外資系製薬会社で医薬品のMRからスタートし、マーケティング事業やメディカル部門の立ち上げメンバーとして活躍してきた井上。
医師や患者さん、時には政府を相手に新薬に関する上申や啓発に尽力してきたものの、常に「日本の患者さんのための医療」とのギャップを感じていました。
そんな時、治療用アプリの開発を進めるCureAppを知り「これだ!」と感じたといいます。
現在は、高血圧領域事業責任者として活躍中。営業部門や事業開発部門、薬事部門の3グループを統括するのは簡単ではありませんが、メンバーそれぞれが持つ熱い気持ちを何より大切にしたいという思いでサポートしています。
そんな井上に、CureAppにおける仕事や今後の目標などについて聞きました。
井上和也(いのうえ かずや)/高血圧症治療用アプリ 高血圧領域事業責任者
ファイザー製薬のMRとして入社、その後、マーケティング部門での新薬の立ち上げに携わった後、ヤンセンファーマに転職。マーケティング部門プロダクトマネージャーとして、医療用麻薬の新たな適応症について啓発活動に尽力した。その後、ノバルティスファーマに転職。立ち上げ間もないメディカル部門のマネージャー、営業マネージャーとして新薬の上流から下流に携わった後、2021年9月CureAppに入社。家族で旅行に行ったり子供と遊んだり、ラーメンを食べ歩いたり。麻雀やゴルフに加えて、料理を作るのが好きという意外な側面もある。
日本の医療に向き合う未来を
――これまでのご経歴とCureAppとの出会い、入社のきっかけについて教えてください。
大学を卒業後、ファイザー製薬に就職しました。新薬や既存の医薬品などに関する営業をはじめ、売上シミュレーション、それを達成するためのアクションプランの策定などを行い、マーケティング部門で新薬の立ち上げに携わったのち新薬の上申準備を担当しました。
その後はヤンセンファーマに転職、特に今までにない薬の適応症の啓発を第一としてきました。
医療用麻薬は従来ならがん性疼痛、いわゆる末期がんの緩和医療に使われていましたが、そもそも世間一般では「医療用麻薬=麻薬」つまり「麻薬だから悪」というイメージが定着しています。しかし、適正に使うことで、例えば腰痛や膝の痛みなどのより身近な疼痛にも効果が大きいのです。医療用麻薬を適切に使用すれば医療的なメリットは大きいことを広めたい、どうにか患者さんのために使っていただきたい、という気持ちで啓発に励んでいました。
そこからノバルティスファーマに転職、新薬の価値を最大化するというミッションのもと立ち上げ間もないメディカル部門で仕事をしました。医師を訪問し、現状の医療への不満・課題などを抽出しながら新薬について模索、ここでも新薬の価値啓発に力を入れていました。
しかしそんな中、常にどこか釈然としない思いがありました。
外資系企業では珍しくありませんが、営業にしてもマーケティングにしても、基本的には現地のスタイルよりも、グローバル本体から来る指示が優先されます。いくら新しい部門を立ち上げたからといって、結果的にそれは自分たちでゼロから始めた活動ではないのです。
本当にそれら全てが正しくて、日本の患者さんに当てはまるのか、という点にも疑問が湧きました。
そんな中、エージェントからの紹介でCureAppを知りました。
調べてみると、日本初の試みで日本の文化に根付き、かつ患者さんにも貢献できるという内容。会社のミッションには「ソフトウェアで治療を再創造する」とあり、まさに「これだ!」と思いました。
――入社後はどのような業務を担当されているのですか。
高血圧領域の事業責任者として営業部門、事業開発部門、薬事部門の統括をしています。いかに早く患者さんに貢献できるか、医療を変えていけるか、といったことを考えると同時に、会社のミッションでもある「ソフトウェアで治療を再創造する」という部分に到達することを念頭に置き、各部門のサポートにあたっています。
責任者として、もちろん先に立って引っ張っていくことは大切です。しかし、せっかく「治療を再創造したい」という強い気持ちを持ったメンバーが集まってくれているので、メンバーがそれぞれ自走できるように、伴走者のような気持ちでサポートしていきたいと思っています。
「勝手に決まった」ではない、「自分たちで決めた」
――異なる部門をまとめるとなると、苦労されることも多いのでは?
部門だけでなく、一人ひとりメンバーのバックグラウンドはさまざまです。製薬企業、コンサルティング会社、ソフトウェア会社の営業・技術職、薬事部門に従事していた方など本当に多様な職種が集まっていますから。その中で意見がぶつかることは多々ありますが、それはそれでいいと思っています。むしろその方が組織が成長できますし、その成長が社会還元できると確信しております。
確かに複数のグループを取りまとめるのは簡単なことではありません。でも、同時にそこが仕事のやりがいでもあるのです。
みんなそれぞれの思いを持って仕事をしている中で、最終的にはその中から一つの結果を出さなければならない。「どっちにしようか」「こっちの意見も分かる」と悩むこともしょっちゅうです。
でも、その過程があってこそ、どういう形であれ最終的に出した結果は「自分たちで決めたもの」になります。本来指示の下に働くべき「会社」という場所で、そういった気持ちで仕事ができるのは非常に大きいです。
――「医療の未来を大きく変えていける」と感じて入社されたとのことですが、実際に働いてみて日々どのようなことを感じていらっしゃいますか。
明確なビジネスモデルがあるスタートアップ企業で、ビジョンやミッションもしっかりしている。行動指針に関してもすごくいい内容だと思うし、実際その観点に沿ってみんなが高い意識を持ちながら行動しています。
意見の食い違いがあったとしても、その中で時間をかけながら会社の方向性、ベクトルが一致していくのは非常にいいことだと思っています。
今こそ治療のシフトチェンジを図る時
――常に高い意識を持ってお仕事されていることが、強く伝わってきます。やはり今後についても明確な目標をお持ちなのでしょうか。
大きな括りで言えば、やはりCureAppがデジタル療法の先駆者として成功することです。
今自身が携わっている高血圧の事業が、日本だけでなく世界においても治療用アプリのキーポイントだと考えており、従来の治療に対する概念を変えることで治療用アプリによる治療の成功、さらには医療の未来を変えていけるのでは、と思っています。
これまでの高血圧の治療といえば、受診して薬をもらい、1~2か月様子を見て再度薬をもらうために受診する、という流れが出来上がっています。もちろん薬に頼るのは悪いことではありませんが、そもそも高血圧は生活習慣病の一つ。生活習慣病であるなら、生活習慣を見直すことで症状も改善されるということを患者さんに気付いていただきたいです。それが治療の第一歩だということを、もっと多くの人に知ってほしいですね。
これまでの「病気には薬」という流れから、まずは「病気になったら生活習慣の修正」という流れに、治療のシフトチェンジを図りたいというのが今考えている最初のポイントです。
そこからビジネスとしても成功して、後世になって「あの治療用アプリが高血圧治療のゲームチェンジャーだったな」なんて言われたら面白いです。
――現在、CureApp高血圧領域事業部門では、一緒に開発に携わっていけるメンバーを募集中だとお伺いしました。どのような方と働きたいですか。
まず何よりCureAppの掲げるミッション・ビジョンに同意、共感を覚えていただくことが大切です。
今の保険制度では、医師が診察をして初めて保険診療が成立する仕組みなので、今まさに症状がある人、つまり急性期の病気やケガにばかり重きが置かれています。
一方、分かりやすく言えば、CureAppのアプリは点と点を線で埋めていくようなもの。点が医師だとして、その間の線をアプリで繋ぐ。従来の薬剤や手術中心の医療からさらに進化した医療体制の構築を目指しています。
そういったテクノロジーの力で治療を進化させ、さらには医療を取り巻く社会的課題を解決し、理想の医療を実現していきたい、チャレンジしたい、と考えている人を求めています。
また、自身の経験に何らかの強みがある人もいいですね。まだまだ新しい事業なので、きっとどこかでその強みが活かせるはずですし、その強みを活かして、何か自分のやりたいことを作っていってくれたらいいと思います。
この2つを強く、情熱をもって語れる人を募集しています。
――お話を伺っていると、非常にフレキシブルな理念を持つ会社であるという印象を受けました。最後にCureAppでの働き方についても聞かせてください。
私自身、CureAppに入社して非常に働きやすい環境だと感じています。何より「どこで働いてもいい」という考えが初めから根付いているのは大きいです。もちろん同時に、しっかりと成果を出すという責任感を持つ必要はありますが、それはCureAppに限ったことではありません。
ちなみに、CureAppはミッション・ビジョンに込められた企業理念はもちろんですが、さらにCureAppのメンバーが共有すべきVALUEをとても大切にしています。VALUEは、社名と同じく従業員が持つべき4つの価値観 Way「CURE」と社外に向けてコミュニケーションをとる際の行動指針である3つのPromise「APP」から成り立ち、日々社員はこのVALUEを体現しながら業務に取り組んでいます。
その中の「E」の部分は「Enrich your loved ones」、つまり自分自身だけでなく、周りの人たちをも幸せにしよう、という意味合いです。子どもやパートナーがいたり、誰かの介護をしていたり、みんなそれぞれ大切な人のことを第一に考えながら働いています。
CureAppのMission・Vision・Valueについてはこちらをご覧ください
https://cureapp.co.jp/company.html
一般の会社のように定時がないのも特徴です。基本的に朝5時から夜10時までの間で、個々の成果を出すことができれば問題ありません(コアタイムはあり)。本社出勤が必要になった際も、交通費もきちんと支給されるので、こういったサポート面でも充実しているのが魅力です。
是非熱い思いを持った方、一緒にプロダクトを世の中に広めていきましょう!お待ちしております。