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毎日寄り添うことができる、優しい治療アプリを目指して。UIデザイナーとして挑むゼロからの開発

がん患者さんを支援する「治療アプリ」のUIデザイナーとして開発に取り組んでいる高橋。

いつかアプリが、自分や身近な人の役に立つかもしれない……、そんな想いがやりがいにつながっているといいます。目指すのは、疾患を抱える方に優しく寄り添うことのできるアプリ。

医療という一見難しそうな分野だからこそ、デザインの果たす役割は大きいと実感しています。そんな高橋に、仕事に対するこだわりや、やりがいの源泉について聞いてみました。

高橋奈々(たかはしなな)/治療アプリのUI/UXデザイナー

美術大学卒業後、新卒で家電メーカーに入社しUIデザインを担当。その後、フィンテック企業で資産運用のサービスのプロダクトデザインを経験し、2020年にCureAppに入社。現在は製品開発本部 デザイン部に所属し、治療アプリのUI/UXデザイナーとして活躍中。

生きていく上で欠かせないサービスに関わりたい

――CureAppに入社するまでの経歴について教えてください。

子どもの頃から、絵を描いたり何かを製作するのが好きで、漠然とデザインの仕事ができたらいいなと思っていました。

高校生になり、いざ進路を決める時にやはりデザイン方面に進みたいと考え、美大への進学を決意しました。大学ではデザイン情報学科でマーケティングのためのデザインを専攻し、企業のかたと一緒に商品企画を経験するなど、社会に直結したリアリティのある学びに夢中になりました。

卒業後は学生時代にインターンを経験したCASIOに入社し、関数電卓のUIやG-SHOCKと連携するスマホアプリのデザインを担当しました。

その後、ユーザーや経営陣と距離が近い環境で仕事をしてみたいという気持ちが強くなり、思い切ってフィンテックのスタートアップ企業に転職しました。金融業界の知識を理解するのは難しく日々勉強しながらでしたが、濃く充実した時間を過ごすことができたと思います。

――CureAppに入社したきっかけについて教えてください。

前職で働く中で、金融や医療など生きていく上で欠かせないサービスに興味がある事に気がついたんです。

自分の家族や友達も使う可能性があるサービスだと思うと、自然に気持ちが入るんですよね。

「このサービスはユーザーのためになってるだろうか?」「これは本当に使いやすいものなのか?」など、もし友達が使ったらどう思うかな?とユーザー視点がもちやすく、自分目線でも考えやすいからかなと思います。

そういう意味でCureAppは、まさに医療分野。将来、自分が病気になり、開発した治療アプリを使う日がくるかもしれませんし、そうでなくても、家族や友達が使うことになるかもしれません。そういう治療アプリにデザイナーとして関わることができたら、とてもやりがいのある仕事だろうなと感じました。

入社前の面談でも、「治療アプリは薬事承認を取得するための治験や厳しい審査があり、まさに薬を作るデザイナーです」と話してもらったのが、とても印象的でした。

患者さんにとって優しく、心に寄り添うことができるアプリを目指して

――現在のお仕事について教えていただけますか。

第一三共株式会社と共同で開発を進めるがん患者さんを支援する「治療アプリ」のUIデザインを担当しています。病院外でも患者さんが手元にあるアプリで、医学的な支援を受けられる「治療アプリ」。そして病院で医療従事者が使用する医師向けアプリの両方のデザインを担当しています。

事業責任者やプロダクトマネージャーをはじめ、医師、臨床開発、エンジニアなどでチームを結成し、さまざまな分野、バックグラウンドを持ったメンバーが意見を出し合いながら開発を進めています。

開発を進める上で、疾患や薬剤に関する知識も必要ですし、患者さんへの理解も欠かせない仕事なので、日々知識のインプットが重要になってきます。新しい事、特に専門的なことを学ぶのは大変ですが、医師や薬剤の専門家が中心となった勉強会が開かれ、知識をアップデートする機会が多くあります。わからないことがあればすぐに教えてもらえる環境があるので、不安なく仕事ができているのはありがたいですね。

――デザインをする中で心がけていることはありますか?

患者さんは病気や治療に向き合う時間の中で、不安になったり後ろ向きな気持ちになることもあるかもしれません。そんなときに、デザインの力で少しでも心の緊張を緩めることができればと考えています。

まずは使いやすさにこだわり、アプリに向き合う際の負担を減らすこと。また、患者さんが実際に触れる文章や文字は柔らかさを出して、コミュニケーションも少しくだけた優しいものにしたいなと考えています。

例えば「今日の調子はいかがですか?」と聞くキャラクターは色味や形などからも親近感や愛着が湧くようなデザインを検討中です。アプリとして、ずっと患者さんのそばで寄り添えるようにするには、どういうキャラクタ-デザインがよいか、色味や文字などの印象や雰囲気も含めてこだわりたいと思います。

お付き合いの長いアプリになるので、毎日負担なくアプリを開くことで安心できるような、優しさも感じ取れるようなUIを目指して工夫を重ねています。


デザインの力で、チームが一丸に

――お仕事の中で、やりがいを感じるのはどんなときですか?

現在は、がんの中でも特に乳がんを対象とした治療アプリを開発中です。そのためユーザーは30代~60代くらいの女性の患者さんを想定しています。自分自身もその年代に当てはまるので、「毎日負担なく使い続けられるデザインってどんなだろう?」と自分ごととして考えられるのは、やりがいを感じるポイントですね。

また、これまではチームのメンバーと主に言葉を通して企画を立ててきたのですが、先日、初めてデザインとして形にしたものを見せる機会がありました。そのとき、共同開発している第一三共株式会社のみなさんも含めたプロジェクトのメンバーが、私の作ったデザイン案を見て、すごく喜んでくれたんです。

もちろん今後、患者さんにアプリを届けることで喜んでもらうことが一番なのですが、デザインの力でチームの士気を高められた気がして嬉しかったですね。内容をブラッシュアップしていけば、さらに良いものになるはずだ!という気持ちにチーム一丸としてなれたことにやりがいを感じた瞬間でした。

――CureAppに入社してみて、驚いたことはありますか?

入社してみて一番驚いたのは、医師や看護師、元製薬会社勤務など、医療分野をバックグランドに持つメンバーが多くいることです。

医療現場のように患者さんのことを第一に考えるのは当たり前の雰囲気です。それ以外にも、アプリの専門家やあらゆる分野において詳しい方がいるので、とりあえずこの方に聞けば大丈夫と思える方が多くいる環境なのがおもしろいですね。

私自身、アプリをゼロから立ち上げるのは初めての経験で不安もありました。でもチームで決めたグラウンドルールに「知らないことがあることを当たり前だと思う」「わからないことがあったら臆せずに質問する」などの項目があり、気持ちが楽になりました。

それぞれが専門家という意識を持っていて、積極的に知識を共有しあうコミュニケーションがとれるので居心地がいいんです。日々わからないことがたくさんある中で、臆せず質問できる環境なのはありがたいですね。これは、私が所属しているプロジェクトに限らず会社全体でこの雰囲気、環境がありますね。


深く想像力を働かせることのできるデザイナーでありたい

――今後の目標について教えてください。

アプリ開発を企画から一通り経験して作りきるという貴重な経験を積ませてもらっているので、その経験をしっかりと自分のものにしていきたいです。

今後、アプリを実装して治験を実施したりと、数年かかるプロジェクトになると思いますが、その中で成長していけたらと思います。

たとえ自分が、その疾患の患者さんではなかったとしても、医師や疾患に詳しいメンバーや患者さんの話を実際に聞くことで、深く想像力を働かせることができるデザイナーでありたいですね。

――現在、デザイン部では一緒に働く仲間を募集中だと聞きました。どのようなかたと一緒に働きたいですか。

医療分野というのは、働いたことがない方には難しそうな印象を持たれがちだと思います。でも、そんな分野だからこそ、デザインの役割は大きいと感じています。

もし自信がない分野だとしても、CureAppなら私のように教えてもらったり学んだりすることもできる環境です。もし気になっている方がいたら、ぜひチャレンジしてみてほしいですね。

今後、病気になった際にアプリで治療することが当たり前の選択肢となる世界になるかもしれません。その始まりの黎明期にデザイナーとして関わったキャリアは、きっと大きな価値にもなるはずです。ぜひ、ご応募お待ちしています。

(取材ライティング/柳澤聖子)

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