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kintoneのカスタマーサクセスチームが目指す「顧客の成功が自社の成功につながる」働き方とは?

2020年1月にサイボウズのカスタマーサクセス部が発足して3年。チームは「kintone」「サイボウズ Office」「Garoon」「メールワイズ」に増え、中でも kintone CSチームは約20人という大所帯となりつつあります。

そんな kintone の CSチームですが、実は2023年1月にチームリーダーが交代したばかり。チームとして大きな転換期を迎える中で、チームのこれまでとこれからについて、新旧リーダーのお二人に赤裸々に語っていただきました。

【話を聞いた人】

大脇 一起(おおわき・いっき)さん

2014年に新卒で電力会社に入社し、担当業務の傍ら現場の業務改善に携わる。2018年5月にサイボウズへ転職し、ダイレクトマーケティング部に配属。2020年1月からは新設されたカスタマーサクセス部の立ち上げメンバーとなり、「kintone」「Garoon」のカスタマーサクセスチームでリーダーを経た後、現在はカスタマーサクセス部の副部長を担当。海外拠点のCSチームへ後方支援も行っている。

日暮 広太 (ひぐらし・こうた)さん

2014年に新卒でサイボウズ株式会社に入社し、パートナー営業部で9年間大手販売代理店の渉外担当として活動する傍ら、部署横断PJやカスタマーサクセスチームに兼務で参加。カスタマーサクセスチームではデータ活用を担うサブチームの立ち上げを経て営業から完全移籍し、2代目のチームリーダーに就任。

【カスタマーサクセス部紹介】

2020年1月、既存のお客様への貢献に特化したチームとして発足。「お客様が製品を使いこなすことで成果を出し、愛着を持ってもらうこと」を目標に活動中。
主な仕事は製品の使い方に関するコンサルティングやトレーニングの実施など。

3年で成果を出す。そのための「成果が見える」評価指標

ーカスタマーサクセス部が発足して3年が経ちます。立ち上げ当初、こんなチームにしたいという目標はありましたか?

大脇:「カスタマーサクセスって何?」みたいなところからのスタートでしたが、立ち上げから3年で成功させようと決めていました。社内外で評価されて、メンバーが活き活きと働けているチームを3年でつくる。そのために、成果を出して認められることにはとにかくこだわってきました。



日暮:私はもともと営業部にいたのですが、成果が見えるようにする努力は全部署の中で一番強いと感じました。成果というと数字にこだわるイメージがあると思いますが、それをハートフルさと両立している状態に衝撃を受けました。

ー「成果を見えるようにする」とは、具体的にどういった取り組みでしょうか。

日暮:解約率とは別に、「お客様がどれだけ kintone を上手く使えているか」を数値化したヘルススコアを用意して、メンバーのKPIに設定しています。解約率や商品の売上数をKPIに設定する会社もありますが、そうなると目標に追われてお客様が必要としない商品や望まない提案までする、という本質との矛盾も発生してしまいます。

大脇:この話は、「顧客の成功が自社の成功になる」というカスタマーサクセスの本質にもつながります。 kintone をはじめとするサブスクリプションは、気軽に契約や解約ができます。なのでいかにお客様が製品を使いこなして成功できるかが、契約を続けてもらう上で重要になってくるんです。

ーカスタマーサクセスでは「お客様の本質的な成功」が重要なんですね。

大脇:まさにそうです。ただ、目の前のお客様に喜んでもらうだけでもいけない。お客様の成功が自社の成功につながっているのを、数字含め定量・定性で証明することが大切なんです。そのための1つの武器がヘルススコアというわけです。

日暮:「顧客の成功」を考えつつ数字を出すことは、おもしろくもあり難しさも感じますね。カスタマーサクセス部が成果を出すうえで一番力を入れているところかもしれません。

高いコミュニケーション力が身につく独自の研修制度

ーお二人が感じる kintone のカスタマーサクセスの難しさとは?

大脇: kintone はお客様の業務特性や課題に合わせて、あらゆるアプリをカスタマイズできるシステムです。なのでお客様の業務を十分に理解しないと、適切なアドバイスはできません。ある種、業務改善コンサルティングのようなスキルが必要になります。

日暮:昨日は学校法人について話をしていたけど、今日は水産加工場について話して、ということもあります。 kintone をよりよく使ってもらえるように、様々な業界や職種の人の背中を押していかないといけない。幅広い知識と対応力が求められるところに、大変さとやりがいを感じます。



ー高度なスキルが求められるというお話が出ましたが、チームとしてスキルを定着させるための取り組みはありますか?

大脇:新卒・キャリア採用関係なく、約8か月間の研修制度を設けています。最近、研修制度に関する記事も公開されて、社外の人にも注目されつつありますね。

日暮:私たちの主な業務はお客様対応なので、コミュニケーション力を追及していく文化もあります。メンバーの評価シートには雑談力という項目が入っているんです。「はい、いいえ」で完結しない話の振り方や、共感の言葉を返しながら話を広げていく練習など、雑談力を鍛えるためのロールプレイも行っています。

ー業務として大変さはありつつ、スキルを伸ばしたりチャレンジしやすい環境ということですね。

大脇:そうですね。社歴や年齢で仕事の幅が決まるようなことはありません。本人のスキルや自立などが伴って、周りの心を動かすことができれば、早いタイミングで大きな仕事に挑戦できると思います。実際に、新卒2〜3年目からサブチームのリーダーを任されているメンバーもいます。

ー具体的にどんな人が kintone CSチームにフィットしそうですか?

大脇:「ミクロとマクロの往復ができる人」ですね。顧客対応を丁寧にやるだけでは、カスタマーサクセスとは呼べません。ミクロの視点から集めたお客様の細かい情報を抽象化して、全体の顧客体験設計、各施策やコンテンツ、お客様へのアプローチにつなげることが必要です。お客様対応も好きだけど、戦略や企画立案にもやりがいを感じる、という人はとても向いていると思います。

あとは、 kintone に対する製品愛がある人。レストランで例えると、カスタマーサクセスはホールの役割だと思っています。自分が好きな料理だからその美味しさをお客様に届けられるように、「 kintone のカスタマーサクセスだからこそやりたい」という人に来てほしいです。

日暮:表現が難しいですが、「キャリアアップを目指す人」にも向いていると言えます。今の日本市場には、 kintone の競合サービスがまだ少ない印象です。海外に目を向けると強力な競合もいる中で、世界展開に向けてギアをあげている弊社の状況に、わくわくできる方にとっては最高の環境だと思います。加えて、本当に様々な業種のお客様の業務コンサルを経験するので、カスタマーサクセスとしてのスキルアップを目指す方にもフィットすると思います。

合言葉は「1周目の定着」。共通言語でカルチャーを作る

ー立ち上げから3年で20人にまで拡大した kintone CS チーム。チームをまとめるために大切にしてきた価値観はありますか?

大脇: kintone チームのメインミッションとして、「1周目の定着」という言葉を定義しました。 kintone の理想は、1つ使い方をマスターしたら、どんどんできることを増やして、お客様自身で業務改善を進めていけることです。そのためにはまず、1度目の成功をしてもらわないといけない。メンバーからも「僕らは1周目の定着だよね」という言葉がよく出てきます。そういった共通言語を1つずつ作っていくことを心がけていて、それが部のカルチャーを作ってきていると感じます。

kintone カスタマーサクセスチームは、現在8個のサブチームに分かれていて、その小さなチームでも自分たちで考えたミッションを設定しています。チーム全体視点とサブチーム視点、2つのミッションを照らし合わせながら、自分たちで考えて動ける下地はできていると感じます。

ただ、立ち上げ期は私とメンバーでの1対Nのコミュニケーションに偏りがちだったので、次のフェーズではそれをN対Nの組織にしていきたいと思っています。チーム一人ひとりがプロとして活躍できる”「サッカー型チーム」にしていこう”というスローガンを掲げながら、ランダムに4人1組を作って週に3回15分の雑談タイムを取り入れたり、リモートでもメンバー間の関係性を構築しやすい仕組みづくりにチャレンジしています。

ーリーダー交代の節目の年、リーダーの役割やチーム自体も大きな転換期を迎えているのですね。

大脇:チームも4年目を迎えて、社歴や経験を重ねたメンバーも多くなってきました。今まではチーム立ち上げを成功させるために、とにかく最速で成果を出すというフェーズでした。僕自身もリーダーとして、メンバーに方針を明確に示して、チームを引っ張っていくことを意識していました。しかし組織としてワンランク上のレベルが求められるようになってきた。全体としてレベルアップするために、リーダーの関わり方も変えていくべき、というのは日暮とよく話しています。

日暮:チームのレベルアップに欠かせないのが次世代のリーダー候補を増やすことです。もっと自立したメンバーが出てきて、各々がチームを作り活動できるようになってほしい。そのために、これからはメンバーが自己決定する機会を増やそうと思っています。リーダーが自ら先頭に立って道を切り開くスタイルから、メンバーが自立できるように後ろから背中を押すスタイルにシフトチェンジするイメージですね。



ー最後に、今後の kintone チームの目標を教えてください。

日暮:カスタマーサクセスはお客様と接する時間が長い分、一番お客様に詳しいチームだと思います。でも集めた情報はまだチームや個人の脳内に蓄積している状態なので、今後はもっと幅広いお客様の情報を集めて、アウトプットを増やしていきたいです。他部署との連携はもちろん、自分たちでもスピード感をもって「お客様が喜ぶコンテンツづくり」に取り組み、より多くのお客様に影響を与えられるチームになれたらと思っています。

大脇:サイボウズ自体が世界一を目指している会社なので、カスタマーサクセスもまずは日本国内最高峰のカスタマーサクセスチームを目指していきたいです。 kintone のカスタマーサクセスは、製品の便利さや難しさゆえに高いスキルが求められます。これからは、より多様な個性とチームワークのバランスを意識して、「成果」と「やりがい」を両立できるチームを作っていきたいです。

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