1
/
5

【前期事業レポート】宇都宮短期大学附属高等学校 アカデミックマインド育成講座

カルぺ・ディエム講師の橋本講師(教育学部4年)を中心とした講師が、宇都宮短期大学附属高等学校の1年生を対象に「アカデミックマインド育成講座」という講義・ワークショップを開催しました。

2024年6月から2025年3月まで講義を行う予定で、今回のレポートでは、経過報告となる、4月から7月までの講義について紹介していきます。

アカデミックマインド育成講座とは?

AIなどさまざまな技術が発達する中、これからの世代に求められるのが「思考力」です。共通テストや大学入試でも「自分で考える力」が試されるようになっています。本講座では、現役東大生と一緒に「身の回りにあふれる疑問」と「五教科の勉強」を結びつけた課題に取り組み、自ら問いを立て、仮説を作り、検証する一連の思考法「アカデミックマインド」の獲得を目指します。

勉強がより楽しく、身近な存在になるだけではなく、獲得した思考法を大学受験の問題に応用していく講座です。

目次

  • アカデミックマインド育成講座とは?

  • 「あの」食べ物は「どこ」から運ばれている?

  • どこまでが事実?どこからが意見?

  • 受講した感想

  • 先生方からの声

  • 生徒の皆さんからの声

  • まとめ

「あの」食べ物は「どこ」から運ばれている?

「みなさんが飲んでいる牛乳の産地はどこでしょう。」

生徒によっては毎日飲んでいる牛乳ですが、産地表をまじまじと見つめたことはあまりないかもしれません。

でも、この講義はアカデミックマインド育成講座。知らないことも自分の持っている知識をフル活用して問いについて考えていきます。

「牛乳は牛から取れるということは牛の飼育数が多いところだから、、北海道!」

もちろん北海道産の牛乳もありますが、実はこの回答は正解とは言えません。関東地方のスーパーで並ぶ多くの牛乳の産地は北海道ではないのです。

それではどこで生産されているのでしょうか!

隣の生徒同士で議論しながら出てきたのが、「なぜ北海道ではいけないのか」「距離が関係しているのではないか」という仮説です。距離が遠いとどんな問題が出てくるでしょうか。

「運ぶ過程で腐ってしまう。」
「他の商品よりも賞味期限が短くなってしまう。」
「運ぶのにお金がかかってしまう。」

さまざまな意見が出てきました。どれも大正解です!

これは「近郊農業」と言われ、栃木県や群馬県など大消費地により近い場所で生産すると、運送コストや鮮度の面で有利になるのです。

皆さんも身の回りにある「近郊農業」で生産されている食べ物がないか、探してみてください!

普段気にしていないことに問いを立てることで、記憶に残りやすかったり、興味関心が広がります。それがアカデミックマインドの醍醐味でもあります。

どこまでが事実?どこからが意見?

「私の身長は低いです。これが事実だと思う人は手をあげてください。」

多くの手があがりました。

ところが、「身長が低い」ということは事実ではなく、意見なのです。

私は「あなたより」身長が低い、私は「平均よりも」身長が低い、と言葉がつけば事実になります。生徒さんに投げかけた「私は身長が低い」という言葉もどこかで「平均よりも」「175cmよりも」と変換されて、そこから事実と感じてしまったのでしょう。

コピー用紙だけで頑丈な建物を作るというワークショップでは、他の班よりも高さがあって重さにも耐えられる建物を建てようとチームで協力している様子でした!

この考え方はアカデミックマインドの「問い」「仮説」「検証」について考えるときだけでなく、英語の選択問題など受験の場でも役立ちます。普段は事実と意見をそこまで気にせず生活しているからこそ、いざという時にこの考え方を知っておくと、どれが事実に基づいた文章かを見分けられやすくなるのです。

受講した感想

先生方からの声

「このような講座を受けること自体初めてのことで、とてもありがたい経験ができた。生徒には、日常の中との接点を常に意識しつつも、勉強にも接続できるようになってほしい。学校で行っている探究学習ともうまく接続できるようにしたい。」
アカデミックマインドは考え方のスキルです。それを体得した生徒の皆さんが勉強や探究学習に活用していけるように私たちもサポートしていきます!

生徒の皆さんからの声

また、各回の講義では、講義後にアンケートを実施しています。そこでの生徒個人の感想を、一部抜粋して紹介します。

「楽しかったし、問を考える楽しさを知ることができた。今日の講義で、早場米という米を初めて知った。」
「分解して考えることが身についた。勉強も分解して考えればそこまで大変じゃないと思い、モチベーションが上がった!」

まとめ

7月末までの3回で、問い・仮説・検証の基礎をお伝えしました。アンケートでも3つの過程を意識しながら回答してくれている生徒さんが多いように感じ、とても嬉しかったです。

来学期からは基礎を実践する演習に入ります。「考えの型」を身につけるには、知って頭に入れるだけでなく、アウトプットしながら使っていくことが重要です。8月からも一緒に頑張っていきましょう!


その他の取り組みついてはこちら

CARPEDIA | 人生を”ちょっと”前のめりにするメディア

株式会社カルペ・ディエムからお誘い
この話題に共感したら、メンバーと話してみませんか?
株式会社カルペ・ディエムでは一緒に働く仲間を募集しています
1 いいね!
1 いいね!

同じタグの記事

今週のランキング

石橋 康志郎さんにいいねを伝えよう
石橋 康志郎さんや会社があなたに興味を持つかも