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データサイエンスチーム Interview 【他の違う分野とくっついてこそ、未来のAIの価値がある。チームで考えるデータサイエンスの展望】

【グループインタビュー登場メンバー紹介】

喜久里
CEO大竹・COO白石とともにIT系メガベンチャー企業の分析組織にて従事。2020年の初め頃にCOO白石から誘われHogeticLabにジョイン。DSチームにおけるPMとして携わる。

吉原
東大薬学部大学院にてデータ解析・データベース研究を行い、今年初め頃からHogeticLabにジョイン。フリーランスとして他にも医療系画像解析ベンチャーでAIエンジニアとしても従事する。Kaggle Master。

大野
大学院まで物理を専攻し、去年4月に新卒でベンチャー企業に入社、データサイエンティスト兼データエンジニアとして従事する。最近メンバーの吉原から紹介されてHogeticLabにジョイン。Kaggle Master。

徳永
大学院まで哲学を専攻し、博士過程進学と悩んだのちに新卒でIT系メガベンチャー企業に入社。分析組織でデータアナリストとしてアプリゲーム分析に従事し、2020年10月頃にCEO大竹に誘われHogeticLabにジョイン。

【全く異なる背景のデータサイエンティストが集結!普段は触れない、人とデータに関わる複業の魅力】

ーー皆さんの経歴を伺って、学生時代の研究と今の実務への関連性が気になったのですが、そもそもどういった理由でデータサイエンスに興味を持ったのですか?

吉原:僕なんかは安直ですが、学部4年生の頃に『データサイエンティストは21世紀で一番セクシーな仕事だと聞いて(笑)ちょっと勉強してみようかと思い授業を取ってみたのですが、そこではいまいち面白さが分からなかったんですよね。この道を志すようになったのはKaggleで様々なコンペに参加して、『こんなことやれるんだ!』とデータサイエンス然りAIのポテンシャルに気づいて、これを仕事にしようと思いました。

喜久里:僕は前職で研究職だったのですが、研究分野の事情で閉塞感を感じることがあり、縁あってIT系メガベンチャー企業に転職し、分析組織に配属になったことがキッカケでした。それに、21世紀で一番盛り上がってる業界なので予算もあるだろうと思っていました(笑)

大野:現実的な理由ですね(笑)僕の場合は、中高時代に競技プログラミングをやっていて、いわゆるアルゴリズムを勉強するようなジャンルだったのですが、大学では物理専攻で数学の基礎を勉強してました。吉原さんと同じく学部4年生の頃に、ディープラーニングが流行り始めたので『プログラムも書けて数理的背景も理解していたら攻めやすそうだな』と思い、やってみたらすごく楽しくて。そこからデータに興味を持ちました。

徳永:僕の場合は、哲学を勉強しているなかで自分がやっていることに自信がなくなったんです。『この研究には意味があるのかな?』と思っていた頃に統計学の盛り上がり見て、数理的な基礎も含めて興味を持って、勉強するようになりましたね。僕は哲学のなかでも、確率や統計を考察・利用する分野にも触れていたので、研究を辞める時にも『データに関わる仕事ができればいいな』と思っていて、IT系メガベンチャー企業でも新卒で分析組織に入れて、データの道を進むことになりました。

大野:聞いていると皆さん同じで、データサイエンスというものを当時は研究していなかったですが、その場にいなくても盛り上がってるのが分かりましたね。 実際、僕のいた物理学科からも、就職してデータサイエンティストの道に行く人は多かった印象です。

ーー様々な背景でデータサイエンティストになられたのですね。本業もあるなかで、HogeticLabで複業を始めようと思ったのか、何かキッカケはありましたか?

吉原:メインで働いているのは医療系画像解析ベンチャーの方なのですが、CTOの方がすごく自由な考え方をされていて、むしろ複業を推奨しているんですよね。本業ひとつだけに絞っていると、同じ種類のデータだけを扱うルーティンになってしまうので、個人のスキルとして身につくものにも限界があって。そういう意味でも、複業を通して普段触れ合えないような違う種類のデータを扱ったり、そこで得る学びに魅力を感じたのが複業を始めたキッカケですね。あとは正直な気持ち、お金の面もあります。

一同:(笑)

徳永:それに尽きますよね。会社に所属していると、その会社の事業やプロダクトが基本になってしまって、どうしても領域としても限られてしまうものなので。複業は異なるドメインでスキルを伸ばすことができる、成長できるものなのだと感じています。

大野:お二人が仰ってることももちろんのこと、僕は本職ではデータエンジニアとして、データをうまく加工してお客様に届けるパイプラインを作る方メインなんですよね。データサイエンス寄りの業務を、あまりやれないことも理解して入社していたので納得はしていましたが、『データサイエンスの仕事をしたいな』と思っていたところに声をかけていただけたので、ジョインもすんなり決めました。本職だと業務が寄ってしまうので、自分の幅を広げたいという想いでしたね。

喜久里:技術の幅を広げたいというのは僕も完全に一致ですね。本業の会社では事業部付の分析組織に所属しているので、そのドメインでの成果にコミットする必要があったんです。『もっといろいろやりたいな』と考えた時に、分析コンサルへの転職なども考えましたが、本業で分析コンサルに行っても入り込み具合がイメージできなくて。そこで、事業に入り込みながらいろんな分野の分析に取り組めると思ったのがHogeticLabでした。


【複業を踏まえた工数管理と思いやりがチームを回す。『複業人材に優しい組織』の本音とは】

ーー本業の事業ドメインに縛られがちなところを、広く様々なデータに触れてスキルを得られることが魅力だったのですね。『複業人材に優しい組織』を掲げているHogeticLabですが、働いてみて感じた魅力はありますか?

吉原:まず思ったのは、本当にいろんなドメイン・スキルを持った人たちがいるということですね。僕はデータサイエンティストとAIエンジニアが専門ですが、逆にサーバーサイドのことは分からないこともあって。もしも規模の小さいスタートアップで働いたら、自分でやらなければいけない事態が沢山発生する一方で、HogeticLabでは異なるスキルセットで技術に詳しい人がいるので、チームとしてすごくスムーズに動けていると感じましたね。やっぱり個人個人が優秀ですよね。

徳永:あとは複業前提でプロジェクト管理をしてくれているので、短期間で無理にこれをやってくれということももちろんなくて。作業工数もプロジェクトの割り振りも考えたうえでプロジェクトとしての成果を出すという体制になっているので、しっかり行き届いていると感じます。

大野:僕はまだジョインして短いですが、複業メインの方が一定いらっしゃるので、安心してできる感覚はありますね。『今日ちょっと本業がきついな』と思えば調整してもらえますし、お互いの大変さが分かるからこその優しさがあると、この数週間働いてみただけでも感じましたね。

喜久里:まさに工数周りの配慮はすごく感じますね。僕はHogeticLabにジョインする前から複業をしたいモチベーションがあって探していたのですが、実際のところ営業がうまくいっていなかったり、成果提供という文脈でいうとモデルやPoCの結果を提供するだけであったり……。だからこそHogeticLabでは、異なるスキルセットの人とチームを組んでできることはすごくいい環境だと思いますよね。営業をしてもらい、エンジニアも巻き込める環境で事業に関わっている実感があります。

ーー本業と複業を比較した際に、時間の使い方やスキルの使い分けは意識されているところはありますか?

喜久里:僕は結構ノリなのですが(笑)時間に関してはトータルでは波がありますが、本業の業務量が多くなった際にも、前述の通りHogeticLabでは周りがすごく配慮してくれるので、うまく動けていると思います。みなさんは工数もバランスを取れていますか?

徳永:僕も正直、あまり意識していないですね(笑)

大野:僕は完全に皆さんとはじめましてだったので、自分のなかでは『この曜日に集中して仕事時間を作ろう』と棲み分けしようとなりました。あと、僕は本職ではデータサイエンス系の仕事が少なかったので、そこはちゃんとキャッチアップしつつ成果出そうと意識してやっていこうと思っています。

吉原:僕の場合は厳密に本業が存在しないので、学生をやりつつ、起業しつつ、AIエンジニアをやりつつ、HogeticLabで複業をやっているという……管理するタスクはたくさんあるのですが、どれも柔軟に対応できるようになっています。特にHogeticLabは工数管理も複業であることを理解した作りになっているので本当に働きやすいとは思いますね、四足の草鞋でもうタコみたいですが(笑)

ーーフルリモート下の中で、はじめましての方も増えていると思います。その点でHogeticLabの仕事のしやすさはどうですか?

喜久里:僕ちょうどHogeticLabにジョインしたのも新型コロナが流行りだした時期で、会社がフルリモートになって自宅との往復もなくなり、出社に要する1~2時間空きますし。それで工数管理しやすくなったところはあるかもしれないですね。

徳永:世の中的にも、オンラインミーティングで進めるのが当たり前になっていますよね。本業もそうですが、複業でも全然違うところにいる人とオンラインでプロジェクトを進められることも、HogeticLabでの仕事のやりやすさに繋がっていると感じます。

大野:たしかに、僕も本業がリモート前提になったので、30分だけHogeticLabのMTGを入れたい時も入れやすくなりました。逆に出社前提だったら、本業のオフィスで複業のMTGをするのはハードルが高すぎますし、夜まで待ってほしいとタイムラグが発生してやりにくかっただろうと想像しますね。もちろん新型コロナがツラいというところはありますが、ある意味追い風になってやりやすく仕事のしやすさに繋がっています。

吉原:むしろこれからは、この働き方がスタンダードになっていったらいいと思いますよね。僕に関しては新型コロナは関係なく、基本的にどこかに出社して仕事するということもなく意識もしていなかったですが、皆さんが言っているように工数管理含めて働きやすいと感じています。


【他の違う分野とくっついてこそ、未来のAIの価値がある。チームで考えるデータサイエンスの展望】

ーー最近は『AutoML(自動機械学習)の普及がデータサイエンティストを代替していく』といった意見も耳にしますが、データサイエンティストの視点からはどのように見えているのでしょうか?

吉原:僕の考えですが『AutoMLで仕事がなくなる程度のデータサイエンティストなら仕事なくなればいいんじゃないの?』と思いますけどね。

一同:かっこいい~~!

吉原:それにデータサイエンティストの業務フローのなかで、自動化できる部分は必ずあるんですよね。例えば同じようなモデルを書いて、回して、フィードバックをもらって、パラメータを少し変えて……実際に働いているデータサイエンティストから見ても、それは自動化できるに越したことがないと思います。

大野:むしろみんなそれぞれ自前のコードがあって、そこからどう深掘っていくか考えていくくらいのところはありますね。

吉原:秘伝のソースコードですね(笑)業界全体で見れば、Googleなどの大手テック企業が中心になって開発してくれるということは、プラスなことだと思いますし。仕事は結局残るとは思いますし、『出てきた結果を解釈できる人』という意味でのデータサイエンティストは、将来もきっと必要になるのかと思います。むしろ今の有象無象のデータサイエンティストを、健全にする効果があると思います。

大野:だからこそデータサイエンスだけではなく、他のジャンルも分かったうえで、適切にツールを使える人間になるべきだと思います。だからこそデータエンジニアも勉強していますし、幅広くいろんな方々と話せる人材でありたいと思います。その中でもAutoMLが安く使えるのであれば、ツールのひとつとして上手く使っていけばいいと思いますね。

喜久里:AutoML系のツールが活きるのは、主にマネージドサービスでメンテナンスがいらなくなるところだと思っていて。タスク設計やその他細かい調整は最初からAutoMLツールの型にはめるとツラいのですが、その部分は人がちゃんと試行錯誤しつつ、もし型にハマるのであればAutoMLに任せてしまってマネージドサービスとして運用で活用していく、というのは使い方としてひとつアリかだと思いますよね。面倒を見なくて済むのが本当にありがたいと思います。

大野:たしかにそうですよね。運用まで考えると、AWSやGCP上で上手く他のパイプラインと連携させることためには、相性の良いマネージドツールだと思います。

ーーそういった自動化ツールとの付き合い方も考えていらっしゃるかと思いますが、今後のデータサイエンスの展望について皆さんの考えをお聞きしたいです。

吉原:それ、昔どこか海外インタビューで聞かれました(笑)

一同:(笑)

吉原:僕の考えとしては、データサイエンス・AIが得意な分野って明らかに得意なものがあって。例えばクレジットスコアリングだったり、画像の簡単な分類問題であったり……『人がこれまでやっていたことを自動化する』といった意味でのAIの使われ方は、ある意味やられ尽くしつつあると感じています。今後AIが発展する分野はおそらく、他の分野との交わるところだと思っていて。最近ホットな分野だと『AI×医療』や、もっと違うものならば『AI×哲学』とか、他の違う分野とくっついてこそ、未来のAIの価値が出てくるのだと思いますね。

大野:僕の場合、機械学習やAIそれ自体の研究も面白いし、価値のあることだと思っていましたが、それらをツールとして使って、どこに活かせばいいかを考えることが今後大事だと思います。ちゃんと考えれば様々な活用の場面を作れると思うので、そうできるためにも複業して視野を広げたいと思いますね。

喜久里:僕も個人的には、モデル自体を作ることは省エネ化されている部分があると思っていて。一方でタスク設計が定型化されていない領域もあるので、そこはちゃんと切り分けつつ、捉えていかなければいけないと思っています。ただ、自動化している部分は実際に多いのでだいぶ捗る状況だと思いますが、それを役立てるという文脈だと、モデルを作ること以外にボトルネックがすごく多いと感じますね。だからこそ、エンジニアリングとの繋ぎ込みや、現場と馴染ませることが重要なトピックになると感じています。そこのボトルネックを解消できれば、うまく活躍できる場面が沢山あると思いますね。あと個人的な興味関心としては、これまで適切にタスク設計されていなかった領域に踏み込んでいくことも、面白いと思っていて。いわゆるR&D分野に近いのですが、よいタイミングがあれば掴んでいきたいと思っています。

徳永:僕も喜久里さんが最初におっしゃっていたことに共感していて。モデルを作るという部分は非常に発展していて、作れる人もある程度たくさんいて、かつ注目も行きがちだと思います。けれどもビジネスだと、もっと初歩的なところに課題があるんですよね。業務の中でどう変えていくか、どう効率化していくか、という部分が重要になると感じていて。そういったところをデータサイエンスと繋げて解決していけるような領域が、これから発展・発達していくと思います。自分自身もそこでバリューを出していきたいと考えていますね。


【世の中とユーザーに正しい価値を届けながら、一緒に『ワンランク上』を目指しませんか?】

ーーDXバブルと言われている昨今、実際にデータを活用したい企業側と、技術として提供する側の認識の乖離が結構あると思います。そこでユーザーの方々に伝えたいことは何かありますか?

喜久里:いろんな案件をやっていて、みなさん表計算ソフトをかなり使い込まれているなとは思います。

一同:(笑)

喜久里:もちろん個人ベースで利用するにはすごく便利で納得しているのですが、みんなでデータをいじるにはもっといいやり方もあると感じていて。なので、今までのやり方ありきで考えることは、一旦おいたほうがいいとは思いますね。

大野:それによってデータの利活用しづらくなっている部分は、たしかにあるかもしれないですね。データサイエンティストが何かする前に、まずそのデータを上手く使える状況に整える、ということが苦痛になっているように感じます。

喜久里:先ほど話したボトルネックの中にもこのあたりが紐づいていて、HogeticLab内では別のデータベースがデファクトになっているのですが、世間でもそういった形になると相当データの使い方の見通しが立ちやすくなるだろうな、とは思ったりしますね。

大野:表計算ソフトでとりあえず運用していると、何を参照しているのかどこが更新されているのか分からなくなりますからね……。逆にデータベース用意して上手く運用しようとしても、データエンジニアがいないと難しい部分もありますよね。みんなすぐにデータベースを使えるわけでもないので、アプリで見やすくするのもまた大変ですし難しいところです。あとは僕の興味の話になるのですが、データサイエンスだけではなくて、サーバーサイドからフロントまで分かっていると提案しやすくなるだろうと思って、勉強しているところですね。

吉原:フルスタックですねえ。

一同:(笑)

徳永:多くのDXをやりたい企業や個人でも、いわゆるAIに関するリテラシーが上がってくれば、不幸なすれ違いがなくなるとは思います。『AIって何でもできるでしょ?』という認識が、どうしてもあるところにはあると思うので。AIというものが概ねどういったタスクができるのか、どんな仕組みなのか、難しい数学の知識や技術も関係なく、そこを把握できていれば、もっと世の中が効率的に動けると思いますね。

大野:『魔法のように何でもできる』と思われているところはありますよね。

徳永:学校でもデータサイエンスを教育に取り入れるとか、概ね世の中のリテラシーはだんだん上がっていくと思うので、将来的には技術の利活用が進むのかな、とは考えますね。

ーー今後HogeticLabが拡大していくなかで、データサイエンティストチームとしてどんな人にジョインしてほしいと思いますか?

喜久里:『この領域は安心して任せられるよ』という方はすごくありがたいですよね、今はどうしても小さなチームなので、そこは大事だと思います。あとはいろんなお客様がいらっしゃるので、いろんな領域に興味を持てる方ですかね。この両方があれば僕たちはすごく助かると思います。

吉原:具体的な話にはなるのですが、コミュニケーションの観点で、自分が『ここどうなんだろう?』と思ったらすぐに言ってくれる人はいいですよね。小さなチームでやっているので、分からないことがあるときは分からないと周りに聞ける……一般的な話かもしれませんが。

徳永:たしかに、リモートだと何もできなくて前に進めていなくても、気がつきようがないですもんね。『実は煮詰まっていて一週間経ってしまう』なんてこともあるかもしれません。

大野:対面で同じ空間にいれば、適宜コミュニケーションをとって聞きやすいですが、そこはちゃんと意識しながらできることが大切だと思います。

吉原:むしろポジティブなところでいくと、HogeticLabに興味のあるデータサイエンティストに対しては、ワンランク上のデータサイエンティストになりたいなら入るべきだと思いますね。

一同:おお~~~!

吉原:僕自身、勉強しながら仕事させていただいているので、そういう意味でもこれは本音のメッセージですね。

大野:それぞれ専門領域をしっかり持っている人たちが集まっている組織なので、学び取りやすいですよね。だからこそ、ステップアップしたい人にもピッタリだと思います。自分のスキルを活かしつつ伸ばしたい人には良い環境だと思っています。

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