前回に引き続き、転職者・採用担当者双方の視点から“理想の転職”を成功させる極意を探ります!
クライアント企業のDX実現に向けて、アプリケーション開発からインフラ設計構築、システム運用保守までワンストップで手掛ける株式会社トップヒルズ。
2020年10月に同社に転職したインフラエンジニアのYさんは、二人の子どもを育てる二児の母でもある。
派遣社員としてデータベース保守などを担っていたが、コロナ禍を機に安定雇用を求めて転職活動をスタートした。
「転職をして正社員になるだけでなく、入社後にはチームを率いるリーダーにもなれました」
と話すYさん。転職活動スタート時には考えていなかった「キャリアップ」までかなったと振り返るYさんの転職成功の秘訣とは?続編スタートです!
日常会話から浮かび上がる「人間力」こそが、採用の決め手
ーー次に、五十嵐さんに質問です。五十嵐さんは、トップヒルズの採用面談において何を最も重視していますか?
五十嵐:社内外の人と、気さくな雰囲気で言葉が交わせるコミュニケーション力です。仕事は複数の人と一緒に進めるものですから、お客さまとも社内のメンバーともきちんとコミュニケーションを取れる人かどうかは、スキル以上に重視しています。
そしてもう一つが仕事に対するスタンス。
実は、私がトップヒルズに入社したときの職種は営業事務でした。まさか自分が取締役になるとは思ってもみませんでしたが、今振り返れば、自分の責任範囲はここまでと線を引くことなく「できる仕事の範囲を広げたい」と無我夢中で目の前の仕事に向き合っていた点が評価されたのだと思います。成果につながるかどうかは関係なく、仕事への真摯で前向きな姿勢が、周囲の信頼を集めたのだろうと。
Yさんとお話する中でも、似たような考え方をされていたので、Yさんならチャレンジをいとわず仕事に向き合ってくれるのではないかと感じました。
チャレンジには困難がつきものですが、そうした山を乗り越えなければエンジニアとしてのスキルやキャリアも得られませんからね。
ーーYさんのコミュニケーション力はいかがでしたか?
五十嵐:とても高いコミュニケーション力に加えて、会話を通じて、信頼できそうな人だとも感じました。
私は面談ではあえて定型的な質問はせずに、日常会話をするようにしているんです。中には面接用の自分を作り込んでくる方もいるのですが、日常会話を続けていると、だんだんと嘘がつけなくなってきますから。
その点、Yさんは私が投げかける質問に対し、「自分はこう考える」とざっくばらんに答える姿が印象的でした。自分をよく見せようとした言葉ではなく、「こんな風に物事を捉える私はトップヒルズにマッチするのか。成果を出せそうか」と前のめりで判断をあおぐような話しぶりで、といったら大袈裟かもしれませんが(笑)
会話自体は特別なことを話したわけではなかったと思うのですが、自らオープンマインドになり、自分の言葉で丁寧に話す姿に誠実さや仕事に対する覚悟が滲み出ていました。
こうした高いコミュニケーション力と仕事への覚悟がある方であれば、成長する過程でぶつかる壁に負けず、周囲の人の協力を得ながら乗り越え、成長を手にしてくれるだろうと強く感じました。
ーーYさんが念入りに準備をしてきたという「職務経歴書」はいかがでしたか?
五十嵐:とても分かりやすくまとまっていました。
細かく書かれていたので、経験やスキルをしっかり把握することができましたし、面接ではそれをベースに話すことができたのでより深い話を伺えました。
私自身は経歴を重視していませんが、書類に書かれていない点について丁寧にお話をしてくれたことも好印象でした。後の選考過程でもプラスに働いたのは間違いないと思います。
Y:そう言ってもらえて良かったです。職務経歴書に書ききれなかった部分は、口頭で話せるように自分の中であらかじめ整理をしていました。
120%の準備をしてきたからこそ、面接にも自信を持って望むことができたのだと思います。
子育て中の女性でも、キャリアアップできる環境がある
ーーYさんが「転職でかなえたかったこと」は、トップヒルズで実現できていますか?
Y:はい。正社員という安定した雇用形態だけでなく、女性エンジニアとしてキャリアアップしたいという希望は、トップヒルズで存分にかなえられています。
トップヒルズに入社するまではマネジメント業務を経験したことはなかったのですが、今は常駐先のインフラネットワークの保守運用プロジェクトでリーダーを任され、新卒社員を含めた6人のチームを任せてもらっています。
五十嵐:Yさんはチームにジョインして2年でリーダーになりましたよね。クライアントはじめ、持ち前のコミュニケーション力を生かし、次々に問題解決してくれるところが評価されたと聞いています。
実はYさんが担当しているプロジェクトは、以前はあまりうまくいっていなかったのです。ところがYさんがジョインし、クライアントはじめ、常駐先にいるほかの協力会社のエンジニアと密に意見を交わしてくれたおかげでコミュニケーションが円滑に進むようになりました。
当時のリーダーと一緒になって、複数混在していた問題を解消し、お客さまからの信頼を再び獲得してくれました。本当に期待以上の活躍をしていると思います。
ーーエンジニアとしてのマネジメント業務は初めてとのことですが、心掛けていることを教えてください。
Y:そうですね、今は本社や現場の皆さんに助けられつつ、自分の持てる力を可能な限り注ぎ込んでいる状態です。そんな中で大事にしているのは、メンバーの事情をきちんと知った上で、その人に一番適した環境を提供すること。
例えば、出勤が遅れがちのメンバーがいた場合、何か事情があるかもしれないのでさりげなく話を聞きます。その結果、朝の出勤が難しい事情があるのであれば、そのメンバーのシフトを遅めに調整するなどの対応をします。
型にはまったやり方を押し付けるのではなく、どのやり方がその人にとってベストかを常に考えるようにしていますね。
ーー採用時に評価されたコミュニケーション力がとても生かされているんですね! 最後に今後の目標をお聞かせいただけますか。
Y:今は運用側の業務を担当しているので、将来的にはインフラエンジニアとして構築の業務も経験してみたいです。トップヒルズにはクラウドシステムを構築する案件があるので、スキルを磨いた後に関われたら嬉しいです。
キャリアに関しては、やっぱりこれからも五十嵐さんを目標にしていきたいです。身近にロールモデルとなる方がいるのは本当に心強いです。母業との両立は大変ではありますが、1日24時間という限られた時間の中で「どうしたら私も周囲の人たちも楽しく暮らせるか」を考えながら、働き続けていきたいなと思います。