こんにちは!ディレクターの藤城です。
先日、4月5日に開催されたUX DAYS TOKYO 2019に参加してきました。
UX DAYS TOKYOとは、日本にいながら海外のUXが学べる日本最大級のUXカンファレンス&ワークショップです。今年は「ビジネスのためのUX」をテーマに、世界中で活躍する6人のUXのプロフェッショナルがゲストスピーカーとして登壇しました。
フェンリルもブースを出展しました
フェンリルは、シルバースポンサーとしてブースを出展!たくさんの方にお越しいただきました。
中には「フェンリルが開発しているウェブブラウザSleipnirが大好きです!」と言ってくださった方もいて大変嬉しかったです。
また、デザイナーやエンジニアの参加が多い今回のカンファレンスに合わせて制作したチラシも配布。
プロフェッショナルであり続けるフェンリルスタッフの一員となってくれる方に向け、『KEEP PROFESSIONAL! KEEP CREATIVE!』というスローガンを立てました。
熱気あふれるカンファレンス会場
一方、カンファレンス会場は、約330人の参加者で大変賑わっていました。去年よりも50人ほど枠が増えていたようですが、それだけUXに関心がある人が更に増えたのかもしれないですね。
日々の業務に活かせるセッション
世界的に注目されている6人のスピーカーを招聘したセッションでは、普段業務の中ではなかなか知ることができない視点や気づきがあり、大変楽しかったです。
その中でも個人的に面白いと感じたテーマを2つ紹介します。
「サービスデザインで現代的な体験の創出」 Nick Remis氏
- そもそもサービスとは誰かの手助けをする、誰かの仕事をする行為であり、「経済活動の結果」である。
- サービスはプロダクトよりユーザーとの関係を深くし、価値を感じ続けてもらわなければ成功しない。 そのためには、関係者全員が深いレベルで同じマインドセットで関わることが重要。
- サービスは継続的に常に利用できなくてはならない。だが、サービスはそのままにしておくと傷んでしまう。 サービスデザインする時は、ユーザーの動き、表側の動き、裏側の設計をしておかなければいけない。
- サービスには「orchestration(調和)」が重要。つまりサービスに関わる全ての人が同じレベルで理解し、 同じ考えを持って連携できていないとサービスが破綻する。
- サービスを設計するには、ユーザーを中心としたタッチポイントを洗い出し(ecosystem map)、 タッチポイントの繋がりを確認し(service blueprint)、サービス一連の実演試験(service enactment)を 行うことによって、サービスインタラクション、スタッフ、その背景全てを考慮する必要がある。
- サービスデザインに必要なマインドセットはシステムシンキング・多角的視点・エレベーションチェンジだと 考える。
- サービスデザイナーはあくまでチームのファシリテーター。周りの人に理解してもらうことが重要。 一人ではサービスは作れない。
「一人ではサービスは作れない」という言葉が印象的でした。人々の人生を変えるくらいのサービスを作るには、手法も大事ですが、多くの人を巻き込む力、そして、スタッフが一丸となるチーム力が必要なんですね。
「ストーリー(ナラティブ)に隠れる数値を探そう」 Kate Rutter氏
- デザイナーは「何を達成しようとしているのか 」、「成功したらどうなるのか」を言葉やイメージで相手に 伝えるのは得意。だが「実績をどのように評価し、それをどう追跡できるのか」を伝えるための数値を扱うのが苦手。
- デザインで数字を使うと、ビジネスステークホルダーとのコミュニケーションができたり、計測できるデザインプロダクトが作れたり、仕事がうまくいっているか確認できる。
- 定性的なデータは「なぜそれが起きているか」を、定量的なデータは「何が起きているか」を説明する時に 使える。
- データの中で重要なのは、「Retention(保持)」つまり、使い続けられているかどうか。
- 良い測定基準は、その製品の"使われ方"がわかるデータでなくてはいけない。
「デザイナーは数字が苦手」という言葉は図星だったので、ハッとさせられました。
使われ方がわかるデータを抽出するために、インターフェイスのどの部分を計測したらよいかを見極めるのが難しそうですね。
カンファレンスを終えて
6つの講演を聞き、その合間にブースに立って参加者と会話し...と充実した長い1日でした。
(正直、こんなに人の話を聞き続けたのは久しぶりだったので少し疲れました...笑)
プロダクトを売ったらおしまいではなく、どう使い続けてもらうか、また提供する形がプロダクトからサービスへと変化する中で、ユーザーをより深く理解し、ユーザーと長く付き合うことの大切さを改めて感じることができました。
また、私は普段から、デザイナーやエンジニアをはじめとする社内のメンバーや、様々な立場のお客様などいろんな人と関わることが多いポジションで仕事をしていますが、提供する側のチーム力や理解力について多く語られていたことが心に残りました。プロダクトもサービスも、作るのも使うのも人間。どちらも人間が中心なんですね。
新しい出会いや発見など、多くのものを得られたUX DAYS TOKYO。今後もこのようなイベントに参加し、その模様を皆さんにお伝えできればと思います。
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