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好きを探究したら仕事も人生も楽しくなる?FICCの社内用語「スパークジョイ」を徹底解説

「あなたは何が好きですか?」「どんなものに興味がありますか?」

こんな質問をされたら、あなたならどう答えますか?そして、それは“なぜなのか“と理由を考えたことはありますか?

「映画」や「音楽」などすぐに答えられる方もいるでしょう。ただ、何気なく過ごす日常の中の感覚に、“なぜ?“と理由まで考える人は少ないのかもしれません。FICCでは、そんな興味や関心ごとを“心がときめくこと”の意味で「スパークジョイ」と呼んでいます。この記事では、なぜこの社内用語ができたのか、そしてスパークジョイから派生した社内外の事例を紐解いてお伝えしたいと思います。

そもそもスパークジョイって何?

誰かとコミュニケーションをする上で“考えを伝える”という行為は、仕事でも日常においても必要不可欠です。そして、伝えたい相手に納得感を持ってもらうためには、“自分の視点で伝えること”が何よりも重要になってきます。そのためには普段、情報に触れたり人と話したりする中で、ふとした瞬間に心揺さぶられたり、少しの違和感を覚えたり……そんな感覚に「なぜそう感じたの?」と自分自身に問いを立てて深掘りしていくことが大切です。こうすることで、“自分の視点”に気づき他者に伝えられるようになるのです。

「スパークジョイ」という言葉は、ときめくかどうかで残すものを決める片付け方法で知られる『こんまり』こと近藤麻理恵さんの考えをお借りして、代表の森が名付けた言葉です。自分で考え、自分で問いを生み出す力を身につけることに重きを置く、人を自由にする学問「リベラルアーツ」の考えを経営の軸に置くFICC。社内にその考えを浸透させるために、森がメンバーに伝えた日から使われるようになりました。

メンバーの一人ひとりが、スパークジョイを持ち寄り対話をする「クロスシンク」という月一の集まりがあります。答えの無い問いに向き合い対話をすることで、また新たな問いを共創する取り組みで、イノベーションの種が生まれる場として大切にしています。自分の視点から「人に伝えて、人から視点をもらう作業」を行うことで、自分の好奇心が何かと他者の興味を知ることができるのです。それを繰り返していくことで答えをもっとシャープにしていきます。

クロスシンクの様子

各自の興味からはじまった企画たち

2020年に始まったクロスシンクは、今では社内にとどまらず、社外の人たちとのビジネスの場でも始まっています。実際には、メンバーのスパークジョイを起点にした共創プロジェクトや協業サービスなどさまざまな企画が生まれています。ここでは、その代表的な事例をご紹介したいと思います。

日本の祭りを応援するサイト「祭エンジン」

「祭」がスパークジョイという、メディア・プロモーション事業部 京都に所属する伊藤里加子は、地元の愛媛県にある新居浜太鼓祭りに参加していたことがきっかけで、祭に興味を持ったと言います。そんな彼女が、一般社団法人明日襷(アシタスキ)の代表の方の「全国的に減少している日本全国のお祭りを守りたい!」という想いに共感したところから、「祭エンジン」プロジェクトが始まりました。サイトでは全国各地の名産品を購入することができ、その売り上げの一部が神社など祭の運営元に寄付される仕組みになっています。サイトでは祭に関わる全国の人々にも取材をしており、その土地ならではの文化の紹介もしています。

メディア・プロモーション事業部 京都の伊藤里加子

使わなくなったコスメを生まれ変わらせて、人と社会の可能性も広げる「​​COLOR Again」

メディア・プロモーション事業部 東京に所属する伊藤真愛美。社内で、美容商材の担当をしている中でコロナ禍で使い切れなかったコスメを廃棄する現実に、当事者としての罪悪感を感じると共に、捨てるのではなく自身が興味を持つアートに変えられないかと漠然と考えていた伊藤。そんな時、コスメを色材に変える商品を開発をされている株式会社モーンガータと繋がりプロジェクトが始まりました。昔から「自分の好奇心」や「固定観念にとらわれない考え」を大切にしていたと語る彼女。本来は自信やときめき、創造性を刺激してくれる存在でもあるコスメで、自分の心に耳を傾けながら想いを表現することで、自分の価値観に自信を持てる人を増やしたい。そんな、人が少しでも心地よく生きられる社会をつくることを目指すプロジェクトです。

メディア・プロモーション事業部 東京の伊藤真愛美(持っている絵はCOLOR Againのメインビジュアル『サスペンスガール』さんのもの)

伝えることの価値を研究する場「コミュニケーションラボ」

メディア・プロモーション事業部 東京 に所属する森田雄は、昔から「映画のストーリー」に興味があったと言います。映画の脚本に携わった経験から 「ストーリーを伝えること(ストーリーテリング)」の価値に気づき、社内のメンバーと一緒に『コミュニケーションラボ』というメディアを運用し始めました。「伝えること」そのものを研究して、その価値をきちんと社内外に知らしめたいというのがこのメディアの目的。ビジネスに還元をしつつビジネスに縛られない、自由な研究の場として、今後は伝える仕事に携わる自身の想いや、面白さや価値を深めるような研究過程を伝えて、共感してくれるメンバーも増やしていく予定です。

メディア・プロモーション事業部 東京の森田雄

興味のあることを自分の成長に繋げる

スパークジョイは「評価」の軸として会社の仕組みにも取り入れられています。メンバーの成長や評価の指標となる「成長目標」というものがあります。

成長設計は、メンバーが目的を持って確実に成長できるように各自が組み立てていくものです。組み立てる時に重要なのは、自分自身を深堀りしていくことです。「Will」の”スパークジョイ”、「Can」の”客観的な自分の強み”、「Must」の”自身の課題”を出していきます。これだけだと自分がやりたいことだけになってしまうので、各自の「Will・Can・Must」からアドバイザーやマネージャーと一緒に会社のビジョンやチームの目標とアラインしていく作業を行います。ここで組み立てたものが長期的な目標となり、そこから具体的なアクションに落とし込んでいきます。その人のやりたいことと、事業としてやりたいことを束ねて全員が同じ方向を向くのが理想なのです。

社内施策に取り入れた私のスパークジョイ

ここで少し、私(深澤枝里子)の話をさせてください。私は、コーポレートチームで広報をしていて、普段はこうして社外向けに記事を書かせていただいています。そして、社内に「FICCの今」を伝えることも仕事のひとつです。

私のスパークジョイは「キュレーション」です。情報を収集しまとめたり、繋ぎ合わせて新しい価値を持たせたりするという意味の言葉です。作品内容をどう人に伝えるか、作り手と受け手をどう繋げて対話を発生させるか、アート鑑賞などにもよく使われます。昔からその能力に興味があり仕事にも活かしたいと思っていました。広報の仕事は「人と人を繋ぐ」ことだと思っているので、どう繋げてどう対話を生み出すか「会社をキュレーションしていきたい」と考えています。

私が2020年に入社をした当初は、リモート下ということもあり誰が何をしているのか一切わからない状態でした。一部のメンバーからは「雑談が減って互いが見えなくなった」という意見もあり、自分を含めたメンバーの関係性の構築を重点的に行いつつ、文章を書く頻度も上げていきたいとも考えていました。

広報の深澤枝里子

そんな考えから、2021年の5月にリリースしたのがWeb社内報です。メンバーがどんなことを考え、どんなことに興味があるかを共有し、対話へと繋げていきたいと「FICC SSP(エフアイシーシー・シーサイドパーク)」という名前でコンテンツを立ち上げました。リモート下でも公園のように、「ふらっと立ち寄れる場」の意味を込めています。もともと東京・京都のオフィス間で親睦を深めるための社員図鑑を作るアイデアも、この社内報の一コンテンツとして盛り込み、既存メンバーだけでなく新入メンバーの情報もストックしていける仕組みを作りました。また、雑談で流れてきた情報やプロジェクトの裏話なども交えて、一週間に約1本の頻度で記事を公開しています。

立ち上げからちょうど一年が経った今では、メンバーの約半数に読んでもらえるコンテンツになりました。社内アンケートでは「接点の少ないメンバーと話すきっかけになった」や「共通の趣味を持つメンバーからメッセージをもらった」と、対話に繋がるエピソードを聞くことができました。今後はより多くの対話が発生するように、社内の声を聴きながらトライアンドエラーを繰り返していきたいと思います。

左:SSPのメインビジュアル/右:SSP内のコンテンツ

スパークジョイがあると人生が楽しくなる

ある日、広報の相棒である黒田洋味に、「あなたにとってスパークジョイってどんなもの?」と聞いたことがありました。返ってきたのは「人生を楽しくしてくれるもの」という言葉。FICCにいなかったら、家事や育児の忙しさから自分自身に目を向けることも無かったと言います。対話を重ねることで、 人のスパークジョイから影響を受けたり、知らない領域を摘み食いできたりするような楽しみもあるのだと。「だって、好きなものを持っている人って楽しそうじゃない?」そう言った彼女の言葉がとても印象に残っています。


広報の黒田洋味

改めて、あなたは何が好きですか?あなたの人生を楽しくしてくれる、そんな「スパークジョイ」をぜひみなさんも見つけてみてください。

執筆:深澤枝里子(FICC) / 撮影:後藤真一郎・岡安いつ美

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