現在、さまざまなバックグラウンドを持つメンバーが在籍しているコパイロツト。その中で、外資系コンサルティングファームで経営コンサルタントとして働いていた経験を持っているのが多田知弥さんです。
2015年に入社してから、早8年。今回は、今もプロジェクトマネージャーとして活躍し続ける多田さんに、この8年の歩みとコパイロツトの変化、そしてこれから先の課題をどう捉えているか、聞きました。
プロフィール
多田 知弥
外資系コンサルティングファーム勤務、ソーシャルビジネスの立ち上げ・運営を経験した後2015年に入社。リモートワークがメインとなった現在、コワーキングスペースが併設されたジムで、仕事の合間に身体を動かしリフレッシュしている。
プロジェクトマネジメントのスキルを磨きたいと思い、入社を決める
—— コパイロツトに入社する前は、どんな仕事をしていましたか?
多田:私は大学卒業後、外資系コンサルティングファームに入社し、3年ほどコンサルタントとして働いていました。しかし2011年に東日本大震災が発生してから、会社を休職し、大学時代の友人と現地で一般社団法人を立ち上げています。
現地の方が困っていたことを一つひとつ拾い上げ、コミュニティ再建に注力したり、手仕事づくりをしたりと、ニーズに応えるためにさまざまな活動を行っていました。
—— その後、コパイロツトに入社したのはどんなご縁からだったのでしょう。
多田:当時、その社団法人の活動を支援してくれていた中の一人が、コパイロツトのメンバーだったんです。2015年頃に携わっていたプロジェクトがひと段落したとき、その人が「面白い人がいるから紹介するよ」と言ってくれて。それが、コパイロツト共同創業者の定金さんでした。
正直なところ、そのとき私自身はまだ入社する気はありませんでした。まだ、社団法人を辞めたわけではありませんでしたから。でも実際に定金さんとお会いしてみると、話がなぜかとんとん拍子に進んでしまって(笑)。
「まずは週1ペースの業務委託から」ということで話がまとまり、少しずつコパイロツトの業務に関わっていくことになりました。そこから数ヶ月の間にどんどん関わることが増えていき、いつの間にか正社員になっていた感じですね。
—— 「この会社に入ってもいいかな」と思えた決め手は何でしたか?
多田:最初に勤めた会社を3年で辞めていることもあって、当時の私は、自分自身のビジネススキルが不足している感覚を強く持っていました。そのためコパイロツトが手掛けている多様なクライアントワークに関わることで、プロジェクトマネジメントなどのスキルを磨けるのではないかと考えていました。
入った当初は、それから8年も在籍することになるとは思ってもいませんでしたけどね。
さまざまなパートナーやクライアントとの協業によって得られるもの
—— 転職や独立を考えることなく、多田さんが現在もコパイロツトに居続ける選択をしているのはなぜでしょう?
多田:入社当初はそれこそ、クライアントの求めることに答え、最初から最後まできちんとデリバリーすることに精一杯でしたが、だんだん慣れていくうちに、外部のパートナーさんたちと仕事をすることに面白さを感じるようになったんです。
今もそうですが、多様なプロジェクトを推進していくために、コパイロツトは数多くの外部パートナーさんたちと協業しています。各領域のプロフェッショナルとご一緒することが多いので、ものごとを捉える視点の持ち方やアウトプットの形など、みなさんから学びを得る機会に非常に恵まれていると思います。
また特定のお客さまと複数のプロジェクトをご一緒していくうちに、少しずつ関係性が築けてきたことも大きいですね。お互いの理解が深まれば深まるほど、お客さまからご相談いただく課題も答えがなく、最初は誰も進め方がわからないものが多くなっていきます。それらの課題とどのように向き合い、自分たちの価値を提供していくか。それを考え行動することに、やりがいを感じるようになりました。
—— 以前のコパイロツトは、クリエイティブ領域出身のメンバーが多く在籍していました。しかし多田さんは、事業会社・マーケティング・セールスなどビジネスサイドの知見を持っていましたよね。それも、お客さまに対して提供できる価値の一つになったのではないでしょうか。
多田:そうですね。コンサルティング会社での経験もそうですし、ソーシャルビジネスを立ち上げて法人を運営していた経験も、プロジェクトマネジメントスキルとの掛け合わせによって自然と自分の強みになったように思います。
多田さんが、2019年から継続的に携わっている3社協働プロジェクトチームのメンバーと。他メンバーからの信頼も厚い。
社会的な要請と参加メンバーにより、柔軟に変化する組織の中で
—— 8年間この会社で働いている多田さんの目から見て、コパイロツトはどのように変化していると思いますか?
多田:コパイロツトの変化の起点となっている要素は2つあると思っています。1つ目は今の時代に即した、社会的な要請によるもの。それによってクライアントが持つ課題が変わるため、私たちが携わるプロジェクトの内容や、提供する価値も少しずつ変化してきました。
そして2つ目は、参画するメンバーによるもの。コパイロツトにはそれぞれのメンバーの興味関心や、「この仕事がやりたい」という気持ちを尊重する文化があります。またメンバー個々のバックグラウンドや得意とする領域も多種多様なため、入社するメンバーによってプロジェクトのカラーが変わるんです。
—— 確かに、その2つの要素の影響は強いかもしれませんね。
多田:一時期、共同創業者の定金さんに対して「もっと明確に会社の方向性を示した方がよいのでは」と思ったこともありました。でもコパイロツトは、このスタイルでこれまで成長してきた実績があります。
変化に柔軟であり自由度が高い会社組織であるということは、そのぶんメンバーである私たち自身の頭で何をすべきか考え、どう行動するか選択していく必要がある——今はそう考えるようになりました。
プロジェクトマネジメントプラスαの提供価値を模索していく
—— 最後に、これから多田さん自身がコパイロツトで取り組みたいと考えていることについて教えてください。
多田:最近、お客さまからいただくご相談の難易度がだんだん高くなっています。新規事業創出もそうですし、会社をあげたリブランディングなどもそうですが、数年前に手掛けていたプロジェクトと比べるとハードルが高く、会社の中で複数の部門を横断して意思決定をしなければいけない内容が増えてきたように思います。
これまで当たり前とされてきた前提条件や固定観念をすべて取り払って、常識を超えていかなければならないことが増えている気がしています。
だから私たちもこれまで身に付けてきたプロジェクトマネージャーとしてのスキルセットだけではなく、今後は経営レイヤーの人たちからも信頼を得て、新しいものごとにアプローチしていく方法を模索していかなければいけないと感じています。
—— 具体的には、これからどのような役割が必要とされるようになると考えていますか?
多田:「プロジェクトマネージャー」という名称のもとで、一般的に認知されている役割を超えていくんでしょうね。それは企業に対して将来のあり方を提示することかもしれないし、なぜ今の時代にそれが必要なのかを問い、理解してもらうことかもしれない。
はっきりと答えが見えているわけではありませんが、これからもさまざまなプロジェクトに携わりながら、どうすればお客さまに価値が提供できるか、自分たちが参画することでどんな成果をもたらすことができるか、試行錯誤を重ねていきたいと思っています。