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出張先の仁川空港での運命的な出会い~スカウトから採用まで

こんにちは!

株式会社CareCraft 採用担当の宮坂です!

弊社では、韓国で美容医療を受けたい日本人の方向けに、韓国クリニックの検索・予約・アフターケアをトータルサポートする「aroom(アルム)」というアプリサービスを行っています。


今回は弊社の営業担当であり、韓国支社のマネージャーとしても活躍しているデギュさんとCFO奈良さんの、空港での運命的な出会いから採用に至るまでのドラマのようなストーリーをお届けします。


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(ⓒ한국관광공사 포토코리아-김지호)


5月初旬の朝4時半、寝ぼけた頭で降り立った仁川空港はまだ暗かった。


韓国美容医療サービスを立ち上げてから早や1年が経とうとしており、渡韓も今回が4度目となる。慣れない韓国語での法人設立、賃貸契約などを済ませ、先月ようやく江南(カンナム)にオフィスを構えたところだ。

共に会社を経営している代表の廣田は韓国留学経験もあり、3日前より既にソウルに入っている。自分にとって今回が初めての単独出張だ。


出張には、羽田からの深夜便をよく使う。夜中2時に羽田を出て、朝4時すぎには仁川に着く格安航空だ。前日夜まで予定を入れることができるし、朝一の打ち合わせがあっても間に合う。身体に鞭打つのと引き換えに、平日の予定を邪魔しないことが何よりうれしい。


2時間半のフライトは、何の気なしにスマホを見たりしているうちにすぐに過ぎてしまう。軽く目を閉じて浅い睡眠を取り、眠い目をこすりながら朦朧とした頭でイミグレ-ションを抜けたころ、空港フロアはまだ閑散としていた。


向かうのは高速バスのチケット売場。中心地まで近いとは言えない仁川から江南のオフィスに向かうには、タクシーでは高くついてしまう。空港鉄道はソウル駅が終着のため、何度か乗り換える必要もあり面倒だ。その点バスなら、柔らかな革のシートを限界まで倒し、オフィス近くのバス停までもうひと眠りすることができる。


「早くバスに乗ってしまおう」そう考えながら足早に券売機へと急いだ。


(出典:コネスト) 


3つほど並ぶ券売機はどれも、自分と同じ考えの旅行者で長蛇の列だ。見慣れないハングル、似たようなバス停名、いくつもある複雑な路線に皆同様に苛立ちを覚えているようだった。

不安を抱えながらようやく自分の番が来た。何しろ、オフィスを構えてからというもの初めてバスに乗るのだ。人生何度目かのNaver Mapでの検索結果を信じ、降りるべきバス停名を探す。


・・・・・・・・ない。


想像してみてほしい。一昔前に一世を風靡した「カンナムスタイル」という曲があった。サングラスをかけてコミカルに踊る男性を、多くの日本人が一度と言わず何度も目にしたことがあるだろう。その反面、カンナムつまり江南という地名の英語スペルは「Gangnam」だということを、一体どれだけの人が知っているだろうか。

焦って日本語、英語、韓国語と思いつく限りの言語表示を行き来しながら目的地を探すが、焦れば焦るほど見つからないものだ。後ろに並ぶ旅行者たちの冷たい溜息が、痛いほど背中で感じられた。


冷や汗をかきながら目を向けた有人カウンターには「AM9:00~」と大げさなまでに書いてある。一度諦めて列を外れようと思ったその時、


「お姉さん、手伝いましょうか?」


と、唐突に流暢な日本語が耳に入った。驚いて振り向くと、一人の男性が立っていた。


『日本人?いや、韓国人だろうか…?』


戸惑いを隠せずにいた自分の脇をすり抜け、男性は券売機の前に立った。


「강남에 가는군요(江南へ行くんですね)」


私には聞き取れない韓国語を小声でつぶやきながら、慣れた手つきで操作する。驚いて眺めているうちに、あっという間に決済画面まで進んでいた。

慌てて行き先に間違いがないかを確かめ、クレジットカードを取り出し急いで決済を済ませようとした。・・・しかし、なぜだかカードが読み込まれない。


海外旅行にはVISAカードを持っていく。それは常識的なことだ。しかし、日本よりもキャッシュレスが進んでいる韓国で、自分のメインカードのAMEXが使えなかったことはない。油断しきっていたせいか、手持ちの韓国ウォンもほとんどない。ここまできて、再度チケットが買えない可能性を感じはじめた私は、出国前に両替を済ませておかなかったことを深く後悔した。


「それなら私が払いますよ」


男性からの思わぬ提案に、私は素直に甘えることにした。見るからに若い風貌ながらも、てきぱきと処理を進め、スマートに立替まで済ませる姿に、私はある種の感動まで覚えたのだった。

それと同時に降りてきた一つの確信があった。


『この子は絶対に仕事ができる』


自慢ではないが、自分の採用活動のキャリアは長い。新卒で入社した外資系投資銀行では、人事部でなく事業部単位で採用活動を進めるのだ。面接官を務めたことは100回近くあるだろうし、目を通したエントリーシートは1000枚を超えるだろう。

見知らぬ人が困っていることを察知し、頼まれたわけでもなく自ら動いてトラブル解決の手助けをする、それは簡単そうで簡単なことではない。自分自身の採用活動を通した人を見る目が、目の前にいる若者の「特殊性」を嗅ぎ分けた。


「うちの会社で働きませんか?」


次の瞬間、私は思わずそう口にした。考えるよりも先に言葉が出たと言っても良い。

できたばかりのベンチャー、新しい事業、まだハコだけ作ったばかりの韓国法人。この何もないところを切り拓いていくのに、うってつけの人材なのではと思えたのだった。


当然、男性は面食らって目を丸くしている。こんなところで採用活動が始まるなんて、思ってもみなかっただろう。驚きながらも興味を持ってくれている風の雰囲気を良いことに、私は早口で事業の内容をまくしたてた。

(ⓒ한국관광공사 포토코리아-이범수)


そうこうしているうちに、江南行きのバスは5分後に出発しようとしている。会社のこと、自分のこと、十分に伝えられたのか不安を抱えながら、一縷の望みを託してWantedlyのリンクを送り、私は彼に別れを告げたのだった。


***


「うちの会社で働きませんか?」


想像もしていない一言だった。久しぶりの日本旅行を終えて、幼少期から高校時代まで過ごした日本を楽しんだ余韻の中で、目の前で困っていた日本人観光客を助けただけ、そんなつもりだった。

深夜便であまり寝ることができなかったのだろう。明らかに疲れが残る雰囲気で、バスチケット一つを買うのに苦戦していた女性が、韓国美容医療事業を始めようとしているベンチャーの役員だなんて、思ってもみなかった。


悪い話ではない。いや、むしろ、とても興味がある。

実は自分には美容整形の経験がある。学生なりの限られた予算の中で、自分の希望を最大限に叶えることができるクリニックはどこなのか、どんな術式があるのか、できる限り調べつくしたつもりだ。


日本と韓国の両方で暮らした経験がある身からしても、美容医療なら韓国ということに絶対の確信がある。医師の技術力、執刀数、リーズナブルな価格、どれをとっても韓国は頭一つ抜けている。

しかし、日本語で情報を得るにはそれなりの障壁があるだろう。バイリンガルである自分が、韓国の美容クリニックを探す日本人の手助けができるのであれば、これ以上に嬉しいことはない。


それに加えて、自分は最近まで働いていたベンチャーの仕事を辞めたばかりだ。韓国では名の通ったITベンチャーではあったが、大きな組織の中で自分が成長していくイメージが湧きにくくなってきたところだった。

(ⓒ한국관광공사 포토코리아-김주원)


新しいチャレンジを始めるにはもってこいのタイミングではないか?自分の第六感はそう告げている。しかし、できたばかりのベンチャー、それも日本企業で、空港で偶然会ったばかりの人にスカウトされて・・・当然ながら不安はある。

まずは、先ほどの女性が送ってくれたWantedlyという日本の求人サイトを見てから考えよう。そう思ってリンクを開いた。


***


Wantedlyのアカウントを作ってから一か月が経った。ベンチャーは採用予算が限られている。一般的な転職エージェントに払うような成功報酬は、それだけで会社のキャッシュフローを圧迫するし、そもそも大企業に勝る条件を提示するのも難しい場合も多い。


「まず何よりも会社のカルチャーやミッションに共感して入りたいと思ってくれる候補者に会いたい」


そう思って始めたWantedlyは、何かの求人投稿が人気ランキング入りを果たしたのだろう、日々見きれないほどに多くの応募が届いていた。

そんな中、見覚えのある顔が一つ。


「あの時の…!」


李戴圭(イデギュ)、それが空港で出会った男性の名前だった。


彼のプロフィールを見ると、現役韓国大学生ながら韓国企業や軍で日韓通訳・翻訳業務を経験し、kakaoグループ企業でのFC管理や契約、海外営業の業務経験も持つ。まさにCareCraftにうってつけの経歴の持ち主。

早速連絡し、丸の内本社での面談を経て、彼は入社を決めてくれたのだった。


後から聞いた話だが、もちろん彼にも不安はあったと言う。

「興味はあるが、急に海外企業に飛び込めるだろうか。奈良さん一人に会っただけでは会社の雰囲気もわからないし…」


迷う気持ちは当然だ。しかし、


「Wantedlyのページを見て、韓国からでも会社の雰囲気を感じ取れた。また、若手でもやりがいのある仕事ができることがわかった」


それが応募する彼の背中を押したという。


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その後デギュさんは海外営業部のマネージャーに抜擢され、営業開始から1か月で多くの病院と提携を結ぶことに成功しました。


当時のCareCraftは、韓国クリニックとの提携を進めるために、営業や渉外担当が緊急で必要でした。偶然に偶然を重ねたまるでドラマのようなスカウトを経て、デギュさんという会社の即戦力を採用することができたのでした。


デギュさんの活躍もあり、2024年10月時点でaroomから予約可能な韓国のクリニック数は60院を突破し、ソウルに加えて釜山のクリニック掲載も開始しています。


またデギュさんの紹介を経て、韓国大学に留学中の日本人学生がインターン生として活躍しており、CareCraftを活気づけてくれています。

(韓国でのインターン生研修の様子)


会社の未来を大きく変えた、まさに運命的な出会いでした!

美容医療の需要が高まる今、若い世代から活躍できる環境で、私たちと一緒にaroomを盛り上げていきませんか?

新しい風を吹き込んでくれる仲間をお待ちしています!


興味を持った方は、ぜひ一度ご連絡ください!


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