株式会社dscで新規事業開発を担当している島下です。
現在、弊社ではクラブやチームのファンマーケティングを支援するSaaSの開発に取り組もうとしています。
このサービスを通じて解決したいと考えているのは、私自身が現場で痛感した、スポーツ界が抱える構造的な課題です。
【目次】
- クラブでの経験から見えた課題
- dscで気づいた可能性
- 新規事業への想い
- スポーツ×テクノロジーの新しいフィールドを作る
1. クラブでの経験から見えた課題
私のキャリアの中で、今回の新規事業構想に最も影響を与えたのは、Jクラブの広報部門での経験です。当時、私たちには2つの重要なミッションがありました。厳しい成績下でもサポーターに応援し続けてもらうこと、そして新しいファンを増やすことです。
SNS運用やコンテンツ制作、イベント企画など、様々な施策を展開しました。しかし同時に、大きな課題も感じていました。私たちの施策が実際にどれだけの効果を生んでいるのか、データで把握することが困難だったのです。年に1回、大規模なファン調査を行ってはいましたが、ファンの満足度はチームの成績に比例するという結果しか得られず、展開した様々な施策の具体的な改善にはつなげることができませんでした。
2. dscで気づいた可能性
dscに入社し、多くのスポーツクラブのSNSやデジタルコンテンツ制作を支援する中で、ある重要な発見がありました。クライアントから明確な目標設定やペルソナ、SNSマーケティングの位置づけが示されるほど、成果は上がっていくのです。
それは裏を返せば、クライアント側でデータをきちんと取れているからこそ、ターゲットの解像度が高く、どこを狙うべきかが明確になっているということです。
実際に、近年成功しているクラブの特徴を見ると、データに基づいた意思決定の重要性が浮かび上がってきます。例えば、横浜DeNAベイスターズの躍進や、千葉ロッテマリーンズの集客向上、川崎ブレイブサンダースの改革など、データドリブンな運営を行うクラブの成功事例が増えています。
しかし、データ分析やマーケティングの専門知識を持つ人材や、そうした業務に専念できる組織的な余裕を持つクラブは、まだごく一部に限られています。多くのクラブでは、日々の運営に追われ、データ分析や戦略的なマーケティングに時間を割くことができないのが現状です。
Jクラブ所属時のわたしが感じていた課題感はまさにここにあり、dscの業務を通してさまざまなクライアントとやり取りをする中でも、多くのクラブも同様の課題を抱えていることがわかりました。
3. 新規事業への想い
私がdscという場を選んだのは、1つのクラブやチームではなく、スポーツ業界全体に対してアプローチできると考えたからです。そして今、新規事業という形でその思いを形にしようとしています。
開発するサービスは、クラブの規模や人材、組織的な制約に関係なく、誰でも簡単にデータドリブンなファンマーケティングを実現できるものを目指しています。具体的には、来場者アンケートからSNSのデータまで、様々なデータを統合的に分析し、専門知識がなくても日々の業務改善に活かせる示唆を提供します。
重要なのは、このサービスが単なるデータ分析ツールではないということです。例えば、今日の試合で出た課題を、次のホームゲームにはすぐ改善できる、そのくらい短いサイクルで現場が高頻度で活用できる、実務に即したサービスを提供する予定です。また、定量データだけでなく、ファンからの声という定性データも含めた、より包括的な分析を可能にしたいと考えています。
新規事業の詳細に関してはこちらの記事をご覧ください:「データドリブンな意思決定を支援するスポーツテックSaaS事業の立ち上げ」https://www.wantedly.com/companies/daigakusportschannel/post_articles/937027
4. スポーツ×テクノロジーの新しいフィールドを作る
今、スポーツ界では競技面でのデータ分析が当たり前になりつつあります。しかし、ファンマーケティングの領域では、まだまだ可能性が眠っています。この領域で、PdM・エンジニアが活躍できる新しいフィールドを一緒に作っていきませんか。
私が求めているのは、単なる開発者ではありません。新規事業の立ち上げに主体的に関わり、スポーツ界をより良くするビジョンを共有できるパートナーです。0→1のプロダクト開発の経験がある方はもちろん、データドリブンな意思決定に関心がある方、自分の技術で人々の笑顔を生み出したい方、業界の構造的課題にチャレンジしたい方、そんな方々とお会いできることを楽しみにしています。