1
/
5

想いを伝えるノベルティ。パッケージにも味にもこだわったフェンリルのカレーが完成

こんにちは。デザイン部でディレクターをしている小室です。

年末のこの時期フェンリルでは、お客様やお世話になっている方々にノベルティをお配りしています。

年に1回新しく制作していて、これまでに、キャラメルチョコレートなどのノベルティをお届けしてきました。

今年のノベルティは、フェンリルでデザインに関わる社員全員を対象にしたコンペを開催し、参加者を含めた投票で決めました。

コンペには個人参加、グループ参加あわせて42案の応募があり、「新規性」や「革新性」をもち、なおかつ「配りやすさ」も考慮された3つの案が選ばれました。

そのうちの一つが、この記事でご紹介するカレーのノベルティです。(他の2つはまた別の機会にご紹介)

ひと粒ひと粒が際立った、4652粒に想いを込めて
一見するとカレーのパッケージとは思えない、真っ白のデザイン。一面に米粒を散りばめ、カレーに欠かせないお米を表現しています。 パッケージのベースにマットビニールを使用し、お米の部分には透明箔を施すことで、立体感を演出。整然と米粒を並べるのではなく、手作業で並べたような、あたたかみを感じる配列にこだわりました。 ...
https://fenrir.design/works/curry

フェンリルのことを思い浮かべてもらえるノベルティに

フェンリルがお渡しするノベルティは、お客様へ感謝の気持ちをお伝えしたり、認知度を高めることはもちろん、ブランドの価値を高めるという目的もあります。

それに加え、今まで自分がディレクターとしてクライアントに接してきた中で、食べ物の話題は会話の糸口になりやすいという経験を踏まえて、私の好物でもあるカレーのノベルティを思いつきました。

(当初、「フェンリルゥ」という名称を考えていて、パッケージを見て口に出してもらうことでフェンリルのことを思い浮かべてもらえるのでは?というアイディアもありました)

プロジェクトの立ち上げは、今年の6月。

ノベルティを配りはじめる12月中旬までに完成させるため、スケジュール作成、メンバーのアサイン、業者訪問、社員へのアンケートなどを行いながら進めていきました。

業務と平行しながらの作業となるため、なかなかタイトなスケジュールでした。

フェンリルらしいパッケージを模索

今回は、箱にパッケージされたレトルトカレーを制作。レトルトカレーは市場にたくさんありますが、これまでにないパッケージをつくりたくて、メンバーで意見を出し合いながら、フェンリルらしいデザインを模索しました。

ブラッシュアップを重ねるなかで、カレーのビジュアルをメインにするのではなく、カレーには欠かせない“ご飯”を表現するという方向性に。

カレーの黒、ご飯の白、2色にすることで、
フェンリルのブランドカラーでもあるモノトーンの世界観を表現するという意図もあります。

そうして、“4652粒”のお米が描かれているデザインに決定。この数字は、"よろこび" = “ハピネス”を表現しており、「デザインと技術でユーザーにハピネスを」というフェンリルの理念に重ねました。

(4652粒というのは、
実際に私がカレーを食べる時にごはんの量を測り、そのうちの10g分の米粒の数も数えて算出。)

整然とまっすぐ米粒を並べるのではなく、少しランダムな並びにすることで、贈り物としてのあたたかみが伝わるようなデザインにすることも意識しました。

そして実は、米粒の中には403個のフェンリルロゴが隠れています。それは、フェンリルに在籍するスタッフの数(2019年5月現在)。

ひと粒ひと粒の個性が大きな力となり、フェンリルのスタッフがユーザーにハピネスを届けるということを表現しました。


裏面のデザインもコンセプトを大切に

食品のため裏面に記載しなければならない情報がたくさんあるなかで、白のイメージを崩さないようなフォント、色を選んでデザインしました。

また、コピーは最小限にして詳細はQRコードからプロダクトページに飛んでもらえるようにしています。


ちなみに捨てがたかった案としては、並ぶ米粒を見ているとフェンリル君(フェンリルのロゴ)が浮かんでくるという“錯視”を利用したアイディア。

米粒の並びを変えることで、真ん中にフェンリル君が浮かぶようになっています。おもしろいアイディアなので、別の機会に使ってみたいです。


妥協をせずに想いを伝える

フェンリルスタッフの想いを重ねたひと粒ひと粒のお米を際立たせるため、エンボス加工でお米を表現する計画でしたが、凹凸感のある箱では、製造工程で不具合が出る可能性があるとのことで断念…。

(箱の中にカレーパウチを封入する際に、オートメーションで箱を持ち上げるため、素材によって機械が対応できないという事情)

でも、どうしてもお米の質感にこだわりたい私たちは、先方の担当者の方にデザインの意味や表現したいことを伝え続けた結果、熱意が伝わり、「別の方法であればフェンリルさんの想いが表現できそう!」という提案をいただくことができました。(ありがとうございます!)

そうした紆余曲折を経て、パッケージのベースにはマットビニールを使用し、お米の部分には透明箔を施すというアイディアで、立体感のあるお米を表現することができました。

まるで文庫本のようにも見えます。

フェンリルを表現するカレールゥ

カレーのOEMは他社にもありますが、フェンリルならではのこだわりを追求するため、既存のルゥは使用せず、様々なカレールゥを試食して理想的な味や見た目を追求していきました。

大きく分けて「甘口」「中辛」「辛口」があるなか、社内アンケートをもとに「中辛」をベースにすることに決定。20種類ほどのレトルトカレーを用意して試食会を開催しました。

味の好みとしては、「ベーシック(王道)」派と「スパイスカレー」派に分かれましたが、様々な個性が混ざり合うフェンリルを想像させるような、「スパイシーなカレー」を目指すことに。

また、味の印象にも影響するカレーの色については、フェンリルのコーポレートカラーでもある「黒」をイメージさせるような「黒いカレー」に決定。黒いカレーをベースにさらに試食を重ね「誰でも食べやすいけど、ややスパイシーで黒い」というラインで調整していきました。

具材については、ひと口ひと口を楽しんで満足いただけるように、大きいお肉を数個入れるのではなく、小さめのお肉を多めに入れる工夫も。

メンバーで試食していくつかの種類に絞り、自宅でも色んなのカレーを試食するなど、カレーにまみれた生活をおくりました。

方向性が決まり試作を重ねるなかで、イメージする「黒」を表現すると味が変わってしまうなど紆余曲折はありましたが、最終的には満足のいく味と色を実現できました!

新しいアイディアが生まれる楽しさ

この半年はカレー漬けの日々で、試食会以外にも家でもたくさんカレーを食べました。ちなみに、家にはまだ買い集めたカレーがたくさん残っています。(ちょっと太ったのはカレーのせいということにしておきます。)

私はデジタルのデザインしかやってこなかったのでパッケージのデザインに関しては素人。紙モノの経験のあるデザイナーの意見はとても参考になり頼もしかったです。一緒にやってくれたメンバーに感謝!!

パッケージの印刷は、本番と同じ紙と加工の組み合わせのサンプルがなく一発勝負でしたが、結果的にはうまくいって、現物が届いて確認したときはホッとしました。

また、普段は依頼される側ですが、依頼する側で仕事をするのは新鮮でした。

専門分野外で知識の少ない中、「よりよい物を作りたいけど、どう伝えていいかわからない...」というもどかしさを感じることもあったのですが、それは普段、フェンリルに依頼をしていただくお客様が感じていることかもしれない…と、依頼する側の気持ちを少しだけ理解できた気がします。

そんな中で、「熱意を伝えれば新しいアイディアが生まれる」という体験ができて嬉しかったです。

また機会があれば、チャレンジしてみたいです!

ノベルティコンペで選ばれた他の2つのプロジェクトも進行中なので、完成したらそれぞれの担当者から紹介したいと思いますので、ぜひご覧ください。

フェンリルからお誘い
この話題に共感したら、メンバーと話してみませんか?
フェンリルでは一緒に働く仲間を募集しています
18 いいね!
18 いいね!

同じタグの記事

今週のランキング

小室 千春さんにいいねを伝えよう
小室 千春さんや会社があなたに興味を持つかも