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【役員インタビュー】タオル製造の現場で27年 よりよい生産体制を作るための考え方とは

今回は、1995年の入社から縫製事業に携わり、現在も執行役員・SCM部長・生産管理部グループ長として製造の現場に向き合い続ける寺尾をご紹介します。

タオル業界随一のチャレンジ精神に惹かれて入社

——寺尾さんはハートウエルに入社されて27年目ということですが、これまでの来歴を教えてください。

入社当時はハートウエルのグループ会社が3社あり、私は株式会社セルビエというアパレル事業を行う会社に入りました。今のハートウエルでいう縫製事業部で、タオルの会社が縫製品を作ることは当時の業界にとっても新しい取り組みだったんです。私はそのチャレンジ精神に共感してセルビエを選びました。そこでは製造の現場で勤務し、素材の仕入れから製造までを日々繰り返していました。


——ハートウエルは縫製品を扱うタオル会社の先駆けだったんですね。

やがてグループの統合などもありつつ縫製事業の現場で約20年働き、今から約7年前に生産管理のポジションへ異動しました。ハートウエル製品全体の納期管理や外注関連のやりとりをする部署です。そこからまた2年ほど経った頃、前社長の池永さんが就任したタイミングで商品管理部の部長に就きました。業務内容としては生産管理部に近いですが、ここではより包括的なマネジメントを求められました。



立て直しを命じられたのは「目標のない現場」

——商品管理部への異動には理由があったのでしょうか?

当時の商品管理の環境は、正直まともに機能していない状態だったんですよ。納期を管理して指示を出す立場の人間と、タオル製造の現場にいる25名前後の従業員との関係がうまく構築されていなかった。そういった環境を立て直すことが私の使命でした。


——とても大変そうですが、どのように立て直していかれたのでしょうか?

現場を見た結果、大きく2つの課題があることが分かりました。1つ目がコミュニケーション不足。従業員からは「上の人の言うことが理解できない」「性格が合わない」という意見があったのですが、これはそもそも普段から会話をしていないからなんじゃないかと感じました。そこで私は従業員一人ひとりから話を聞く機会を設け、それぞれが持つ意見や不満を直接ぶつけてもらいました。そこで出た全ての問題をすぐに解決できるわけではないのですが、できる範囲の対応を進めながら、まずは「何を言ってもどうせ変わらない」という考え方を解消し「言いたいことがあったら言う」という環境を作るように動きました。


——意見を溜め込まないような環境づくりを意識されたんですね。

もう1つの課題は、生産に関する適切な目標が設定されていなかったこと。全体としての大きな目標だけはあったようですが、そこでは個人の能力が考慮されておらず、結果として納期が正常に管理できていませんでした。そこで、個人ごとの技術・能力を測り、従業員一人ひとりに個別の目標生産枚数を設定しました。その結果、漠然と日々の製造業務に取り組んでいたような状態から、達成可能で分かりやすい指標に向けて努力できるようになったんです。これによって製造の数字は一気に伸びましたし、目標を安定してクリアできるようになった後のステップアップも設定しやすくなり、全体的な生産能力の向上に繋がりました。


——丁寧な目標設定が業績に結びついたんですね。

目標がない状態では、8時間働けばいいや」といった姿勢になってしまいがちで、そうなると生産効率は落ちますし、やる気も出ないですよね。目標を達成することの満足感や褒められる喜びなどから、従業員が気持ちよく積極的に働ける環境へ変わっていったことが何より大事だったのかなと思います。個人の目標を合算した全体目標も共有しており、それを全員で達成しようとする意識も大切な要素なのかなと思います。


——いきなり配属された部署の改革で、数字も伸ばしつつ働きやすい環境づくりに成功されてすごいですね。

私は元々製造の現場にいた経験があったわけですが、それでもどうしてこのポジションに引き上げられたのかはまだ分からないんです(笑) いつか池永さんに真意を聞いてみたいですね。



メーカーとしての要は「現場の職人」

——では、今後さらに変えていきたいことはありますか?

新しい商品を生み出していけることが我々の強みの一つですが、それでもハートウエルは商品企画の会社ではなく製造の会社なので、いかに質の良いものを作れるかというところが最重要だと思っています。だからこそ、タオル職人として働く現場の従業員にはもっと自信を持ってもらいたいんです。営業や企画と違って普段あまり表に出ない仕事ですが、今後は機会があればもっと目立ってもらって、さらに前向きに働いてもらえたらと思います。


——メーカーとして職人を尊重したい、ということですね。長年製造の現場に携わられた寺尾さんの言葉として重みを感じます。

たとえば納期が遅れると現場に問題があると思われがちなのですが、責任はすべて管理側にあります。スケジュールの問題に意見があるなら、現場を責めるのではなく我々に言ってもらいたい。現場の従業員は私のような立場の人間が守らなきゃいけないという意識がありますね。



——寺尾さんが仕事で大切にしていることは何ですか?

採用の面接でもよく言うのですが、やはり「いかに楽しく仕事ができるか」ということは常々頭に入れています。納期に追われて大変と感じる時もありますが、自分たちが作ったタオルでお客様に喜んでもらえること、そして努力が売上として数字に表れることこそがやりがいです。現場の従業員たちにはお客様の声が届きづらいので、会社に届いたご意見は朝会や社内報で全体に共有するようにしています。


——やはり成果が感じられると嬉しいですよね。

ただ個人的には、例えばECサイトのレビューの中では悪い評価の方を意識して見るようにしています。低評価があるということは管理不足であるということですから。管理者としての視点で、現場には良いことも伝えつつ悪かった点も共有して、質の良い製品をお届けできるよう改善していくことが私の仕事です


—どんなご意見も糧になるということですね。

それに低いレビューをもらってしまうと、せっかくEC事業で頑張ってくれている人にも迷惑がかかりますからね。ハートウエルとしての今後の課題は、いかに小売を伸ばし欠品を無くしていくか。これが達成すれば売上は伸びるようになっているので、業績に繋がる生産体制を作っていきたいです。



よりよい生産体制を一緒に作りたい

——お客様からの印象的なご意見はありますか?

2020年にクラウドファンディングでマスクを売った際、想定を超えて1億円以上の支援をいただいたんです。それまで弊社でマスクを作ったことはなく、さらにクラウドファンディングという形態に取り組むのも初めてだったなかで無制限に販売してしまい、結果的に納品まで2週間の遅延が出てしまったんです。このときはもちろんお叱りの声をたくさんいただきました。しかし中には「遅れてもいいので頑張ってください」という意見もあり、それを見た時は「このような状況でもハートウエルの商品を楽しみに待ってくれている人たちがいる」と感じて泣きそうになりました。そのときの反省と経験を活かして、現在はクラウドファンディング商品の生産にも万全に対応できる体制が整えられています。


——お客様の大切さを感じられる素敵なエピソードです。では最後に、今後一緒に働きたい方の人物像を教えてください。

どのポジションでも、自分で考えて行動できる人に来てもらいたいです。業務の改善に向けた具体的な意見のほか、漠然とした不満でも、とにかく発言したり試したりしなければ結果には結びつきません。もしそれが不発に終わったとしてもコミュニケーション自体は生まれているわけですし、それによって次の意見を言いやすい空気が育っていくと思います。管理者として指示を出すことが多い私も、皆さんと一緒に考えて、一緒によりよい環境を作っていきたいです。ハートウエルで働くことに興味を持たれた方は募集記事をご覧ください。


——ありがとうございました!

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