サン・ペドロ・スーラ出張ブログ
San Pedro Sula
前書きに代えて
『筆者さん、そのファッションはちょっと、ヤバくないですか?』
全く共感できないのだが、この筆者かなりファッションがヤバいらしい。
世間で昨年はバブリーダンスが、今年はダパンプのU.S.A.が流行っているように、ダサかっこいいのが、今のファッションの最先端と知ってからは(知る以前からも)、いつ買ったか思い出せない赤地のネルシャツを愛用しているのだが、どうも時代の最先端の半歩先を行っていたようだ。
そこで、私の服装を見かねた社内有志が、この秋、勝手に自主的に筆者のファッション改善プランを立て、いい年した大人たちが何日かかけて業務後に連れだってお買い物に行くという、大変おせっかいな仲間冥利に尽きるプロジェクトを実行してくれた。
わたしは幸せ者である。
今までのところ、パンツ、眼鏡、シャツ、靴を購入し、社内での評判も上々。
とくに紺のジャケットと、裾を折り曲げて履くグレーのパンツの組み合わせについては、『筆者さん変わりましたね!』と何人もの同僚からお褒めの言葉をいただいている、センス抜群の組み合わせだ。
もちろん自分でも気に入っている。
などと、嬉しさのあまり長くなったが、今回の出張先はホンジュラスのサン・ペドロ・スーラ市。目的は当社ファンドの融資候補先である金融機関の現地実態調査である。
それではどうぞ。
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今度こそはだめかもしれない、そう観念した。
私たちクラウドクレジットでは、取引候補を選ぶ過程でかならず社員が現地を訪問し、関係者へのインタビューを通して、金融機関としての運営体制と営業行為が存在することを確認している。
筆者も入社以来、エチオピア・アディスアベバ市でライフルを持った警官に追いかけられ、戒厳令下のフィリピン・ダバオ市では感電、ナイジェリア・アブジャ市では中指立てられたり、怒鳴りつけられたりと、ややハードな海外出張の経験は積んだつもりだが、今度はやばい。
今回の訪問先は、ホンジュラスのサン・ペドロ・スーラ市、ネット上の評判は『リアル北斗の拳の世界』。
検索結果からして、ボンネットの上でヒャッハーしている画像が最上部に表示されているではないか。
『すごいところらしいですね、気をつけてくださいね(ニヤリ)』と同僚も煽ってくる。
訪問先の金融機関に『御社のスタッフが窃盗被害に合ってないか』など、かなり不躾な質問して、被害がないと確認のうえ出張が確定。
そして、ペルー出張15回経験している代表の杉山、南米育ちの事実上のペルー人並木と打ち合わせした結果、窃盗に備えてダミーの財布とダミースマホを用意して今回出張に臨んだ。
10月23日
出発日。小雨の中、成田空港に向かう。
日本最期の昼食を空港でチェーン店のラーメンで締め、時間に余裕を持ち搭乗、悠々と座席に向かう。
と見慣れた赤いネルシャツとデニムを着た中年男性がすでに自分の隣の席に座っている。
なんと彼の背格好から上下のコーディネートが本日の自分と全く同じ。
(´ε`;)ウーン…
そういえば中高生女子の間では仲の良い友達でコーディネートを揃える双子コーデなるものが流行っていると聞いたことがある。
つまり、ここはひとつ、我らはその中年男性版として、可愛く見てはもらえまいか。
いや無理か、など自問自答しつつ、アエロメヒコのフライトは第一の中継地メキシコを目指す。
まったく可愛くない双子コーデ
10月23日
夜分にメキシコ経由でパナマに到着。本日はここで一泊。到着までに中継地で宿泊する出張はこれが初めて。
10月24日
朝、いよいよ決戦の地サン・ペドロ・スーラにむけて出発
そこは実写版北斗の拳、つまり世紀末覇者の世界。
角が生えたヘルメットをかぶった屈強な男たちが闊歩する力こそが正義の世界、
がそこにあるかどうかは知らない。
そしていよいよフライトに搭乗。
機内の乗客はリラックスしていて、とても世紀末覇者の街に向かうようには見えない。
座席が隣になった老婦人。中央銀行に勤めていたそうだ。親切に入国書類の書き方を教えてくれた。いい人だ。
こちらも気が楽になりサン・ペドロ・スーラ実態を知るべく、同地の治安に不安があることを冗談交じりに話して、反応をみる。。。
『ネットで見たら、怖い情報ばかりで、かなりビビッていたんだぁ・・・』
筆者:チラッ(; ・`д・´)
老婦人が笑顔で答える。
老婦人:J( 'ー`)し『デペンデ(時と場合による)』
筆者:Σ(゚Д゚)どういう時と場合に気をつければいいんだよ)!!!
こういう質問に対して、そこは『もちろん大丈夫、心配しすぎよ』じゃないか!?
こうなると、一見温厚そうな乗客たちも、隣の優しい老婦人も、飛行機から降りるときには、角の生えたヘルメットをかぶり、アメフトのプロテクターのような装具を身に着けているとしか思えない。
ガクブル((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
ホンジュラスってどんな国?
国旗
人口 911万人(2016年:世銀)
首都テグシガルパ 85万人
サン・ペドロ・スーラ 48万人(今回訪問)
面積 112,490平方キロメートル(日本の約3分の1弱)(2017年:世銀)
GDP 215億ドル(2016年:世銀)
場所はココ
今回の出張していたころは、ホンジュラスを出発した数千人規模の米国への移民希望者、通称『キャラバン』がメキシコに到着したなど、決して平和とは言えないニュースが話題となっており、筆者の出張を聞いた人たちは心配していた次第。
ついに到着。空港建物内は平和。
ホテルの空港ピックアップを手配し忘れて、途方に暮れていたら、予約したホテルの紙持ったおじさん発見。
ほかの乗客の出迎えだったが、それはそれ。
σ(゚∀゚ )オレも乗せて とネゴってもう一台車を出してもらった。
空港から市街地へ向かう景色をぼんやり見ていると、馬が荷車を引いて歩いている。
ごみを運んだりするらしい。
もちろん角の生えたヘルメットはかぶっていない、牧歌的なかわいい馬である。
通りすがりの働く馬
力が正義の世界とは程遠い田舎の景色を抜けて、少々町っぽくなり、工場のような建物も出てきたところで坂を上り、ホテルに到着。
今回は安全のため、いつもより奮発して星が多めのホテルに泊まったが、流石に高いだけのことはある。
2階の部屋窓からは、ホテル中庭のプールとそれを囲むレストランが見え、とても美しい。
しかし旅の疲れには勝てない。
二日かけて到着した疲れで、まず寝る。前日に到着してよかった。
まずは休もう。
…Zzzz
しばらくして賑やかな音楽で目が覚めた。プールを囲むレストランのテラスでジャズバンドが演奏を始めたようだ。
オープニングは夏目雅子主演で映画化された『瀬戸内少年野球団』のテーマ、そのあとも名前は知らないが、どこかで聞いたことがある『あの曲』が続く。
中南米の国々では、日本以上に音楽とダンスに本気である。例えばイベントの余興でダンスが始まると、当然のように生バンドの演奏が伴い、それは凄い迫力になる。
…つまり、うるさくて眠れない!!
それでは、と試しに起きて仕事しようとしたが手につかない。
何せここは2階なので、真下の中庭から全力のジャズ演奏が聞こえてくる。
21:00 堪りかねてフロントまで下りて、部屋の交換を頼む。
が明日まで待ってほしいという。
終了時間を聞けば、21:30で終わるという。
OK、なら晩御飯食べてサッサと寝なおそう、とホテルの夕食ビュッフェを食べる。
21:30 指定の時刻になってもバンドは鳴りやまない、まあ中南米ならそうだろう。
21:40 ようやく演奏が終わり、静寂が訪れた。
_( _´ω`)_ペショ
22:00 ジャズ演奏の第2部が開幕。。。
もうどうにでもしてくれ。
(ヽ’’ω`)
鬼が出るか蛇が出るか・・・出資先への訪問編に続きます