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【Dr.コトー診療所の漫画家:山田貴敏先生と、AMI代表:小川の対談が実現】遠隔医療の未来を語る

こんにちは。AMI株式会社事業企画部の髙群です。

私たちAMI株式会社(以下、当社)は、"急激な医療革新の実現"をミッションに掲げ、超聴診器※1(心疾患診断アシスト機能付遠隔医療対応聴診器)の研究開発や、遠隔医療サービスの社会実装を目指す研究開発型スタートアップです。Wantedlyでは、皆さんに「AMIってこんな会社なんだ」と知ってもらえるように、イベント登壇や研究開発の取り組みの様子などを発信しています。


今回はなんと!離島医療を描いた人気コミック『Dr.コトー診療所※2』の作者 山田貴敏先生と当社代表取締役CEO 小川との対談が実現しました。

2022年5月某日、当社のメンバーが下甑手打診療所へ訪問し、島内の集落と下甑手打診療所を繋いで遠隔地から聴診を行う「遠隔聴診」の実地検証をしました。その際、下甑手打診療所の院長である齋藤学先生に山田貴敏先生を紹介いただき、この対談が実現しました。

→その時の記事はこちら

今回、山田先生には当社開発中の「超聴診器」や、DtoD(Doctor to Doctor)遠隔医療サービス「クラウド超診※3」の一部である「遠隔聴診対応ビデオチャットシステム」に触れてもらい、最先端の遠隔医療を肌で感じてもらいました。

それでは本題「超聴診器」と「離島医療の未来」について対談した内容をお届けします!


当社代表取締役CEO小川 × Drコトー診療所作者山田貴敏先生の対談



*撮影時のみマスクを外しています

写真左:当社代表取締役CEO 小川 晋平
自己紹介 記事はこちら

写真右:漫画家 Dr.コト―作者 山田 貴敏
1959年岐阜市生まれ。『Dr.コトー診療所』で、単行本は売り上げ部数累計1,200万部を超える大ヒットを記録。テレビドラマ化もされ、さらに2004年度、第49回小学館漫画賞一般部門を受賞。無類の動物好きとして知られる。

超聴診器の可能性と超超医療(敬称略)

小川:現在私たちは「超聴診器」の研究、開発を行っています。「超聴診器」の正式名称は、各種バイタルサイン計測機能搭載大動脈弁狭窄症自動診断アシスト機能付遠隔医療対応聴診器です。心筋活動電位の発生タイミングをトリガーにして心音を合成するという方法で、心音の自動診断アシスト機能の実装を目指しています。

山田:MRIやCTなどの検査機器とは違うのですか?

小川:「超聴診器」は、心エコー検査(心臓の超音波検査)と聴診器の間のようなイメージです。心臓に病気があるか、心エコー検査の必要があるかを簡単にスクリーニングすることを想定しています。

山田:僕も遠隔医療のことを漫画で書いたことがあります。そこで一番気になったのは、遠方の患者データをどうやって送るか、ということでした。より多くのデータを送れる方法があればいいな、と思いながら漫画を書きましたが、これ(超聴診器)はかなり近いんじゃないかと思います。もっと色々な事ができる可能性があるんじゃないかとついつい欲張りに思っちゃうんですけど・・・

小川:私たちが目指す遠隔医療は、様々なメディカルデバイスと連携することが必要だと考えています。その中の一つがこの「超聴診器」というわけです。

山田:ここまでは僕も想像できたんです。心エコー検査も、具体的なデータが飛ばせるんじゃないかぐらいのことは思ってました。例えば、患者の心臓が動いている動画を見て、心臓の形からどこに問題があるか、実際に冠動脈がどう詰まっているのか、などを発見できたらすごいニュースだと思います。それは難しいですか?

小川:可能性はあります。「AI vs 人」で誰の心音か判定する社内テストをしたんですけど、AIはすぐに誰の心音か言い当てることができました。この延長線上で、できると想定しています。そのほか、色々な試みも考えています。

山田:「超聴診器」は、内臓でも使える可能性があるのではないですか?要するに、腸が動く時の音は、耳では拾えないけど「超聴診器」なら音を拾える。腸閉塞があった場合も、瞬時に判断できる。実際にエコーを当ててみると閉塞している、というような。そういった使い方もありなんじゃないですか。

小川:そうですね、腹部臓器も時間をかければいろんな可能性があると考えています。

山田:音というのが、凄く未知な部分なので、これからもっと色んな部位のデータを集めることができたらシェアを拡大できると思います。

小川:イメージとしては"ドラえもんのお医者さんカバン"。これを身体に当てれば病気がわかる。
そういった世界観が作れたらいいなと考えています。

山田:確かに患者自身で機器を当ててもらい、それだけで人間ドックが簡単に済むようになればいいですね。そして、超聴診器で得られたデータを集める集積所をきちんと作ることで、熟練した医師の様に診断結果をフィードバックできるような仕組みも開発されるのではないかと考えています。

生体音をもっと研究し、こういう場合はこういう音が聞けるっていうことをデータ上証明し、医学論文で発表していくことで、もっと需要が高まる。だから、今のところこれは「超聴診器」だけれども、それができれば、超医療ですね。それが遠隔でできれば、超医療を超えて超超医療です。

小川:はい(笑)近い将来山田先生の考える超超医療までいけるようにまだまだ頑張ります!

当社が現在開発している「超聴診器」でデータを取得している様子

医師と医師が繋がる未来

山田:こういうこと言うと誤解されるんですけど、1人の医師ができる範囲って決まってますよね。でも「超聴診器」を医師が持てば、色々な人のデータが瞬時に集まり、フィードバックをしてもらうことで医療の質の向上に繋がる。そうしたメディカルデバイスを用いて、医師と医師が繋がり、即座にコンサルトできる環境が作れるといいですね。

小川:5年程前に下甑島の瀬戸上先生※4に会いに行ったことがあります。医師としてではなくて、離島医療を学びたいという目的です。今後の離島医療についてディスカッションをしました。瀬戸上先生が行う離島医療は、1人のスペシャリストが全ての診療科の患者(ペースメーカーや内視鏡等)対応をするものでした。瀬戸上先生に私が考える遠隔医療の構想、例えばDoctor to Doctorサービスやクラウド総合病院構想など、全国の医師がクラウド上にいて総合病院と同じように医師が患者と関わるようにしたいという話をしたら、瀬戸上先生は、「それが今後の離島医療の在り方かもしれない」とおっしゃっていました。
また現下甑手打診療所の院長である齋藤学先生に先日会った際も、これからの離島医療のことを話し、"医師と医師がITを通じて連携し繋がっていく未来”という世界観に共感してくださいました。


今回の対談で、山田先生が理想とする離島医療の姿は、当社と近しいものを想像しているのではないかと感じました。


遠隔聴診対応ビデオチャットシステム体験している様子

キーワードは早期発見

山田:僕もDr.コトーを書きながら離島医療について考えてきました。僕が最初に漫画を書き始めた頃と比較すると、現代の医療はとても進歩しています。例えば乳がんに関して言えば、10人に1人なるといわれてたものが、3人に1人になるという時代になってきた。これはマンモグラフィの代わりとなる検査機器が増えてきたことが理由だと思います。早期発見ということが一つのキーワードになるとしたら、それに1番近い機器になればいいと思う。

小川:そうですね。そういった役割を担う機器の開発に向けて一層努力していきます。


当社の「超聴診器」と「遠隔聴診対応ビデオチャットシステム」が、今後の離島医療とどう関係していくのか熱く語っていただきました。元医療従事者としてだけでなく、一漫画ファンとしても胸が熱くなる展開でした!

現在日本では、医師偏在や地域の医療格差など、深刻な問題を抱えている自治体が増えてきています。そういった課題に対して私たちは、誰もがどこにいても質の高い医療を受けられるように、医師やメディカルスタッフを支えるソリューションを磨いていきます。

最後まで読んでいただきありがとうございました。


※1 「超聴診器」は医薬品医療機器等未承認のため、販売、授与できません。

※2 『Dr.コトー診療所』(ドクターコトーしんりょうじょ)
山田貴敏による漫画。2000年から『週刊ヤングサンデー』(小学館)で連載を開始し、単行本(小学館ヤングサンデーコミックス)は1200万部を超える大ヒットとなっている。2003年には、フジテレビ系列でドラマ化され、2006年には新シリーズが放送された。

(あらすじ)
五島健助は優秀な医師で、東京の大学附属病院に勤めていたが、とある理由から離島の古志木島の診療所に赴任する。島は3ヶ月の間無医村状態で、過去に良い医師が来たことがなかったからか、あまり歓迎されなかった。
実際になかなか患者が来ない中、島に来るときに運んでもらった漁師・原剛利の息子が最初の患者となり、これを見事な手術で助ける。原は、お礼として診療所に看板を贈るが、名前を間違えられていて、看板は「Dr.コトー診療所」となっていた。
それ以後、五島は多くの患者の治療とその人柄により、島民の信頼を得ていく。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

※3 クラウド超診
ドクター to ドクターのメディカルデバイスを組み合わせた遠隔医療支援サービスの名称。遠隔聴診サービス、ホルター心電図解析サービス、遠隔医療相談の3本柱からなる、遠隔医療現場ニーズに即した医師支援型のソリューション。

※4 瀬戸上 健二郎 医師
鹿児島県薩摩川内市下甑手打診療所前所長。昭和16年、同県東串良町生まれ。鹿児島大医学部卒。鹿児島大第1外科、国立療養所「南九州病院」勤務を経て、昭和53年から平成28年9月末まで同診療所長。離島・僻地医療の充実と向上に精力的に取り組む。離島医療をテーマにした漫画・ドラマ作品「Dr.コトー診療所」のモデルになった。
出典:日本医師会赤ひげ大賞受賞時の資料


Dr.コトー診療所 公式版(1) Dr.コトー診療所 (ヤングサンデーコミックス)
https://www.amazon.co.jp/dp/B00I975HMM/ref=cm_sw_r_cp_api_TQCGFD0ZHNWT4YFBVN7B


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