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キーワードは当事者意識。国内最大級Maasアプリ・my routeの開発メンバーが語る、唯一無二のやりがいとは?
KINTOテクノロジーズが手掛けているサービスは、「KINTO」のみではありません。社内では、さまざまなプロダクトの開発が進んでいます。そのうちのひとつが、行きたいをつなげる「おで活」アプリのmy routeです。今回のインタビューでは、my route開発グループ・プロダクトマネージャーの諸田さん、バックエンドエンジニアの楊さんにお話を伺いました。お二人がmy routeの開発に感じる魅力の裏には、事業会社や内製組織ならではの特色が存在していました。
■ 諸田 my route開発グループ マネージャー(PdM)
エンジニアとしてサーバーサイドやAndroidアプリの開発に従事。
航空会社のシステム子会社や経路検索サービス提供会社などでMaaS系のプロダクトの開発を経験。「モビリティカンパニーに生まれ変わる」というトヨタグループが掲げる変革への考え方に共感し、2020年11月、KINTOテクノロジーズに入社する。入社後は、これまでの経験を買われ、my route開発グループのプロダクトマネージャーに。my routeを魅力的なモビリティサービスとすべく、日々奮闘を続けている。
■ 楊 my route開発グループ バックエンドエンジニア
受託で開発を行うベンチャー企業でフロントエンドエンジニア、バックエンドエンジニアとして勤務。その後、当事者意識を持って開発に携われる環境を求め、KINTOテクノロジーズへジョインする。入社の決め手となったのは、KINTOテクノロジーズの技術レベルの高さと、働きやすい環境。エンジニアならではの目線からアイディアを提案し、my routeのサービス品質の向上に貢献している。
事業化を見据えて切られた舵。内製のメリットを期待され、KINTOテクノロジーズに渡されたバトン。
――まずmy routeの概要について教えてください。my routeとは、どのようなサービスなのでしょうか?
諸田:my routeは、移動に楽しさや自由をもたらすMaaSアプリです。「最適な移動手段の提示」「各交通機関やイベント、店舗などにまたがる予約・決済手続きのワンストップ化」「地域の特色を取り込んだイベント・店舗情報の提供」が主な機能で、「TOYOTA SHARE」や「TOYOTA Wallet」など、グループ内のさまざまなサービスとも広く連携しています。過去には社外のコンペティションで賞をいただいたこともありました。各事業者間に横たわるインターフェースを統合することで、ユーザーの体験価値の向上を目指すマルチモーダル・モビリティサービスですね。
――グループ内でmy routeへの取り組みがスタートしたのはいつごろのことですか?
諸田:my routeは2019年11月、福岡における実証実験を起点にトヨタ自動車内でプロジェクトが立ち上がりました。2020年4月には事業主体をトヨタファイナンシャルサービスへと移管しています。システム開発に我々が関わるようになったのもこの頃ですね。
my routeの開発は当初、社外のパートナーに委託する形で進められていました。ただそれはあくまでも実証実験のためで、今後事業化を目指し、改修が必要となっていくことを考えると、外注はあまり現実的ではないアプローチでした。
ちょうどその頃、KINTOテクノロジーズでは、内製開発組織化の効果が見え始めており、そのことがグループ全体にも周知されつつありました。システム開発の内製化にあたってKINTOテクノロジーズに白羽の矢が立ったのは、そのような背景があってのことですね。
過去のインシデントが体制づくり、設計の拡張性を考えるきっかけに
――my routeの開発は現在、どのような形で進んでいますか?
諸田:プロダクト推進のための定例ミーティングで改善事項を話し合い、その内容に基づいて開発が進められています。この集まりには、KINTOテクノロジーズだけでなく、トヨタファイナンシャルサービスのチームも参加していますね。サービスの軸となる機能はこの数年で完成したので、UXの向上と新しい仕組みへのチャレンジが今後のテーマです。サービスの質を向上させていくため、月に一度のペースでアップデートがリリースされています。
ともすると、KINTOテクノロジーズが開発を主導しているように見えてしまうmy routeの開発ですが、私は開発グループを社内の組織と考えたことがありません。トヨタファイナンシャルサービスとKINTOテクノロジーズの担当者が集まり、One Teamでプロジェクトの推進に向かっている感覚ですね。
――楊さんは主体性のある開発環境を求めてKINTOテクノロジーズへの入社を決めたそうですね。my routeのバックエンドエンジニアとして業務に携わるなかで、そのような感覚は得られていますか?
楊:my routeの開発には、フロントエンドやモバイルアプリ開発、QAなど、私たちのほかにも多くのエンジニアが関わっていますが、その全員が自身のスマートフォンにアプリのプロトタイプをインストールし、私生活で実際に使用する機会を設けています。最近ではそこから得た気づきをもとに、役割を横断して改善策を検討する機会も増えてきました。このような取り組み方ができるのは、事業会社、さらには内製開発組織ならではだと感じています。チーム内のコミュニケーションが活発化することで、開発には好影響が生まれていますね。
――my routeはこれまで、ユーザー向けにさまざまな施策を打ってきました。それらを企画・実施するにあたり、開発面で苦労した点があれば教えてください。
諸田:my routeがリリースされた当初、キャンペーンは開発グループが関与しないところで企画されていました。過去には、実施に不可欠な仕様が盛り込まれておらず、場合によっては調整が必要となったり、結果的に不具合を出してしまったりした例もありました。デジタルチケットの無料クーポンを発行したケースでは、楊さんに急ぎで対応していただいたこともありましたよね。
楊:そうですね。最近では、そのような場合にも柔軟に対応するため、設計に拡張性を盛り込むようにしています。もちろん日頃から密にコミュニケーションを取れていれば、このようなイレギュラーは発生しないのかもしれません。けれども、なにか理由があって避けられなかったときのために、不具合を出さないよう準備しておくのは、エンジニアにとって大切な心構えだと思います。
諸田さんが例として挙げた無料クーポンのケースでは、あらかじめチケットを購入していたユーザーが、自然災害の影響から当日その場所に行けなくなったことで、急ぎの対応が必要となりました。my routeが人の移動をベースにした設計を持つかぎり、こうした出来事は今後も起こり得るはずです。事前に共有が受けられるような体制づくりとあわせ、設計の拡張性にも常に気を配っておかなければならないという良い学びになりましたね。
諸田:対話や準備、スピード感のある対応が可能なのは、KINTOテクノロジーズが内製開発組織だからこそです。もし開発を外注していたら、現在のmy routeのユーザビリティはなかったと感じます。KINTOテクノロジーズ独自の文化や環境を生かし、今後もサービスの質を高めていきたいですね。
正攻法が確立されていないMaaSの領域。多彩な言語・クラウドサービスを取り入れ、ユーザビリティに全力で向き合っていく
――諸田さんはプロダクトマネージャーとして、my route開発の現在地をどのように認識していますか?
諸田:2020年4月からKINTOテクノロジーズが開発に携わるようになり、昨年までの約3年でUIのリニューアルに目処が立ちました。今後は第2フェーズとして、「ユーザーにどのようにアプリを使ってもらうか」という部分に注力したいと考えています。
これまでmy routeでは、すでに移動を考えているユーザーに対して情報や利便性を提供することが、my routeの生み出せる価値であると考えてきました。しかし、当初の目的である「ユーザーの体験価値の向上」を広い意味で実現するためには、そのような層以外、たとえば「時間はあるけれども、すべきことがない」というユーザーに移動への需要を喚起することも大切になってきます。2024年から2025年にかけては、そうしたポイントに主眼を置き、施策を検討していきたいですね。一定の成果が見えれば、事業としても次のステップに進めるはずです。
――お二人はKINTOテクノロジーズでmy routeの開発に携わる魅力をどのように感じていますか?
楊:暮らしをより良くするためのサービスを生み出せている点が1番の魅力です。ユーザーの声がダイレクトに聞こえてくる環境だからこそ、エンジニアは当事者意識を持って開発に臨めます。そのことはやりがいにもつながっていますね。私はそのような感覚で開発に携われる環境を求めて、KINTOテクノロジーズに入社しました。当時は迷ったり、悩んだりすることもありましたが、今ではあのときの決断が間違っていなかったことを日々実感しています。
また、技術的な観点では、my routeに紐づけられている技術が多彩であることにも魅力を感じています。さまざまなプログラミング言語、クラウドサービスなどに触れられる環境は、多くのエンジニアにとって刺激的なのではないでしょうか。新たな知識・技術を学ぶ機会にも恵まれているため、成長意欲が高い方には最適な環境だと思います。
諸田:my routeは、マイクロサービスアーキテクチャという手法によって開発されており、構成している各サブシステムが独立して動く仕組みとなっています。そのため、それぞれの箇所に個別の仕様を盛り込みやすく、このことが新たな技術にチャレンジしやすい風土を醸成しています。
「小さく始めて、大きく育てる」。これはKINTOテクノロジーズが全体の開発指針として掲げているスローガンです。この言葉に支えられているのが、my routeの開発だと私は感じていますね。
my routeが分類されるMaaSや交通DXは、まだ歴史が浅く、正解と呼べるアプローチが確立されていない分野です。だからこそ、開発に携わる私たちが当事者意識を持ち、ユーザーの体験価値の向上を本気で考えていかなければなりません。このことは時に大変さをともなう一方で、大きなやりがいにもつながっています。そうした状況を楽しめる方にとっては、替えの利かない環境となり得るでしょうね。この点こそがKINTOテクノロジーズ、さらにはmy route開発グループの大きな魅力だと感じます。
KINTOテクノロジーズ・my route開発グループは、バックエンドエンジニア、プロダクトマネージャーのキャリア採用にも力を入れています。私たちとともに移動の未来を変えていきませんか?ご応募をお待ちしています。