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【インタビュー#4】執行取締役

2022年から最初は業務委託でジョインした伊東。
2024年1月、執行取締役に就任し、新規事業の蓄電池事業やEV充電事業を立ち上げから担当しています。

民間と自治体でキャリアを積み、地方と都心を行き来する生活で見えてくる、再生可能エネルギーの役割や今後について話を聞きました。

様々な組織を経験したからこそ分かるBisonの強み




- まずは、伊東さんの経歴~Bisonとの出会いについて教えてください。

伊東:キャリアの初めは地元県庁でした。20代後半の時、在籍しながら海外の大学院で研修させてもらえるという制度があったので、2年間非常にハードなアメリカ留学生活をなんとか乗り切ってMBAを取りました。

再び県庁に戻ってからは10年以上産業振興や公共交通などを担当したのちに、1回目の転職で東京の外資コンサルで大学や研究機関などの業務改善についてのコンサルティングを経験。当時は生活拠点を完全に東京に移すつもりだったのですが、子どもの就学環境やリーマンショックもあって地元に戻ることを決意。

そこで、たまたま県庁時代に交通関係の仕事をしていた頃にお世話になった地元の鉄道会社社長に声をかけられまして、そこから10年以上鉄道会社での仕事を経験し、最終的には専務を務めました。管理業務全般と大きな公共事業プロジェクトのリード、運行安全の責任者を経験し、キャリアにおける財産となっています。

鉄道会社での公共プロジェクトがほぼ終わりに近づき、今後のキャリアを考えたときに、ふと「仕事じゃないことをやりたい!」と思い立ちました。MBAは修士の学位ではあるのですが、その上には博士課程があります。自分の中でアップデートできるスキルというか投資は何かと考えたときに、再度勉強して、ビジネスよりさらに大きな経済全体を理解したいと思うようになりました。そしてウン十年ぶりに受験勉強をして大学院の博士後期課程に入学したのですが、ちょうど子どもも大学受験の年だったので一緒に頑張りましたよ(笑)。

さらにその受験の前後で、建設会社を営む従兄弟がちょうどBisonの発電所建設の仕事をやっており、「勉強だけで飯は食えないぞ」と言われてそれもそうだなということで紹介してもらいました。新規事業立ち上げを担当することになり、いろいろなご縁がかけ合わさって形成した自分のキャリアが専門性となって活かせています。現在は地元北陸での大学院生 × 東京のBison役員という2拠点生活を両立しているところです。


- 担当されている新事業の中身について教えてください。

伊東:今は主に、蓄電池とEVチャージャー事業ですね。

蓄電池は「系統用蓄電池」といって、電力系統や再生可能エネルギー発電所などに接続する蓄電池のことで、太陽光発電などを利用して蓄えた電力を、事業会社や家庭の電力需要を補完するために使用します。


( ↑ 中国にて蓄電池関連機器を見学する日本スタッフ)


日本では家庭用蓄電池の普及が数年前から進んでいますが、規模の大きい事業用はこれまで費用が高く、また電力市場の改革も進行中のため、民間での事業としてはまさに今からという状況です。Bisonはこの蓄電池事業において、”開発メーカー”として、2024年に蓄電池をリリースします。Bisonは国際的な再生可能エネルギー関連機器のサプライチェーン調達の深い経験を生かし、中国はじめ海外メーカーと共同開発をおこなっています。ちなみに、すごくタイムリーですが、2/28~3/1に東京ビッグサイトで開催される「脱炭素EXPO」にて、実物の系統用蓄電池を展示し、新事業の第一歩を踏み出そうとしているところです。

一方のEVチャージャーは、電気自動車の充電スタンドを開発・販売し展開するものです。EV車が日本で販売されて数年経ちますが、普及速度が上がらない一因として、インフラである充電スタンド設置の拡充がまだ追い付いていないことがあげられます。ただ、世界的な流れに準じて日本でも脱炭素化社会の実現のための施策を積極的におこなっており、2035年にガソリン車とディーゼル車の新車販売が禁止されます。これにより今後のニーズの高まりが確実なうえに、事業としてカーボンニュートラル・脱炭素を先駆けとなるもので社会的影響力も高いです。

これらをそれぞれに単独事業としてだけではく、総合的なエネルギーソリューションの提供として成立させるというのが私のミッションとなります。既存の太陽光発電事業も含めたソリューションの提供、価値創出に照準を合わせて現在動いています。


- 電気のソリューションビジネスですか。具体的に内容を教えてください。

伊東:これは収益パッケージをつくって数を売っていくのではなく、ユーザーや社会的なニーズそれぞれに合わせた形で展開していくイメージです。

例えば、野立ての太陽光パネルを用いた発電施設の導入のみで解決する問題もあれば、工場などへの屋根置きで自家消費のシステムに組み込むパターンもある。これらは今までのBisonの主力事業であり、リソースとして培ってきた部分です。

ひとつ、知識として言うと、電気というのは柔軟に双方向に流れることが可能ですが、「貯めておく」というのは蓄電池がないと難しいんですよね。そこで蓄電池導入によって、電気消費が少ない時は電気を貯めておき、消費ピーク時には貯めておいた電気を使用することで均衡化することが可能なんです。この電力使用の均衡化は、電気料金の高騰を避けられるだけではなく、電力ネットワークシステムにとっても、同時同量(電気の供給と需要が、同じ時に同じ量になっているということ)に資することになり、電気の質や供給を正常に保ち、わたしたちの生活に悪影響が出ないようにすることができます。

また、ここでさらにEV充電スタンドを設置することで、会社における事業用EV車の充電や、商業施設におけるお客様のEV車充電もできるようになります。これにより「その場所にある太陽光パネルで発電され、蓄電池で溜めておいた電気を、そのまま同一場所で消費する、さらにモビリティへ活用する」ということが可能になります。電気使用が少ない時間帯に溜めておいた余った電気を、付加価値として提供できることになりエネルギーの有効活用&利用者満足向上という形をつくることができますよね。

実は鉄道会社時代に、電気を大量に使用する側としては苦慮することが多かったんです。電気使用量が上がっていく要素やパターン、また暑い寒いというお客様の要望は分かっているけども、何もしないと大きなピークが出てしまい、翌年の契約電力量に反映されコストが上昇してしまう。契約する電気料金はデマンドピーク(最大需要電力)によって決まるので、一般家庭よりも桁も振れ幅も大きい「工場の電気代」は、おそらく世の中の企業における管理系責任者の皆さんが同じように、高騰する電気代と会社の課題であるコストダウンという狭間で悩まれていると思います。

そういった問題がBisonによる先述の発電・蓄電のマネジメントソリューション提供によって解決され、企業の事業展開に応じたエネルギー課題を一緒に考え導く伴走者のような役割ができればと考えています。


- 事業の広がりがすごく面白そうです。この事業にかける伊東さんの思いを聞かせてください。

伊東:インタビュー#3のTiffanyの回で、現在の主力の火力発電は7割輸入で、目指す姿は再生可能エネルギーを日本でつくって日本で消費する形を作って行きたいという話があったかと思います。広義ではそれがBisonの目指す姿ですが、私は蓄電池やEV充電の新事業を用いるとさらに「その土地で作られた電気をその土地で消費する」という、さらにエリアを細分化したエネルギーの自給自足モデルも可能になると考えています。

既存の水力なども含めて、再生可能エネルギーによる発電施設のほとんどは日本の地方エリアにあり、電気をより使用する都市部には広い土地がなく発電施設を作ることが難しいという現状があります。また、歴史的にも都市部の需要を満たすために、地方に大規模な発電所が建設され、大都市に送電するという形が現在の送配電の基本になっています。でも、このような形ができる前は、地域で必要な電力は地域で自ら作っていたんです。魚や野菜は地元で獲れたてを食べるのがいいじゃないですか。電力も海と陸地、それぞれの地域でつくられたものをミックスし、そしてさらに地域同士が協力して融通し合うという形も今は可能です。こうするとリスクを下げながら、有効活用の幅が大きく広がります。

加えて、電気にもマーケットがあることへの認知がまだ足りないと感じています。東京に住んでいたら東京電力、大阪に住んでいれば関西電力と契約するものだと思っている方も多い。実は、電気も市場で売り買いされ、その動きによって値段が決まるんですよ。電気の自由化に伴って、例えば同じマンションの住人でもそれぞれ別の電力会社で契約できるという話が知られてきたのはここ数年の話ですよね。

こういった知識の壁をBisonの再生可能エネルギーの普及によって打破できると考えています。それはつまり、地域のバリューを100%に近い形で地域に還元するためにマーケットに深くコミットして、自分たちで電力をうまく使い調整・管理できる仕組みを構築することであり、このビジョンをお客様と共に実証したいと考えています。



- 普段、どのようなことを意識して仕事に臨まれていますか。

伊東:関わる全ての方にリスペクトを持つことが大切だと思っています。若い人の能力の高さ、ポテンシャルの高さ、柔軟性の高さを日々感じています。自分はビジネスパーソンとして年齢が上の方になってきましたけども、一緒に仕事をする方の優れた部分というのは、経験を重ねるだけでスキルが自然とあがるわけではなくその人の強みですので、そこにはリスペクトの気持ちをもって接するようにしています。

あとは、いろいろな組織を経験してきた分、様々なコミュニケーションの状況を経験してきたので、Bison社員が仕事を円滑に進められるようなサポートができればと思っています。このようなサポーティブな役割もBisonにおける私の重要なポジションではないかと感じています。


- Bisonの組織としての強みとはどこにあると思いますか

伊東:ひとつは、社員が個として自立しているところだと思います。人数も少ないし、そうならざるを得ない環境ではあるのですが。中途採用のみのメンバーなのでいろんな経験をした人が集まっていて、自立して仕事を進める中で互いに協力するという、チームワークにおける一番良い仕事の進め方ですよね。これが実際に風土としてできている企業はなかなかないのではと思います。

二つ目に、マルチカルチャーがゆえの丁寧なコミュニケーションができているところも強みです。”言わなくても分かるでしょ”という、特に日本企業の上司や先輩にありがちな空気を読ませて人を動かすというのは、コミュニケーションを疎かにして相手にもたれかかっているわけです。Bisonはそれがない。「ちゃんと言わないと分かってもらえない」という前提で話すので、互いに業務解像度が非常に高い状態で仕事ができます。非常に速い意思決定スピードにも対応しながら、チームとして事業展開を進められている背景はこのあたりにあるのではと思っています。


- では、そんなBisonに適応しやすい方とはどのような要素をもつ方なのでしょうか。

伊東:「今より良くしていきたい」という、自律を目指す気持ちですね。自分の個人としての能力や人格も含めて、できるだけ現状よりも良くしていきたいという向上心です。特にBisonの場合、与えられるミッション到達の先には大きな社会課題の解決があります。そういった大きな目標に向かって、個人あるいはチームの中で仕事をしていきたいという方はマッチしやすいのではと思います。

若い方であれば具体的な実績がなかったり、自律して働くイメージがいまいち持てなかったりするかと思いますが、これについては目指す姿勢があれば歓迎したいですね。最初から全部できる人は絶対いませんから。


- 最後にこのWantedlyページをご覧の方へメッセージお願いします。

再生可能エネルギーは、世界的ニーズに沿う形で今後成長していく業界です。その中には様々な単独事業があり競合会社がいます。Bisonはフィールドが広いながらもコツコツとリソースを溜め、事業展開を続け、この2024年は新事業がリリースされ大きく飛躍する面白い年になると思っています。

確実にあるニーズと急速に変化する技術やマーケットにどうアプローチしていくか、業界全体でも手探りな中で自分なりの答えを作っていく。このタイミングで入社いただく方には、事業の立ち上げ&推進の経験や、スキルを新分野にスライドして成長するなど、なかなか無い経験が積めるのではないでしょうか。

もしワクワクしていただける部分がありましたら、ぜひ応募やカジュアル面談できればと思いますのでお待ちしています。

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