中目黒の『鮨おにかい+1』で店舗責任者を務める望月将(もちづき しょう)さんは、もとは誰もが知る銀座の名店で長く経験を積んだ鮨職人。肩書きにも安定感にもこだわらず、ベテラン職人が新たな環境にMUGENを選んだ理由とは? その挑戦の決め手となった思いと、MUGENに求められる人物像を伺いました。
鮨を極めるのに、場所を選ぶ必要はない
−誰もが知る銀座の名店。いわば安定を捨てて、MUGENに飛び込んだ理由は何だったのですか?
20歳で働き始めて10年以上その店で働いて、鮨の「さわり」の部分は全部やったと思えたんです。もちろん、その先に「極める」という一生ものの修業の道が始まるんですが、それは銀座じゃなくても良かった。極めるのに、場所を選ぶ必要はないと思えたんです。
江戸前の名店といっても大店だったので、ともすれば働き方がルーティンに陥ってしまう。私は現時点で強い独立志向は持っていないのですが、それでも職人として知識の幅を広げたい。それとただ握るだけでなく、経営や集客など、店舗の運営方法についても関心がありました。そういった面で、自分をさらに成長させてくれるのがMUGENという組織だと考え、2019年に入社しました。
−入社後は、思い描いた通りの働き方ができてますか?
とにかく刺激が多いですね。以前の職場で提供していた鮨は伝統的な江戸前でしたが、名店と言われる一方、実はやるべき仕事は決まっていたんです。メニューがほぼ固まっているというか、冒険の余地が少ないというか。
それに対して『鮨おにかい+1』では、コースで1万円のみという制約のなかでお客さんに最大限楽しんでもらうため、メニュー構成など考えに考え抜いています。座って2〜3万からの店とは「使う筋肉が違う」という感じです。
オープン当初はどう接客すべきかわからなかった
−お客さんに楽しんでもらう、とは、味とかコスパという意味合いですか?
もちろん、それもありますけど、おいしいのは当たり前だし、職人が技術をひけらかす必要はないというのが私の考え方です。
1万円という制約があるので、何でもかんでも最高級のネタを使えるわけじゃない。でもそこにさまざまな工夫を施し、職人が最大限のパフォーマンスを発揮することで、お客さんに価格以上の価値と喜びを提供できるはず。それがつまり『鮨おにかい』のコンセプトであり、「接客」なんです。
3万円の接客と1万円の接客はやっぱり違います。私はこれまでの経験から3万円の接客は知っていましたが、『鮨おにかい+1』のオープン当初は、どういう接客をすべきかわかりませんでした。定まっていなかったというか。そこをスタッフとともに作り上げてきました。
当たり前のことを当たり前にやる
−店舗の責任者としては、どういったことを意識されてますか?
細部のクオリティを大事にして、一切妥協せず、最大限のパフォーマンスを発揮する。こういうと堅苦しい感じがしますが、当たり前のことを当たり前にやるということです。そのうえで、お客さんに目一杯楽しんでもらいたい。そこはスタッフにも徹底しています。
−スタッフ、とりわけ職人に関しては、どういった人物がMUGENに向いているんでしょうか?
とにかく、何をやりたいか、どう成長したいか、明確にイメージを持っている人です。MUGENは、個人の目標に対して全力でサポートしてくれる組織です。いわゆる職人気質の世界とは対極にあるスピード感で会社やプロジェクトが動いていくので、やりたいことがある人にはぴったりだと思います。
独立願望がある人なら、数字やマネジメントなどを実務を通して学ぶことができるし、とにかく場数を踏める環境なので、経験が浅くともすぐに握りたい人にも向いています。
若手からベテランまで誰もが成長できる環境
−MUGENに転職、新たな環境に身を置いたことに満足していますか?
はい、やり甲斐あります。ただ、私自身、それなりの経験を積んできたつもりですが、内山(正宏)社長からは、「ここで満足するな」と言われています。さらなる事業展開へ向け、やりたいこと、やらなければいけないことが盛りだくさんです。
MUGENは個人の挑戦をとことん後押ししてくれる会社なので、当てに行かずフルスイングでとにかくやり切りたいですね。