることができました。お客さんも運営スタッフも、子どもも大人も、みんなで混ざり合って楽しむ姿は、自治会で夏祭りを企画した当初、こんこんメンバーのみんなが思い描いていた景色そのものでした。

こんこんをいろんなはじまりの場所に

FICCがこんこんへの入居を決めた理由のひとつに、「この場所で仲間と一緒におもしろそうなことが始められそう」というワクワク感がありました。こんこんに入居して1年半が過ぎ、ワインやコーヒーが楽しめるお店で一息つけたり、共有スペースでさまざまなジャンルの人とお話ししたり、新しいつながりも生まれました。さらに、今回の夏祭りは、「みんなが楽しめる場所をつくろう!」という入居者全員の想いが集結した最高のイベントとなりました。これからも、会社という枠を超え、ここに集う人たちの得意技を活かしながら、さまざまなことやものを生み出していきたいと思っています。

あなたもぜひ、こんこんという場所で、FICCの仲間として一緒に取り組んでみませんか?

執筆:黒田洋味(FICC) 撮影:@koto_grapher、こんこんの入居者メンバー

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