FICCでは、2022年5月16日にKICKOFF2022が開催されました。リーダーが全社にメッセージを届ける、いわば宣言の場として2016年にはじまったKICKOFF。役員と各事業部のリーダーたちが自身の想いと共に、前期の振り返りや今期の方針をメンバーたちへ届けられた今期。その場にいた全員が同じ未来を描けるようなポジティブな場となりました。
会社をつくるのは人。未来をつくっていくための「熱いストーリー」がたくさん届けられたKICKOFFの一部をご紹介します。
2年ぶりのオフライン開催
2019年からリモートワークが続いてたFICC。最近では出社が緩和されてハイブリットな働き方が選択できるようになっています。今期は約2年ぶりのオフライン開催となり、久しぶりにメンバー同士が顔を合わせられる機会でした。「久しぶり」「元気だった?」と話をしながら、和やかな雰囲気で席に着くメンバーたちを見かけました。
そして、今まで2日に分けて開催していたものを、情報を一気通貫で伝えるために一日に凝縮した今回。東京は赤坂オフィス、京都は嵐山のレンタルスペースをお借りして、2会場をオンラインで繋いでの開催となりました。
赤坂オフィスの東京メンバーたち
嵐山のレンタルスペースに集まった京都メンバーたち
会長 荻野のオープニングトークから始まります。最近、11年前のメールに返信が来たことがきっかけで、「パーパス(大義)ってすごい」と、考えていた2011年当時の自分を振り返ったと言いました。
今では当たり前のように、海外の大手企業広告にはパーパスが使われています。表向きにはとても素敵に見える反面、政治的・社会的な問題が隠されているケースもあり、すべての企業がパーパスを貫いているとは限りません。2011年、当時「コーズマーケティング」として盛り上がっていた頃と、今とでは全く違う世界です。考えなければいけないことがたくさんあります。広告は、自分たちのようにコミュニケーションやPRに関わる企業がやっている"仕事"だからこそ「今日はみんなにしっかり考えてほしい」と荻野は語りかけました。
会長の荻野
ビジョン推進とビジネスに繋がる資源が生まれた一年
代表の森と取締役の戸塚より、前期の振り返りと今期の経営戦略について発表がありました。
前半は森から伝えられます。2021年は社会的にSDGsの重要性やESG投資が加速し、どこに向かうべきか悩む企業へのブランディングのニーズが増えたり、ブランドパーパスが広告業界のトレンドになっていた一年でした。そのなかで見逃してはいけないのは、FICCのビジョン(あらゆるブランドと人がパーパスによって、未来を創り続けている世界の実現)にも込められた、「人の想い」が主軸となる考え。前期はこのビジョンを推進していくために「ONE FICC」をテーマに掲げて、より事業間の連携を強化してビジネスに繋げていきました。
そして、人の想いを社会につなげ、社会と経済の価値につなげていく多くのイノベーションの種を大切にみんなで創造し続けたことで、ボーダレス・ジャパン社、マザーハウス社、アスエネ社といった社会課題に対して向き合っている企業との登壇や協業の機会を得た一年でした。そして、FICCのブランドマーケティングの専門知識を持って、全事業が共創しながら創造してきた多くの資源があります。クライアントの一つひとつのブランドの未来を願い創造した実績と、パートナーとの共創で創造した資源です。その資源をそれぞれのSDGs項目に対して、森からメンバーたちへ丁寧に伝えていきました。
さらにFICCの独自性は、人のスパークジョイを掛け合わせていくバリューの追求にあると語る森。ビジョン推進とビジネスに繋がる素晴らしい資源が多く生まれた一年だったからこそ「みんなに自信を持ってもらいたい」とメンバーを鼓舞しました。
そして「そのブランドとFICCがつくることができる未来をきちんと描けていますか?」と森はメンバーたちに問いかけます。
大切なのは、ビジョンで出会い、ビジョンで共創すること。未来をつくるのは『ストーリー』です。ストーリーが生まれるのは人の想いから。共感しないと人は集まりません。一人ひとりが意義を与え合い、より良い未来を創造していける一年にしていこう、と伝えます。
代表の森
後半は取締役の戸塚から、FICCが目指す組織について伝えられます。
コロナ禍や不安定な社会情勢で、暗いニュースが絶えない世の中。FICCでもリモートワークとなり、コミュニケーションが減ったことで人との繋がりが希薄になり、不安を抱かざるを得ない状況が続きました。
そんなときこそ大切にしたいのが「ウェルビーイング」の考えです。この予測不能な時代に「会社としてもひとりの人間としても、苦難に立ち向かっていくためのヒントがここにある」と戸塚は言います。みんなのウェルビーイングが満たされることで、FICCにいることの意義を感じてFICCのメンバーであり続けてもらいたい。そしてそれが、その人の長い人生において理想的な選択肢であり続けてもらいたい、と語りました。
また、今期はメンバーの意識や会社の“基盤”強化が重要になってくると言います。一人ひとりの想いを大切にしながらも、組織で協働していく上での意識を合わせていくことで、さらに一人ひとりが自走できる状態を目指していきます。
取締役の戸塚
経理の高橋から、社員に意識してもらいたいポイントがメンバーへ説明された
ウェルビーイングを生み出すワークショップを開催
お昼休憩を挟んだ午後からは、ワークショップが開催されました。よりサステナブルな組織を実現するために、前期からウェルビーイングについての探究を始めています。その一環で株式会社モブリックと一緒に、組織全体のウェルビーイングを高める取り組みを実施してきました。
組織で同じ体験を共有することが減ってしまったリモート下。全員が同じ体験を共有することで「共通感覚」を取り戻し、仲間意識が高まって心理的安全性の向上に繋がると言われています。今回は身体的なアプローチとして、みんなで一緒に身体を動かす体験をしました。
頭にあるイメージと実際の身体の動きにはズレがあり、そのズレが大きくなっていくと身体の違和感に気づかず、さらにズレがどんどん大きくなっていってしまいます。自分の軸のズレを確認しながら、身体をほぐすストレッチをしていきました。各所で笑い声が飛び交う、そんな穏やかな時間を過ごしました。
モブリック 代表の尾崎さん(左)と取締役の東里さん(右)。モブリックは、企業で働く人たちの日常をより“ポジティブ”にするために、「ウェルビーイング」の探究と浸透の担い手となっている会社です
各事業部のリーダーたちから紡がれたストーリー
続いて、各事業部から前期の振り返りと今期の事業戦略が発表されます。
10年先まで続くブランドの姿を描く
一番手は、BXクリエイティブ事業部。アドバイザーを兼任する森がメンバーを代表して発表しました。「ブランドの社会的意義を描く」というミッションの下、前期はBXメンバー全員で「FICCのブランドマーケティングの“WHY”を担うBXが提供する価値とは?」の問いに向き合った一年であったと言います。一人ひとりが知識を深めていき、サービスやフレームワークに還元して独自資源のアップデートを行いました。
BXは、ブランドマーケティングの"WHY"を担う部署。だからこそ、メディア・プロモーション事業部やマーケティングナレッジ開発事業といった他事業だけでなく、組織への理念浸透や採用ブランディングなどの領域で、FICCの大切なパートナーとの「共創機会」が生まれた一年でした。
それぞれの専門性をもった事業部やパートナーと共創をするからこそ、BXは10年先まで続くブランドの姿を描いていかなければなりません。そして、課題を解決するだけでなく未来を推進する力にするために、私たちが創造する「独自の価値」を磨き上げていくことが重要なのです。10年先まで続くブランド戦略を描くための、FICCの大切な知識ビジョンラダー®︎※。2022年は、この知識をBX事業部はもちろんのこと、会社全体で発展させてより価値に変えていく年にしたい、と森は語ります。
事業部長の立石は「多くのブランドがパーパスを表現して、永続的に実装しようとしている状態にするために理想の姿を追いかけ続けたい」と、自身の想いと共に意気込みを伝えました。
BXクリエイティブ事業 事業部長の立石
未来を期待する未来志向なブランドへと引っ張っていく
「オフラインは手触り感があっていいですね」と冒頭で語った事業部長の藤本。オープニングトークの荻野の話を聞きながら、ブランドマーケティングとの出会いや、それを世の中に広めたいという想いでFICCに入社した過去を思い出したと言います。そして、事業の前期を振り返りました。
数百人以上のブランドの担当者とご挨拶する機会があり“未来へのタネ”をまいた前期。今年はその芽吹いた木を育てていきたいと言います。成功の芽は、技術よりも情緒的な価値である“ブランドの中の人の想い”がなにより重要です。そして、未来を期待する未来志向なブランドへと引っ張っていくためには、中の人をエンパワーする併走力が必要になります。自身が商談のなかで見つけた「中の人との向き合い方」をユーモアを交えながらメンバーへのヒントとして伝えました。最後に「未来を期待する未来志向な中の人とブランドの芽を育て、今年は笑って暮らしたい」と締め括りました。
マーケティングナレッジ開発事業 事業部長の藤本
一人ひとりの想いの力で、人を繋ぎ人を導く
〈メディア・プロモーション事業 東京〉
まずはじめに、事業部長の林から前期の振り返りがされました。経済回復が厳しいなかでも、3つの戦略(マーケティング戦略、セールス戦略、組織戦略)から次に繋がる挑戦ができただけでなく、多くの共創資源が生まれた年でもありました(コミュニケーションラボ、ナラティブUGC、リスクコントロールド・ブランドコミュニケーションなど)。そのなかで、トライセクター(官・民・市民社会)との取り組みに繋がっている『COLOR Again』プロジェクトも立ち上がりました。
(左)メディア・プロモーション事業 東京 事業部長の林
ここで、事業部長二人が共感していることを伝えたいと、同じく事業部長を務める稲葉に代わりました。「僕たちはFICCのビジョン(あらゆるブランドと人がパーパスによって、未来を創り続けている世界の実現)は改めて本当にいいなと思っている」と言います。僕たちが目指す方角は、他者や他社と競争する独立独歩の世界ではなく、誰かのために動くと利益が達成できるような共創された世界です。それを実現させるために必要なのは「パーパス」。それは、みんなが共感できるものでなくてはなりません。
しかし、日本の市場は特殊です。社会価値が顧客のニーズになりにくいため、価格や機能の競争で利益を得ようとして、同じようなサービスや機能のものがたくさんできてしまうのです。そこで、社会課題を自分ごと化ができるようにして、ベネフィットに置き換えることをしなければいけません。これを実現できるのはFICC。だから、会社のビジョンにあるように「共感と共創によって市場成長し続けている未来の元気な日本のために、僕たちはやるべき使命がある」と語ります。最後に、「一人ひとりの想いの力で『人を繋ぎ、人を導く』ことで、知識や技術で事業部の未来をつくっていきたい」と伝えました。
(右)メディア・プロモーション事業 東京 事業部長の稲葉
よりチームの力を磨き上げる
〈メディア・プロモーション事業 京都〉
2021年の3月に前オフィスから引越し、現オフィスの『SHKIAMI CONCON』でスタートを切った京都チーム。コロナ2年目で世の中が混乱しているなか、恐れず踏み出した一歩がこの移転だったと語る、事業部長の村松。「リモートワークが余儀なくされたというネガティブな文脈ではなく、“自分たちの働き方である”と捉え直して『離れていても我々はひとつである』そんな想いでスタートができた年だった」と伝えました。
2年前から「地方でも若い人が夢を持って活躍できる世界が創出され、日本全体の経済が活性化された世界」という独自のビジョンを設定し推進してきた京都。メディアプロモーションをはじめ、個人のスパークジョイを原動力にした活動やワーケーションを通じた地方交流と、やることが明確になった年でもありました。そこでは、メンバーのスパークジョイから始まり、社外を巻き込み活動を広げている「祭エンジン」も挙げられます。
今期は「どんな意味を持ってやっていくべきか?」をしっかりと各メンバーが意識してできるよう「よりチームの力を磨き上げること」にフォーカスしていきます。その一環として、定期的にみんなが集まり同じ体験をして共感できる時間をつくる、チームビルディングのプログラムを始めます。最後に、自分たちが今後も大切にしていく姿勢を、メンバーの写真と共に伝えていきました。
メディア・プロモーション事業 京都 事業部長の村松
未来を描きストーリーテリングできる一年でありたい
たくさんの情報をメンバーたちに伝えた一日は終わりを迎えました。森はKICKOFFを振り返り、リーダーたちの発信が本当に心動かされるものばかりだったこと、そしてこうしてみんなで集まることができて本当に嬉しかった、と言います。
最後に「先日、期首スピーチでも伝えたように、ブランドの存在意義と未来を描いていくために、人の心を動かす『ストーリーテリング』が溢れる。そんな一年にしていきましょう」と、全員に伝えました。
メンバーの感想を一部ご紹介します。
- “やはり、対面でお話しできるとホッとする場面が多かったです”
- “今期から新たなメンバーも加わり、コロナも少しずつ落ち着き、今後も多くの変化をしながらFICCとしても個人としても社会がより良くなるために、皆で向かっていくことが分かったキックオフでした”
- “数年単位で目指したい未来を描きつつ、じゃあ今年はどうするのか、その障壁になっているものはなんなのか、それをどう取り除いていくのか、そのためにはどんな組織になっているといいのか。これまで点で理解していたものが少しずつ繋がってきたように感じます”
2022年は「FIND A BETTER WAY to LEAD BRANDS & PEOPLE TO PURPOSE」の姿勢で、ブランドやブランドに関わる人たちに意義を与え、自分たちの意義にもつなげていく一年を全員で目指していきます。
東京メンバー
京都メンバー
※「ビジョンラダー®」はFICCの登録商標であり、ブランドマーケティングの専門知識によりFICCが開発した、持続的に求められるブランドの姿を導き出すフレームワークです。引用の際は、上記クレジットの掲載をお願いします。