FICCオフィスでは、様々なバックグラウンドを持つスタッフが、それぞれの強みを活かしながら活躍しています。
MP事業部 京都プロデューサーの桂三恵も、そのうちのひとり。
もともと自社メディアを持つ広告制作会社にいた彼女は、8年間、主に情報誌のディレクターとして勤務したのち、2019年1月にFICC京都オフィスに入社しました。
メディアからデジタルマーケティングへと転身した桂は、現在どのような気持ちで働いているのでしょう? 転職の理由から現在の仕事内容まで、ざっくばらんに話を聞きました。
(インタビュー・文:土門蘭、写真:岡安いつ美)
プロフィール:
桂三恵
1987年大阪生まれ。同志社女子大学学芸学部情報メディア学科卒。某広告制作会社にて、自社メディアである情報誌のディレクターとして8年間勤務した後、2019年1月FICC京都オフィスに入社。現在はプロデューサーとして、複数の案件を担当している。
「これでずっと生きていけるのかな」という危機感
ー以前はどんな仕事をしていましたか?
某大手グループの広告制作会社で、ディレクターとして働いていました。私が担当していたのは主に紙媒体で、自社が発行している情報誌を使って、お客様の課題を解決するという仕事をしていました。
ー転職しようと考えたのはなぜだったんでしょう?
そこでは8年勤務したのですが、だんだん「これでずっと生きていけるのかな」って危機感を覚え始めたんです。クライアントの課題解決のために戦略を立てて、打つ手を考える。だけどその「打つ手」というのが、前職では「自社メディア」の中だけに限られていたんですね。
戦略を立てる力がそれなりについてきて、社内で表彰を受けることもあったけれど、「これって世の中で通用するのかな?」っという疑問が常にありました。この会社の中だけではない、世の中で通用する武器を手に入れたいっていうのが、転職を考え始めた理由です。
メディア会社の宿命なんですけど、クライアントの課題解決とともに、ユーザーから選ばれ続けるクオリティを担保しながら、メディアの成長も推し進めなきゃいけない。そこがおもしろいところでもあり、難しいところでもあります。そんな中でクライアントのことを深く考えれば考えるほど、「打つ手」が選べないもどかしさと、もっといろいろなことができるようになりたいという欲求を感じるようになりました。
ーなるほど。そんな中、FICCに入ろうとしたきっかけは?
私のやりたいことは、「クライアントの困っていることをちゃんと捉えて、戦略を考え、数ある手法の中から最適なことを選んでいく」ということでした。さらに言えば、見えていない困りごとも可視化して解決していきたかったんです。
お医者さんで例えると、目の前の怪我を治すのはもちろん、その患者さんが健康に長生きするためにはどうしたらいいのかを考えるということですね。10年後もクライアントのビジネスが続いているように、目先のことより未来のこと、目の前の案件だけではなく業界全体のことを考えたいなと。その哲学が、FICCと合ったんです。
もちろん、他の会社も受けましたよ。だけどFICCならいろんなことができそうだなって。いちばん上流の課題から接点を持てること、大手企業を担当できること、プランニングから制作まで一貫して経験できること……中でもその3つが決め手となって、入社を決めました。
バナーのクリック率にひそかにガッツポーズ
ー入社してから、FICCではどんな仕事をしていますか?
クライアントの課題に対するマーケティング戦略を考えて、デジタルを使って解決していくことです。
実際にやってみたら、異業種から来たとは言え、戦略を立てるところまではできるものだなと思いました。だけど、手法に関してはこれまでよりもずっとバリエーションが多い。既存のデジタルメディアと組むことも、自分たちでコンテンツを作ることも、広告を打ち出すこともできる。
やれることがとても多いので、その中から最適なものは何か判断して選んでいくのが楽しいですね。いちからコミュニケーションを設計していけるのは、とてもやりがいがあります。
ー具体的には、どんな案件に携わっていますか?
今担当しているのは、コンタクトレンズ会社、製菓会社、コーヒー飲料会社、某スポーツチーム……いろいろなクライアントとお仕事をさせていただいています。
まだ半年なので、効果が出たというところまではなかなか行けていないですが、自分で考えたバナーのクリック率が良かったときは密かにガッツポーズしました(笑)。前は武器が決められていたけれど、今は武器を選んで、どう使うかまで提案しているので、たとえそれが小さなものでも、ちゃんと機能したのを実感できたのは嬉しかったです。
ー扱うものが紙媒体からデジタルへと変わって、違う領域での仕事に不安はなかったですか?
もちろん、わからないことはいっぱいあります。でも、わかっている人が周りにいっぱいいるので。私の役割は、「なぜそれをしないといけないのか」という根本のところを握ること。だからそのやり方については、他の方に任せようと思っています。
とは言え、共通言語がわからないと困ることも多いので、わからないときにはすぐに聞くようにしていますね。「DMPって何ですか?」「タグって何ですか?」みたいに、がんがん聞いています。そうやってカタカナ言葉をいちから噛み砕くことで、お客さんにどのように説明したらいいかもわかってくるので、それはそれでいいことだなと思います。
「それってそもそも何でするんだっけ?」を問い続ける力
ー前職の経験で、今に活きていることは何ですか?
やっぱり、戦略を考える部分ですね。前職では「それってそもそも何でするんだっけ?」って問い続けることをずっとやってきたので、それが今の仕事にも活きています。
本当にデジタルって、やれることが多いんですよね。データはいっぱいあるし、情報も見れるし、打つ手もいっぱいある。だからこそ、「そもそも何のために」の部分をちゃんと言えなくちゃいけないんですよね。無駄なことをせず、必要なことだけを行うために。
FICCに入ってから言われたのは「何のためにこれをやるのか」をちゃんと見据えてくれて助かる、ということでした。「そのためにどうやるか」は、それが得意な人に任せたらいい。だから、自分はその部分を常に問い続けるようにしていますね。
ー今後、この会社で挑戦していきたいことは何ですか?
知らないことばかりなので、早く覚えて打つ手を使いこなせるようになりたいです。戦略を立てる力をもっと活かせられるように、最適な武器をちゃんと選んで使えるようになりたいですね。
今は、先輩の仕事を見たり手伝っていく中で、「ああ、こういう手法もあるのか」「こういうふうに効果が出るのか」ということを勉強している最中です。
ー最後に、仕事で大事にしていることを教えてください。
前職の上司に言われたのは、「広告は水物」ということでした。メーカーのように形に残るモノを納品するわけではないし、どれだけ考えても想定外のことが起こる場合がある。そんな不確実な状況の中で、クライアントからの期待に対して何を返せるか、常に考えるようにと言われていました。
私の考えでは、「この人にお金を払ってよかったな」と思ってもらえるくらい効果を出すことが第一。万が一効果が出なかったとしても、「ここまでやったのであればうまくいかなくても仕方ない」と納得してもらえるくらいの、データを根拠にした合意形成と質の高いコミュニケーションを取ることが第二。それが、「物」を売っていない私たちの責任の取り方だと思っています。
だから手法だけに終始して効果を語れないのは、すごく嫌なんです。どれだけかっこいいことをやっていても、効果が出なければただの自己満足でしかない。シビアに「それで、どれだけ動いたの?」と追求し続けたいです。デジタルはそれが数字ですべて出るから、気持ちがいいですよね。
現在は既存のクライアントとの関係をより深めていくべく、「営業的な動き方にも力を入れている」と語る桂。
「クライアントの困りごとと、私たちが得意としているデジタル施作をきちんと繋げれば、まだまだできることはあると思います。その提案力を強めていくことができたら、FICC自体もさらに強くなっていくのではと感じています」
前職では営業補佐もやっていたという彼女ならではの視点に、同席スタッフはみな思わず身の引き締まる思い。入社半年にして強みを活かしながら主体的に動く彼女を、FICC京都チームはとても頼もしく思っています。
このようにFICCでは、異業種からやってきたメンバーも、それぞれの「自分らしさ」を前面に出しながらいきいきと働いています。
デジタルマーケティングに興味のある方、新しいことにチャレンジしてみたい方、ここで一緒に働いてみませんか?
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