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エウレカスタジオのエンジニアの役割

今回の記事は、エウレカスタジオでエンジニアとして働く、野田が担当します。

カジュアルゲーム開発を手掛けるエンジニアとして、どんなことを意識しながら日々業務に当たっているのか、どんな思考プロセスで判断しているのかについてお伝えします。

カジュアルゲームのエンジニアとは?

エウレカスタジオのエンジニアについて簡単に伝えると、プランナーから要望を受け、実際に手を動かしてゲームアプリを形にしていく役割です。

ギミックを組んでアプリに機能を実装したり、バグの修正やセーブデータの作成みたいなこともやります。ゲーム内の動きを生み出す大切な部分を担当しています。

僕らエンジニアがゲーム開発を進める上で強く意識しているのは以下の2つ。

・開発のスピード感と、とにかく形にしてみること

・ユーザーが求めているかどうか?

この2つについて、詳しくお話しします。

スピードが命!とにかく手を動かして形にする

まずは「開発のスピード感」です。

プランナーから受けた要望を形にして返すことが第一ですが、その上でさらに開発のスピードが鍵になると考えています。

スピードの目安は1週間。企画が決まってから1週間でプロトタイプを完成させて、遊べる状態までもっていくこと。

生鮮食品に鮮度があるように、ゲームにも流行り廃りの鮮度があります。トレンドに乗るようなゲームを開発するためには、1週間で形にできるようにならないと流行りのゲームから取り残されてしまいます。

そのスピード感を実現するために欠かせないのが、考えるよりも議論するよりも前に「とにかく手を動かすこと」です。

▲基本的な制作フロー

モバイル向けのカジュアルゲームよりももっと大規模なプロジェクトであれば、会議を重ねたり、計画を練って紙に書き出したりすることもあります。

ですがカジュアルゲームは、とにかくスピードが命。僕らとしてはまずは手を動かして機能を実装し、作った後でその動きを見て議論をする方が効率的だと考えているのです。

なので、基本的に開発前の相談は最低限に留めて、作った後で疑問点があれば聞きにいくスタイルを取っています。

実際にあったのが、自分で拡張機能をつけた後にアプリの挙動がおかしくなってしまったケース。そこで初めて他のエンジニアに「バグで困っているので見てもらっていいですか?」とか、「もっと良いコードの書き方はないですか?」と聞きに行きます。

「とにかく作る」というと博打のようにも聞こえるかもしれませんが、むしろ型を作りすぎると身動きが取れなくなります。あとから作り込んだり変えていけたりする方がいいですし、それだけ開発力も身につくのです。

さらに、作った後で足りない部分があればフィードバックを受けて新たな知識を得ることもできます。きちんと積み重ねていくと、エンジニアとしてのスキルも上がっていくはずです。

僕らはこのようにして、「スピード」と「開発力」を磨いています。

ユーザーはその機能を求めているか?

もうひとつ大切なことは、「ユーザーはその機能は求めているか?」ということ。

やはり作り手の自己満足で終わるゲームは売れないと思います。外からの目線が絶対に必要なので、「ユーザーが求めているかどうか」の判断を素早く行うことが最重要です。

ゲームを作り始めると「あの機能も欲しい」「これもあったらおもしろそう」と構想がどんどん膨らんでいって収拾がつかなくなることがあります。

たとえば、現在手掛けている猫の脱出ゲームは、猫のイラストが可愛らしいゲームです。なので、プランナーからは「イラストをアルバムにして載せたい」「ステージの進捗に合わせてイラストを解放させたい」などのアイデアが出てきます。

でも、ユーザーが本当に「猫のイラストを欲しているか」はまた別の話。開発者として、何がゲームの肝で、何がユーザーに求められているのかを客観的に判断する必要があります。

▲猫のイラストが特徴的な「猫の脱出ゲーム」

そうは言っても、僕らの目指す開発スピードは1週間。そうすると、いかに「この機能はいらない」「あの効果音もいらない」とアイデアを切っていけるか、素早く決断できるかが鍵になります。

その取捨選択の判断軸こそが「ユーザーが求めているかどうか」なのです。

もちろん、その機能が技術的に実現可能かどうかも大事なポイントではありますが、どんなに自分がいいものだと思っていても、ユーザーがいいなと思わなければ意味がありません。

▲要望の取捨選択をするときのフロー例

プランナーから追加で要望が入った際にも、1番はじめに「ユーザーが求めているかどうか」で判断しています。ユーザーに気づいてもらえない、おもしろいと思ってもらえないのであれば意味がないですから。

とはいえ、判断は非常に難しいものです。自分1人の価値観だけではないですし、意見が偏ってしまっている可能性もあります。

なので、プランナーとディスカッションの上で、それでも意見が異なった場合は、バランスよく両者の意見を取り入れることもあります。

1週間という限られた時間の中でより良いアプリ開発を進めるためにも、周りを頼り尊重し合いながら、ユーザーの求めるゲームを追いかけることが大切だと感じています。

トレンドを超えるほどのスピード感へ

大手企業の3Dゲーム開発なんかだと、ものすごい人数が関わっていて、自分が担当できる部分はキャラの1パーツだけになることも。

その点、モバイルゲームは流行りの波に乗るためにスピードが重視されるので、サイクルが速く、数多くのゲームを開発する経験ができるのです。目まぐるしい毎日ですが、良い訓練になっているなと実感しますね。

モバイルゲームはこれからもどんどん進化し続けるはずです。

僕自身もっと経験を積み、革新的、独創的な視点も持ってゲーム開発ができるエンジニアになっていきたいです。

そして、いずれはゲームエンジンが新しく発表した技術や、まだ誰も価値を見出していないようなギミックを織り交ぜたゲーム開発にも挑戦していきたいと思います。

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