「可能性を発掘してシェアする」を経営ビジョンに、2014年に設立された株式会社K-FIRST(ケーファースト)。
主力事業は、ビル本来の価値を取り戻す「Re:ZONE(リゾーン)」。
築30年以上の築古ビルを個室のスモールオフィスに再区分し、リノベーション後にスモールビジネスオーナーに貸し出すサービスです。
ここ数年で37拠点まで数が増え、現在は「2026年に200拠点」という大きな目標に向かい、全社一丸となってチャレンジを続けています。
今回は「Re:ZONE」事業の躍進を後押しする、マーケティング部で働く錦織 玉枝(にしこおり たまえ)さん(社員歴5年目)に、仕事のやりがいについて伺いました。
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【インタビュー/ライティング】
株式会社ストーリーテラーズ
ストーリーライター ヤマダユミ
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マーケティングで夢の実現を後押し
錦織さんはWEBサイトの改善や、チラシ・メルマガ制作などを担当するマーケター。メインのマーケティング業務以外に、内覧や契約などのお客様対応のほか、契約に関する事務作業に携わることもあります。
「マーケティング部での仕事のやりがいは、データ分析の結果を施策に反映できることです。
業務を通じて、夢の実現を目指すお客様を後押しできるのも、醍醐味だと感じています」
一般的に、マーケティングは販売促進を目的とすることが多いですが、「お客様を応援する」とはどういうことなのでしょうか?詳しく伺いました。
未経験でマーケティングに挑戦
錦織さんの前職は、水道工事に関する申請業務の担当者。新しく水道管を敷地に引き込む際、必要な図面をパソコンで作成する仕事でした。マニュアルがあれば誰でもできる、簡単な業務だったといいます。
「子どもが大きくなり、ライフステージが変わるタイミングで、ふと『このまま今の仕事を続けて、理想の人生を生きられるのだろうか』と不安に駆られました。『この先自分はどうしたいのだろう』と自問自答するなかで見えてきたのが、『自分の力で人生を切り開けるようキャリアアップしたい』という想いでした」
一念発起して転職活動を始めた錦織さん。そこで見つけたのがK-FIRSTでした。
「元々不動産に関わる国家資格を持っていたので、不動産業界のことを身近に感じていました。当時の募集職種は一般事務でしたが、通勤時間や労働時間などの条件面に惹かれて面談を受け、採用していただいたんです」
入社当時のK-FIRSTは、錦織さんを含めて社員が5名しかいない、まだまだ規模の小さな組織でした。契約書の手配や火災保険の発行などを担当し、毎日忙しく働いていたそうです。
そんなある日、田中社長の一言がきっかけで、錦織さんのキャリアにさらなる変化が訪れます。
「コンサルタントに提出する、分析資料を作ってもらえませんか?」
当時、経営コンサルタントと連携して、集客施策を打っていたK-FIRST。コンサルティングを受けるにあたり、お客様の属性や傾向など、さまざまなデータを必要としていました。
データ分析業務の経験はなかった錦織さんでしたが、手探り状態のなか、求められるがままに必死に資料を作成したといいます。
「データを集計・分析するためにExcelを使いましたが、当時の私は『SUM(合計)』くらいしか関数が使えなくて…。周囲に教わる人もいなかったので、ネットで使えそうな関数を探して、試行錯誤しながら作っていました。
逐一さまざまなデータを求められたので、半ば強制的にインプットとアウトプットを繰り返していましたね。そのうち徐々にできるようになっていきましたが…はじめは本当に苦労しました」
独学でデータ分析のスキルを磨いた錦織さん。その後の分析結果から、「『Re:ZONE』には行政書士のお客様が多く、特にある時期に問い合わせが多い」ことが判明しました。
「調べてみると、問い合わせが増える時期の直前に、行政書士試験の結果発表が行われていたんです。分析・調査内容を田中社長に報告したところ、士業の方向けの特設サイトを作ることになりました。データ分析の結果が新規施策の取り組みに繋がり、とてもうれしかったのを覚えています」
こうしたデータ分析の結果は施策の立案だけでなく、「営業活動の参考になれば」と社員全員が集まる定例会議でも情報共有されています。
学びと勇気を与える「入居者の声」
現在の錦織さんの業務内容は、データ分析の先にあるWEBサイトの改善や、チラシ・メルマガの制作へとシフトしています。業務内容が変わったことで、これまでとは違ったやりがいも感じるようになったそうです。
「WEBサイトで『入居者様の声』を紹介しているのですが、コンテンツ制作の際に入居者様にお話を伺うことで、私自身が刺激をもらっています。入居者様あるいは事業の魅力的な部分やお話から得た学びは、そのままWEBサイトで紹介しています。」
と錦織さんはいいます。
一般的なWEBサイトで見かける「ユーザーの声」は、「サービスを利用した所感」をメインに紹介しています。しかし、「Re:ZONE」のWEBサイトでは、サービスへの感想だけでなく、創業のきっかけやこれまでに苦労したことなど、入居者自身にフォーカスした内容が多く掲載されているのです。
「入居者様の背景まで知っていただくことで、これからビジネスを始めるお客様に、『Re:ZONE』で夢を叶える未来をイメージしていただけるのではないかと考えています」
実際のWEBサイトでは、創業から現在に至るまでの入居者の実体験が、赤裸々に綴られています。夢を叶えるために一歩踏み出す人にとって、学びになるだけでなく、勇気を分けてもらえるようなコンテンツとなっています。
K-FIRSTのミッションは「可能性を発掘する」こと。築古ビルをリノベーションし、本来の価値を再発掘する「Re:ZONE」事業を通して、新たな可能性を秘めたビジネスを発掘するサポートもしているのです。
K-FIRSTで得た、新たなキャリアとマインド
「私は口下手で、意見を伝えるだけでは人を動かすことはできないと感じています。でも、数字とデータには人を動かす力がある。マーケティングの力を借り、グラフなどで可視化することで、少しずつですが説得力のある提案ができるようになってきたと感じています」
そう控えめに語る錦織さん。その言葉の裏には、0から積み上げてきた実績に基づく、密やかな自信が感じられました。
入居者のお話を伺ううちに、錦織さんは「夢を実現するために、全員が未来を見据えて行動し続けているのだと気がついた」といいます。
その挑戦者の姿勢には、過去の錦織さんと重なる部分が感じられました。「自分の力で人生を切り開けるようキャリアアップしたい」と転職し、未経験でマーケティングの道へ。慣れない業務にも試行錯誤を続けた結果、まったく思い描いていなかった未来を今歩んでいます。
さらに、錦織さんが手に入れたのはキャリアだけではありません。日々変化していくK-FIRSTで働き続けた結果、「変化への耐性ができた」といいます。
「以前は、自分自身を『変化に対応するのが難しい性格』だと思っていました。でも、K-FIRSTで働いていたら、さまざまな変化に柔軟に対応できるようになっていたんです(笑)
今では、プライベートでも新しいことに挑戦できるようになりました。ふと思い立ってムエタイ教室に行ってみたり、一人で能登半島をぐるっと一周ドライブしてみたり。変化が苦じゃなくなったら、新たな経験を楽しめるようになりました」
と錦織さんは笑顔で語りました。
現在、マーケティング部は経験者が加わり、チームメンバーが5名に増えました。錦織さんは「日々経験者メンバーから学び取っている最中だ」といいます。
「今後は分析結果とお客様のニーズを重ね合わせ、社内の各部署とも連携し、新たな施策提案をできるようなマーケターになれたらうれしいです。
また、入居中あるいはこれから入居されるお客様の夢の実現を、サービスを通して後押ししていきます」
「可能性を発掘する」をミッションに、事業を通して入居者のビジネスを力強くサポートするK-FIRST。「夢を叶える」という強い想いが集まる場所から、今後どのようなインパクトが生まれていくのか目が離せません。