上から指示され押し付けられるのではなく、自分が心から「やりたい」と思えることと真摯に向き合える。そんな環境を求め、転職活動をされている方も少なくないでしょう。
株式会社OfficeBrightは、2020年に設立。「営業」「HR(人材)」「建築」「マーケティング」の4つの領域において業績を伸ばしている成長企業です。今回取材させていただいたのは、多彩なキャリアを通じて経験を積み、常に今よりも一つ上のチャレンジを続けてきた山本さん。会社の魅力や、今後のキャリアに関する展望について詳しく伺いました。
山本 明矢 / HR事業部 事業部長
京都橘大学卒。高校時代、大学時代の留学経験から自律的に物事を考えるようになり、様々なキャリアを模索する。化粧品の販売員、エステティシャン、個人向け営業などを経て、株式会社オフィスブライトに入社。営業事業部での訪問営業を経て、2022年12月よりHR事業部 事業部長に昇格した。
留学経験によって自立した生活への意識が芽生え始めた
ーーまずは山本さんの経歴について、お聞きします。学生時代はどのように過ごしていましたか?
中学時代に海外に興味を持ち、高校は英語科に進学しました。オーストラリアに短期留学したのですが、この時に初めて“日本との違い”を意識しました。オーストラリアの学生たちが自分の意見をはっきりと伝えている様子に、「私もやりたいことが発信できるようにしたい」と思ったことを覚えています。周りに流されるのは、嫌だったんです。
大学も英語が学べて、留学できる環境を選びました。アメリカに半年ほど留学しましたが、さらに日本との教育の違いを強く感じましたね。できないことを叱ったり注意したりするのではなく、個人の可能性を導き出す教育を行なっている点が印象的でした。個人の能力や才能を伸ばすことに重点が置かれているんですよね。自分の長所を褒めてもらい、できないことよりもできることに目を向けてもらえれば、自信を持てるようにもなります。アメリカの学生たちは、オーストラリアで出会った学生たちよりもさらに自分で物事を決めて、意欲的に行動しているように見えました。
日本に帰ってきてちょうど就職活動の時期を迎え、「自分の意見をはっきり伝えられて、のびのび働ける環境で仕事がしたい」と考えるようになりました。もしやってみてダメでも、次に進めば良い。その方が個人の能力も伸びると信じて、アメリカで学んだマインドを忘れずにがんばってみようと思いました。
ーー社会人としてのキャリアは、いかがでしたか?
化粧品会社に販売スタッフとして新卒入社したのですが、思っていたほどのびのびとは働けませんでした。化粧品は一人ひとりの肌質に合わせて選ぶものでもありますから、私としてはお客様ファーストで仕事を進めたかったんです。その一方で、会社としてお客様に購入してもらいたい商品を提案せざるを得ず、上司の意見を押し付けられているように感じていました。指示通りに働くことにも抵抗がありました。入社から1年が経つと新人も入ってきて、「新入社員はできているのに、あなたはなぜできないの?」と比較されるようになりました。すごくストレスを感じましたね。その後、販売スタッフから事務へ異動しましたが「もっと違った環境で、落ち着いて働きたい」と思って、転職しました。実績だけで評価される働き方よりも、個人の強みを伸ばした働き方が、自分には合っていると思いました。
次のキャリアは、エステティシャンです。ちょうどその頃、経営に興味を持ち始めて「興味のある美容系の仕事で、経営について学べる会社がないかな」と考えていたんです。「自分は本当は何がしたいんだろう」と模索した時期もありました。根本には「美容が好き。美容で起業したい」との気持ちがありました。
しかし役職経験があるわけではないので、いきなり会社経営にチャレンジするのは難しいとわかりました。周りからも「あんたには無理」「周りの人は1つの会社に長く勤めて役職についている」と否定され、たくさん比較もされました。それでもどうしても諦めきれなかったんです。
「ゆくゆく経営をしてみたいのであれば、まずは現場の経験値を高めてほしい」と要望され、エステティシャンから始めることに。3〜4年ぐらいは現場でエステの施術していたのですが、店長、マネージャーへと昇格していくにはけっこう時間がかかるんですよね。「このままでは、結局やりたいことができないのかもしれない」と悩み、再び転職しました。
次に選んだのが、個人向けの営業です。自分で仕入れた美容系商品を個別に販売しながら、一緒に商品の販路拡大を目指していく仲間を集めて、ビジネスを始めようとしました。ただこれも、成果にはつながりませんでした。
ーー思うようなキャリアが描けず、悩んでいたのですね。
本当に悩んでいましたね。実はその頃に、弊社代表の淀澤に偶然出会ったんです。個人向け営業でなかなか成約できず、相談してみたところ「提案をもう少し工夫してみたら、商品の魅力が伝わるかも。こんなふうに説明してみるのはどうだろう?」と具体的に教えてもらいました。どうやら「山本は人の懐に入るのが上手い」と感じたらしく「その人懐っこさが上手く活かせれば、成約件数も伸びる」と言ってくれて、自信に繋がりました。アドバイスはもちろん、個々の良いところをしっかり理解してくれていて信頼できると思い、「こういう人と働きたい!」と心が動かされました。今までいろいろな上司、先輩に出会ってきましたが、こんなに親身になってアドバイスをしてくれた人はいませんでしたから。それからしばらくして、淀澤から誘いを受けました。「今度、新しく事業を立ち上げる。一緒に働いてみない?」とオファーされたのが、OfficeBrightに入社したきっかけです。
「経営を学びたい」との一心で入社。未経験スタートからわずか3年で事業部長に抜擢
ーー入社後は、どのような仕事を担当されていたのですか?
まずはインターネットの光回線を、個人宅に提案していく営業を担当しました。訪問販売という営業スタイルは初めての経験だったので、最初は戸惑いしかなかったです。地図を頼りに、1軒ずつ戸建住宅を訪問し、話を聞いてもらって契約していきます。「こうすればどんどん成約につながる」というような正解はありませんから、試行錯誤の日々でした。自分の意思を尊重してもらいながら、自由に働かせてくれていたなと思います。
入社1年が経つころになると、だんだんと目標達成ができる月が増えてきて、事業としても軌道に乗ってきました。新しい仲間も増え、現場で商談をしながら部下の教育も並行して進めていました。
マネジメントと現場の両立をしながら、「これが本当に自分のやりたかったことかも!」と気づきました。新人が成果を出せるようになるまで、それぞれの成長に寄り添う。そして同時に、現場でお客様に提案もする。この二つがうまく重なり合って経営視点が身に付き、ノウハウも蓄積されていきました。入社から3年が経ち、コツコツと続けながらそうした経営のノウハウがより磨かれてきたと実感しています。
昨年12月にはHR事業を新たに立ち上げ、事業部長を任せてもらえるようになりました。HR事業部は企業からの依頼を受け、求職者とのマッチングを行っています。応募してきた求職者の希望条件をヒアリングし、勤務内容を確かめて紹介しています。企業と求職者をつなぐ架け橋として、私ともう1名のスタッフで対応中です。事業部全体を管理し、ずっと挑戦してみたかった「経営者」に近いポジションで、仕事にチャレンジできています。
ーー入社3年で事業部長となり、経営に携わるようになること自体が珍しく感じますね。
確かに、一般的な企業ではもっと時間がかかるかもしれません。私が以前勤めていたエステ店では、店長になるまでに3〜4年はかかっていました。さらにそこから3年以上働いて、ようやく経営にチャレンジできるようなイメージがあります。
会社を経営するということは、組織として働く人を養い、幸せにしていくことだと思っています。そういう事業に長年、取り組んでみたいと思っていましたから、今はとても満足しています。
実際に社会人になって歩んできたキャリアはとても大変なものでした。ただ一方で、だからこそ営業のアプローチの仕方やマネジメント経験が、大いに役立っています。今までの苦労は、ムダではなかったです。
ーーご自身の強みは、どのような点で活かされていると感じましたか?
代表の淀澤からは、「継続力がある」と言われています。「自分にしかない、良いところを伸ばしつつ、仕事に取り組んでいけば良いんだよ」といつも励ましてもらっていますね。
特に、訪問販売をしていた時はメンタルが仕事の成果に大きく影響していました。営業の仕事は、目標達成ができないと収入が得られない「フルコミッション型」で給与額を設定している方も多いですよね。想定よりも成約数が低ければ、給与額もモチベーションも下がっていきます。
ただ、私の場合は「お金」とは別のところに自分のモチベーションを置いていました。私が一番やってみたかったのは「経営」。淀澤と一緒に事業を進めていくことで、自分の力で経営ができるほどのビジネススキルを身につけよう。その強い願いだけに集中できたからこそ、3年間継続して営業をやり抜いたと言えます。結果として、淀澤も私の姿勢を評価してくれたのかもしれません。
事業部を軌道に乗せ、ゆくゆくは起業の夢を叶えたい
ーーHR事業部が目指す将来像について、お聞かせください。
正式なスケジュールは未定ですが、一事業部から子会社へと移行する予定です。時期としては、事業が黒字化し、順調に利益が出せるようになったタイミングでしょう。
そのためにも、一緒に組織を盛り上げてくれる仲間の存在が不可欠になります。未経験でもまったく問題ありません。もちろん、不安なことも多いと思います。私自身、業界未経験でスタートし、とりあえず前に進みながらやってみてできるようになりました。正解も不正解も分かりませんよね。
そんな立場だからこそ、一人前になるまではしっかりとサポートしていくと決めています。一緒に伴走しながら、無理なくバトンタッチしていける流れを考え、教育していくつもりです。少なくても入社後の半年間は、丁寧に支えていきたいですね。私自身も先輩に助けてもらいながら、成果が出せました。「すごいね!自分で成約できたね」と評価してもらうと、意欲が湧いてくるものです。「今度こそ、先輩の力を借りずに達成しよう」と決意したことを、今でも鮮明に覚えています。もちろん、人によっては入社後1ヶ月、3ヶ月で活躍できる方もいるでしょう。その辺りは個人の適性・希望も聞きながら、相談して決めたいです。
ーー社員の希望する働き方を、大切にしたいのですね。
もちろんです。私が海外留学をしていた頃から変わらない価値観でもありますし、個人の主体性を大切にしたいんです。OfficeBrightは若手が多く活躍しています。その背景には「自分で意欲的に動き、応援してもらえる環境」があるからだと考えています。やらされ感ではなく、自分が将来何をしたいのかで動いている人材が多いんです。
社員の良いところを見て伸ばしていく風土が根付いていますし、そういう風土があるから継続した事業成長が実現しているのでしょうね。私のように、経営にチャレンジしたい方や経営について学べる環境で働きたい方には、本当にピッタリですよ。
ーー山本さん自身の未来については、いかがでしょうか?
ようやく今、HR事業部の経営担当として走り出したところです。もっと順調に管理できるようになるためにも、土台作りをしっかりとしておく必要があります。私の後に続くような人材を増やし、育成していきたいです。
また、美容系の会社を起業したい気持ちもまだ残っています。もちろん、今はHR事業にフルコミットしていますが、いつかは独立して起業できる環境整備もしてみたいです。入社当初、淀澤にも話したことがありましたが、その当時はまだ社会人経験も浅く、経営について何も知らない状況でした。そこから営業スキルを身につけ、経営視点を学び、ようやくビジネスを継続する力を習得しました。これからも経営者として貴重な体験をさせてもらいながら、次のステップに向けて歩み続けていきたいです。