「デザイン」と「技術」を形にした 2種類のカレー
「ハピネス」を「いただきます」で表現したパッケージ 「人々にハピネスを届ける」というフェンリルの使命に着目し、食事に関わる「ハピネス」を模索。そして、「いただきます」という言葉...
https://www.fenrir-inc.com/jp/about/curry2023/
こんにちは! 新卒デザイナーの福本と小谷です。
研修の一環で、新卒デザイナーらがAチーム・Bチームの2つに分かれてカレーノベルティを制作しました。それぞれ制作したノベルティのコンセプトや、制作ストーリーについてお話しします。
このノベルティについては、コーポレートサイトの「デザイン」と「技術」を形にした2種類のカレーでも紹介しています。ぜひご覧ください。
Aチームのコンセプトは「ハピネスを広げるカレー」 。
まず、ノベルティがカレーである意味を深掘りしました。悩んだ結果、カレーはみんなが好きなもの。おいしいカレーを食べたら幸せになるし、その幸せが波紋のように広がったらいいな! と考えました。
波紋なので、1人が幸せを感じて終わりではなく、1人が感じた幸せが他の人にも広がっていってほしい、という思いも込めています。
次に、どういった味にするかを考えました。辛口が好きな人にも、甘口が好きな人にも、みんなに「おいしい!」と思ってもらえるカレーを目指しました。辛味もありますが、隠し味のマンゴーや飴色玉ねぎでコクと甘味もあります。
パッケージは、おいしいカレーを食べたときに思わず幸せそうな声が上がり、周囲にそのハピネスが広がっていく様子を表現しました。見えないものをデザインとして可視化したいという思いから、声に注目しました。 「おいしい」や「うまっ」など、幸せな気持ちが含まれている食事中の言葉はたくさんあります。中でも「いただきます」が一番幸せを表していると思い、いただきますの声を録音して得た波形のデータからデザインを起こしました。
目に見えないものをうまく表現することに一番苦労しました。
音波はグラフに出力して可視化できるけど、そこに幸せを感じるかとか、言葉の意味とかを含めてデザインするのは難しかったです。
逆に、味はすぐに「これだ!」と満場一致で決まって印象に残っています。
印刷物を見るのは好きですが、実際に作ってみると、たいてい画面のデザインとは違っています。立体になったときにどう見えるか、どういう質感になるのかを想像しながら作るのは大変でした。
カレーノベルティーに関する感想を聞くべく、社内でアンケートを実施しました。
まずはAチームに寄せられた声を一部紹介します。
Bチームのコンセプトは「異なる性質を持つものの融合」です。
フォンリルらしさとは何かを追求するため、コーポレートサイトやこれまで制作されたノベルティを徹底的に調べました。調査を進める中で、ブランドムービーの「相反する二つの物質」という言葉がとても印象に残りました。かつフェンリルらしさを感じたため、これを軸に制作を進めました。
そうしてできたのが、黒と白の合い掛けカレーです。
2つを一緒に食べることで、両方の味が引き立ちます。フェンリルのブランドメッセージである、「デザインと技術を掛け合わせる」ことを表現しました。
2つのパッケージには、繋げると現れる21個の単語が隠れています。
パッケージを繋げると「DESIGN」「TECHNOLOGY」などの文字が見えるようになります。
どちらも欠けてはならない存在であることを表しています。
「パッケージに、クライアントに渡したときに話が弾むような仕掛けがほしい」という要望があり、それをどう落とし込むかに悩みました。何度もアイデアを提案しては修正を繰り返し、正直苦しいときもありました。
パッケージだけではなく、カレーの制作にも時間がかかりました。
2つ合わせておいしいカレー、というのがまず難しい。市販のカレーを調査するため、50食以上のカレーを試食しました。違う種類のカレーを合わせておいしいと思う組み合わせを探すのは、想像以上に大変でした。社内メンバーにも何度も試食をしてもらい、たくさんの人の意見をいただきました。メンバーで協力して一緒に苦労した分、いいものができたと思います。
Bチームのノベルティに寄せられた声も、一部紹介します。
「良いものが作れた」と思う水準に達するには、細部まで注意を払う必要があると学びました。
Aチームの場合はどの言葉で表現するか、グラフィックとして波形をどう切り取っていくかを絵を描いてモックアップを作成。さらにまた絵を1から作り直して...を繰り返し検討を重ねました。
細部にまで信念を持つ。妥協していたら今回のカレーはできていなかった気がします。
また、印刷物のデザインの経験はほとんどなかったのですが、自分がやったことがない領域に妥協なく挑戦することって大変だけど楽しい! その気持ちを忘れず色んなことに挑戦していきます!
(Aチーム・福本)
どうしたらノベルティを通して、フェンリルらしさを伝えられるのかを一番考えました。
この研修の前は、ブランドにはロゴタイプや色のイメージが必要不可欠だと思っていました。しかし、今回制作したパッケージデザインのように、文字だけでも十分ブランドイメージを作れると知りました。コスメブランドのロゴタイプなどはそれが顕著です。
実例を普段から見ているのに文字の力を信頼しきれていなかったと反省しました。
この研修でいくつも案を出して何度も試行錯誤を繰り返したことを忘れずに、クライアントのブランドをどうすれば表現できるかを今後も追求したいです。
(Bチーム・小谷)