2023年、カルチャー元年
ファストドクターは2022年に「Base Growth」を全社スローガンとして、急速な成長・拡大をみせました。コロナ禍で混乱する自治体への支援開始や、24時間診療を行う在宅医向け支援事業の成長、企業と手を組んだ新たな医療サービスの開始などなど、各事業で「Base Growth」に向けた数多くのトライが実施された一年でした。
事業の拡大は、採用の加速にも繋がります。
柱となる人材が次々とジョインし、社員数はたった一年で50人から 140人へと増加。社員規模においては約3倍の会社へと進化したのです。
組織の拡大=新しい判断軸の定義
組織の拡大は社員の働き方の多様化と同義です。
ファストドクターの本社は東京都港区にありますが、全国に拠点が展開され、医療機関や自治体と対面協議を進める社員や、拡大する救急往診エリアの整備を担当し、各地を走り回る社員の数も急速に増えました。
また、24時間体制を支援するファストドクターは働く時間帯も多様で、コアタイムが夜間となる社員も数多くいます。一箇所に集まっていた社員が時間も場所も離れて働くようになると、これまで自然と醸成されていた共通の空気感や価値観の共有はだんだんと難しくなっていきました。
今後さらに組織が大きくなるほど、時間帯やロケーションを問わず、メンバーひとりひとりが「ファストドクターらしい判断」をもって自走することが必要になってきます。
そこで組織の判断軸となるVALUEを改めて定義し、一致団結のもとカルチャー醸成をスタートしようという「カルチャーデザイン会議」が全社イベントとして開催されました。
ボトムアップで全社員がVALUEの定義に参加
全社会議に先立ち、ファストドクターという会社はどのようなVALUE(価値基準)を持った会社であるのか?を再定義しました。
再定義にあたっては誰か一人、あるいは一部署が単独で行うのではなく、社員全員が「自分自身が定義したバリューである」と強く意識することができるよう、全社員参加型のプロセスを通して行われました(このプロセスは後日、詳しくお伝えします!)。
Go, GEMBA
答えは常に現場にある。いつも現場に足を運び、現場から解決の糸口を見つけよう。
Try Fast, Learn Fast
まずはチャレンジしよう。多くの物事に正解はない。たくさん失敗をしよう。失敗から多くを学べるはずだ。
Think Forward
本質を見据えよう。本質に近道はない。ゴールに向かって一歩ずつ進んでいこう。
Tsunageru Team
全員一丸の力で進もう。仲間の悩みに本気で向き合おう。互いに感謝を伝えよう。
Responsible for Future
医療のプロフェッショナルとして、より良い未来を目指していこう。関わる全ての人に誠実であろう。
VALUEリーダーが全社への浸透を推進
ファストドクターは医師・看護師や医療事務といった医療職の社員から、コールセンター、エンジニア、マーケティング、新規ビジネス開発など、他にも多種多様な職種が、様々な場所・時間帯で活動する組織です。
だからこそ、せっかく全員参加で再定義したVALUEも、全社のあらゆる所に落とし込めなければ「刷新」というただの “いちイベント” で終わってしまう…
そこで組成したのが「VALUEリーダー」という推進チームです。
職種はエンジニアから看護師、場所は東京から大阪まで、そして勤務時間帯も様々な全部署から「これぞ!」というメンバーが11名選出され、【全社員がVALUEを元に行動し、カルチャーを育む】ことをミッションとして幅広い施策を主導することになったのです。
そしてこの全社イベントはリーダーの最初の仕事として、演出から装飾、メンバーの交流を考え抜いた座席配置まで、全てを企画実行しました。それもたった2週間で!
3/17、カルチャー開始を祝い、交流を喜ぶ日に!
3月17日の12時、都内のオシャレなカフェスペースに集まったのは総勢125名の社員たち。
リーダー達はこの日を「カルチャーデザイン会議」と名付けるとともに、 “約1年半振りに全社が集まる記念すべき日”として捉えました。
1年半前といえば、まだ社員は30名程度。つまり大半の人には「はじめまして」が飛び交う日なのです。そこで、会場も装飾も、交流が活発化するような明るい空気感を重視しました。おかげでメンバーにとっても思い出深いひとときになったのではないかと思います。
実施後の振り返りアンケートから
・会場の場所や雰囲気が素敵で出席するだけでモチベーションがあがりました!
・入社してからSlackでのやり取りのみで直接お会いしたことがない方が多数でしたので、会場でご挨拶もできましたし、対面したことで今後のコミュニケーションがスムーズに運ぶ場面もあると思います。また、これだけの人数(実際にはオンライン参加も含めるともっとでしょうが)が在籍しているんだ、ということを目の当たりにできたことは、モチベーションにもつながりました。
コンテンツ
- レクチャー&発表
・ファストドクターのVALUE&カルチャーについて(カルチャーボード)
・カルチャーを後押しする人事制度(人事部)
・2023年の経営方針(経営陣)
・VALUEリーダーチームの発表 - ランチ&コミュニケーション
- ワークショップ
・VALUEを自分ごと化して理解を深めよう - Share Talk
・コロナ第7〜8波で活躍したメンバーへの称賛スピーチ
レクチャー&発表
新VALUEを背に発表するカルチャーボードメンバー(広報部)
カルチャー醸成を後押しするため、働き方や報奨制度も再設定されました(人事部)
ファストドクターのビジョンについて弁をふるう菊池先生(代表)
「みんなそろそろ疲れてきたんじゃない?」と気遣う水野さん(代表)
VALUEワークショップ
全社イベントのメインコンテンツとして、全員参加のVALUEワークショップを開催しました。
バラバラの部署・キャリアレベルの社員が一つの机を囲み、バリューを今後全社に浸透させるためにはどのような行動をすべきなのか?、どのようなシーンで言葉として使っていくのか?について真剣に向き合ってもらいました。
各テーブルに5つのVALUEを振り分け、3つのworkをお願いしました。
①自分の業務に当てはめて、VALUEを考えよう
②グループでVALUEについて考えよう
③グループでVALUEを「会話」にしてみよう
このワークショップでは たとえその後に時間や場所が離れても、こうしてリアルな体験として向き合ったことは、深く心身に残ると思ったのです。
face to faceでVALUEに向き合う
所感
当記事の筆者は前職がコンサルティング会社に所属していた人間です。コンサルティング業界では「Think straight, talk straight」や「Client First」といったバリューが存在しており、自分自身一人で判断しなければならない時の重要な道標となってくれました。
人の集合によって集まる会社を一つの人格を持った人間として考えた時、購買・支払・決算といった会社が会社として活動するための機能を提供する経営管理部は心臓、物資を現場へと運ぶ物流統括部は血管である、と例えることができます。
しかし、どんなにそれぞれの部位が強かったとしても、仮に異なる意思や価値基準によって動いてしまうのであれば、それは一つの人格を持っている、とは言えなくなってしまうでしょう。ファストドクターという、様々な業界から参画してきた人の集まる多様性に溢れた組織が、一つの方向を向き、進んでいく道標となるバリューの名言化は、今後更なる拡大を目指すファストドクターにとって、画竜点睛となる施策と考えています。
VALUEリーダー:小出