トップダウンとボトムアップの次に来るチームビルディングとは?
スポーツチームにとってチームビルディングは『最大の課題』とも言われています。
様々な組織への考え方が存在し、スポーツチームでは指導者依存となっているケースも多いと考えられています。
その組織が腐敗しているケースも多くあり、日大アメフト問題や体操協会の問題など様々な問題が浮き彫りになり、その健全化が現スポーツ業界の必須課題と考えられています。
それでは、今後私たちはどんな組織を目指すべきなのでしょうか?
トップダウン、ボトムアップ、サーバントリーダーシップなどなど様々な概念がある中で私が考える組織の理想像を示していければ幸いです。
これからの組織
成果と個性。相対する概念をどう乗り越えていくのか。
その答えは、両軸を凌駕する『個人・組織の進化』が答えになるではないかと考えております。
組織の中心に『進化』を置くことにより、組織と共に個人が変わり続けることが理想像になる。
ではなぜ、進化に置くとこの両軸を達成できるのか。
その答えは『パラダイムの脱却』にあると考えます。
一、成果もしくは個性だけでは強くなれない
トップダウンの図式では、組織が一ベクトルへと邁進していれば成果は出やすい。一方そのベクトルに合わない、つまり、トップの判断に合わない人が左遷され、人間関係の劣悪化につながる可能性が高い。
一方で、ボトムアップ形式の組織図では個性の尊重が謳われる。ベクトルが多様化する現代社会において、その個人が向けたいベクトルを尊重し、最大化していくという考え方であり、人間関係の良好につながりやすいが、ベクトルの統一を図ることが難しく、成果にコミットしにくい。
そこで、個性を尊重し、成果を求め続けるためにも焦点を『進化』に合わせるとどんな変化が生まれるのか。
一、個人の進化の重要性
まずそもそも、なぜ個人の尊重が始まったのか。その理由は単純で個人の主体性を生むことにより、成果をより出せるようにすることである。しかし、うまくいかない理由は自己のエゴが働くことがあげられます。
自分にとって心地の良い環境、自分がもっと認められる環境、自分にとって楽な環境などなど。
そうなってしまってはその個人が有するベクトルは最大化されたとしても成果というベクトルよりも自分に向いてしまい、方向性が大きくずれてしまっているので、成果にはつながりません。
その個人の尊重のベクトルを『進化』に合わせるのです。
・自分は仕事(スポーツ)を通じてどうなりたいのだろうか?
・自分はこの組織の未来において、どんな貢献をもたらすことができるのだろうか?
一自己として、一組織として『進化』(=成長)を生める行動ができているだろうか。
各個人がエゴから解放され、進化に向けたベクトルが生まれ、個人の進化すると同時に成果をより達成できるようになる。つまりは、成果というものはどの程度進化したか図る定量的概念にしか過ぎません。
一、組織としての進化
個人の中で進化というベクトルが生まれだすと、次は組織としての進化が重要視されていきます。進化の定義が個人と組織でぶれてしまうと個々のベクトルが生かしきれません。ベクトルの到達地点(ビジョン)とベクトルの方向性(戦略)をしっかりとボトムアップ形式により言語化しなければなりません。
しかし、この地点と方向性は可変であっていいというものがこの新たな組織の特徴でもあります。
なぜなら、組織自体も進化し、変わり続けるのです。
一、集合知とパラダイム
7つの習慣でもあるように私たちはそれぞれパラダイムの中でいきています。
NARUTOでは、サスケのお兄さんが
『人は思い込みの中で生きている』
という言葉を話してたのは印象的で、私たちも同じです。
各々違う人生経験を積み、全く異なった価値観や知識、スキルを身につけ日々の意思決定を行っている。それぞれお互いに同じ世界を見ているようでお互いに違う世界を生きているような状態である。
だからこそ、最大限思い込みをなくすために。より物事を俯瞰した立ち位置で見ることにより、最適な判断を下せるようになるためには『集合知』が大きく貢献してくれる。
集合知とはお互いの情報の非対称性を解決し、思考の偏りを軽減してくれる。今回の組織の話では、各個人が進化に向けたパラダイムを含んだ意見を発することにより、集合知としてその問題に対する全体像を見渡せるようになり、個人個人が現在あるパラダイムを脱却し、新たなパラダイムを形成していく。
個人のパラダイムの進化が組織のパラダイムすらも進化させていくことにつながるのです。
まとめ
トップダウン、ボトムアップなど現在の組織とは違った新たな組織が今生まれようとしています。
人が変わること、組織が変わることには大きなエネルギーを要する。人間恒常的なものを好むという遺伝子レベルで設計されたものがあるくらい、変化には弱い生き物です。
ですが、現状維持に未来はない。これから向こう100年の未来は1900年代よりもより多くの進化が生まれる社会であることは間違いないのです。
変化を歓迎し、進化を生み出せる個人と組織こそ、これからの未来社会に必要なのではないでしょうか?