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エンジニアの「つながり」がもたらすプロダクトの高品質化。プロダクト開発を支える社内コミュニティの挑戦
KINTOテクノロジーズでは現在フロントエンドエンジニアを絶賛採用中です!
2024年6月に入社したahomuさんがフロントエンド開発の現場の声を聞きに行く、という“フロントエンドエンジニアの仕事”をテーマにした対談企画も今回で最終回となります。
第3弾の今回は、ahomuさんとおなじタイミングで入社し、現在は社内エンジニアのコミュニティづくりを推進しているKINTO ONE開発部 新車サブスク開発グループの谷さんに、その現状や今後についてお話をお伺いしました。
なぜ谷さんは社内にエンジニアコミュニティが必要と考え、自らが率先して取り組もうと考えたのでしょうか。そこには谷さんが開発に向き合ううえで大切にしているマインドセットの存在がありました。
これまでのキャリアのなかで、エンジニアのコミュニティづくりに深く携わってきた2人。その対談の模様をお届けします。
▍佐藤歩(ahomu) IT/IS部
https://x.com/ahomu
Webシステムの受託開発企業でフルスタックエンジニアとしてキャリアをスタート。やがて、より専門的なノウハウを求めて、サイバーエージェントへと転職し、フロントエンドエンジニアとして、多くの新規事業の立ち上げ開発に携わる。同社では、事業や組織を横断してWebプロダクトの品質向上や技術的チャレンジを推進する「Web Initiative Center」を設立し、テックリードなどの要職も務めた。その後はスタートアップに技術部門の責任者として参画。2年の勤務を経て、2024年6月にKINTOテクノロジーズへとジョインする。当社へのキャリアチェンジを決めた理由は、自動車というモノを売る企業のデジタル化に可能性を感じたから。15年のキャリアで得た幅広い経験を武器に、モビリティサービスの拡大へと尽力する。SNSなどでは、「あほむ」というハンドルネームでも広く知られている。
▍谷郁弥 KINTO ONE開発部 新車サブスク開発グループ フロントエンドエンジニア
https://x.com/high_g_engineer
専門学校を卒業後、受託で開発を行っているシステム会社へと入社。5年ほどの勤務ののち、Web制作会社へと転職し、フロントエンドエンジニアとして数々のクライアントワークを経験する。その後、自社サービス開発会社でフロントエンドの開発業務や採用活動などに従事。KINTOテクノロジーズを志望した理由は、資金力のある企業で、課題解決に向き合う本質的な開発に従事したかったから。入社から半年とまだ短いキャリアながら、過去の経験を武器に、エンジニアのコミュニティづくりへと邁進している。
情報の風通しが良くなることを目指して取り組んだ、エンジニアのためのコミュニティづくり
佐藤:実は谷さんと私は同期入社なのですよね。
谷:はい、揃って2024年6月に入社しましたよね。まだ社歴の浅い2人がこのような場で対談しているとは、少し不思議な感じもします。
佐藤:それぞれが過去のキャリアのなかで、エンジニアのコミュニティづくりに従事した経験を持っているという共通点もあります。入社したタイミングで谷さんは、KINTOテクノロジーズ内のエンジニアコミュニティをどのように見ていましたか?
谷:個々のメンバーの能力は高い一方で、縦割りの組織にありがちな横のつながりの薄さは感じていました。それが当たり前となっていたことで、「消極的でも構わない」という雰囲気があったような気がします。
佐藤:実は私も入社当時、谷さんのおっしゃるような雰囲気を感じていました。とはいえ、メンバー間のコミュニケーションを遮る何かが存在しているわけではないし、むしろSlackが社内全体で活用されているなど、連携は取りやすい状況だったのですよね。
谷:最初に着手したのは、利用できそうなSlackチャンネルをアーカイブのなかから探すことでしたね。すると、たまたまフロントエンドの技術を社内で共有するために使われていたものが見つかりました。
佐藤:そうでしたね。それが入社してすぐの2024年7月くらいのことでした。なぜ谷さんは率先して、エンジニアのコミュニティづくりに取り組もうと考えたのですか?
谷:つながりを持つことの有用性を誰かが発信できれば、既存の風土を変えられるのではないかと考えたからです。ahomuさんや私の活動をきっかけに、一部の人の思考や行動が変われば、きっと良い循環が生まれるはずだと信じています。現在は、所属するチームにかかわらずフロントエンドに関わる誰もが参加できるSlackチャンネルを通じて、開発ノウハウの共有や勉強会の実施に取り組んでいます。
佐藤:そのSlackチャンネルには現在、どのくらいの数のエンジニアが参加していますか?
谷:20名ほどが参加してくれていますね。ただ勉強会になると、それぞれの都合もあり、出席者が10名ほどまで減ってしまいます。KINTOテクノロジーズには、30人以上のフロントエンドを主とするエンジニアが在籍しているはずなので、今後は全員に参加してもらえるようなコミュニティへと育てていきたいですね。
佐藤:手探りで進めてきたことが少しずつ実を結びつつある状況ということですね。まだ道半ばではありますが、手応えを感じているのではないですか?
谷:そうですね。まだ足りない部分ばかりですが、基礎のようなものはできてきたのかなと感じています。2人のあいだでは「きっとこうすればうまくいくはず」という感覚が、言葉にせずとも共有されていましたよね。コミュニティづくりにおける成功体験をそれぞれに持ち合わせていたことが、信じる道を進むための原動力となっていた気がします。過去の経験があったからこそ、半年という短い期間でここまでたどり着くことができました。
次なる課題はいかに価値を示せるか。
佐藤:先ほど、まだ足りない部分があるとおっしゃっていましたが、どのような点に課題を感じているのでしょうか。
谷:コミュニティの基礎ができあがってきた中で、実際のプロダクト改善にどのようにして繋げていくかが、今後の運営のテーマとなっています。一方で現状は、希望者が個々に空いているリソースを使ってコミュニティに参加している状況であるため、こちらから向き合い方を求めるのが難しいのですよね。何かしらの形でコミュニティが事業にプラスに働いたという成果を上げたいと感じています。もちろん答えはひとつではないと思います。
佐藤:コミュニティの存在意義が誰にでもわかる形で見えてくれば、活動も続けやすくなりますね。
谷:「私から参加者へ」という一方通行ではなく、「参加者から私」、さらには「参加者同士」といった双方向の対話が増えてくれば、自ずと成果は出てくると考えています。コミュニケーションの活発化、開発スキルの向上には、参加者がそれぞれに持つノウハウの開示が必要不可欠です。コミュニティの意味を全員が意識して行動してくれるとうれしいですね。根本のところにあるのは、ギブアンドテイクの精神なのだと思います。
佐藤:とはいえ、羞恥心などから自分の書いたコードを人に見せたくないと感じる方は多いでしょうね。その精神的なハードルをどのように解消できるかが、運営側の腕の見せどころだと思います。そこを越えられる人が増えてくれば、それぞれのノウハウが交換され、結果としてプロジェクトを横断したベストプラクティスのようなものが確立されていく。この点がコミュニティが示せる価値なのではないでしょうか。
谷:私もそう思います。コミュニティの発足、勉強会の開催はまだスタート地点です。少しずつ認知が広がっている実感はあるので、今後はより具体的な次のステップを見据えていきたいですね。あるべき姿へとたどり着くまで、もう一歩というところでしょうか。
すべては「プロダクト品質の向上」「ユーザー体験の良化」のため
佐藤:谷さんは、フロントエンドエンジニアという役割のどのような点に魅力を感じていますか?
谷:「技術の入れ替わりが早く、成長し続けられるポジションであること」「ユーザーとの距離が近いエンジニアリング領域であること」「数々のエンジニア職のなかでも、特に開発のキーになるポジションであると考えていること」が、フロントエンドエンジニアを続けるモチベーションになっています。
私がエンジニアとしてキャリアをスタートさせた頃は、バックエンドが起点となって開発が進んでいたような気がします。しかし最近では、良質なプロダクトを作るために、UI/UXやアクセシビリティなどに重きが置かれることも増えてきました。そのようなトレンドのなかで、より能動的に開発に向き合おうとするとき、避けては通れない道が私にとってのフロントエンドエンジニアという仕事でした。
このことは私がいま、エンジニアのコミュニティづくりに取り組んでいることともつながっています。Webアプリケーションのアーキテクチャに関心を持ち、リサーチを進めると、チームとして動くことの重要性が語られていました。本質的な開発を行うために必要な領域を掘り進めてきた結果、私はこの仕事にたどり着きましたね。
佐藤:確かにそうですよね。「フロントエンド」という職域を限定する名前がついてはいますが、ここ5年ほどでWebアプリケーション開発の全体を網羅する仕事に変わってきたような気がします。
谷:KINTOテクノロジーズでの開発に限っては、フロントエンドエンジニアがトヨタ販売店様や、社内のデザイナーとの接点ともなっています。サービス全体と深く関わる役割だからこそ、できることがまだまだたくさんあります。そのことが私のエンジニアとしての知的欲求を満たしてくれていますね。この仕事には大きなやりがいを感じています。
佐藤:社内における幅広い部署やプロダクトのなかで、どのあたりがフロントエンドエンジニアの主戦場になっていると、谷さんは考えていますか?
谷:部署によって活躍の場はさまざまです。フルスタックで開発にあたっているエンジニアもたくさんいますし、Reactベースのフレームワークを活用してLPの制作を専門にしているエンジニアもなかにはいます。フロントエンドエンジニアはどの領域でも足りていない現状があります。いかなる技術スタックであっても存分に活躍できるはずですね。
佐藤:谷さんから見て、どのようなフロントエンドエンジニアが当社にマッチすると考えていますか?
谷:どのような方でも活躍できる環境があると前置きしつつ、強いて言うならば、課題を嗅ぎつける能力に富む方でしょうか。私も当初はフロントエンドエンジニアとしてジョインしたのですが、現在では、自発的にフルスタックエンジニアのような働き方をしています。KINTOテクノロジーズはトヨタグループに属するエンジニア組織でありながら、ベンチャーらしさも兼ね備えています。だからこそ、能動的に問題を見つけ出し、すぐに解決のための行動を起こせるような方が価値を生み出しやすいのですよね。
佐藤:確かに、「課題ベースで柔軟に開発に向き合う」というスタンスは、プロダクトのクオリティにも直結する重要なマインドセットですね。「自身の担当範囲や能力の限界を決めてしまわず、いかなる場面でも当事者意識を持って最善を尽くす」とも言い換えられるかもしれません。このことは巡りめぐって、エンジニアコミュニティにおけるインタラクティブなコミュニケーションの起点にもなり得るような気がします。
谷:そのとおりです。ahomuさんと私が取り組んでいるエンジニアのためのコミュニティづくりも、「開発するプロダクトのクオリティを高めるため」「その先にいるユーザーの体験を向上させるため」という大目的へとつながっています。このような本質的な思考で開発にあたれる方がジョインしてくれたら心強いですね。