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沖津美邑さん / 須貝邸1代目女将「憧れを諦めたくない、ビビッときたらやってみる」

須貝邸1代目女将、私とは同じ大学の同期であり、戦友
新庄村の先輩村人でもある沖津さんに、今一度。

背筋をぴしっと正して、インタビューして来ました〜!

なかなか興味深い内容になっているんじゃないかと思います。
どうぞご覧あれ〜〜



プロフィール

沖津美邑(おきつみゆ)

1996年、徳島県板野町 生まれ

さまざまな視点や要素を組み合わせた新たな物事づくりをめざした屋号「montage」の名のもと
デザイン・ふるさと納税・須貝邸に関わる仕事を中心に行なっている。
歴史ある古民家の維持活用を目的に、新たな民泊施設を企画中、近々開業予定。


岡山県立大学デザイン学部
デザイン工学科 建築・都市デザイン領域 卒。

在学中に、古民家をリノベーションしたプロジェクトに興味を持ち
新卒で岡山県新庄村の地域おこし協力隊に就任。

村の観光プロジェクト第1段として、築100年以上の古民家を改修した
「新庄宿_須貝邸」のスタートアップメンバー。1代目女将。

任期3年満了後(フルタイム)さらに、1年間の任期延長(パートタイム)を経て
個人事業「montage」を起業。




ーーー さっそくですが、専攻領域で考えれば建築事務所とか、そういう場所に就職する方が多いと思います。その中で、しかも新卒で「地域おこし協力隊」を選んだのはどうしてですか?

大学時代に学んだことを活かせつつ、面白そう!と感じることがしたい…と思って調べていたら、偶然見つけたのが全国の協力隊募集を紹介しているサイト(https://www.iju-join.jp/cgi-bin/recruit.php/9/list)でした。

もちろん他の一般企業も、インターンや採用に応募してはみたんですけど、協力隊である方が幅広く色々なことに挑戦できそうだなと思えたことが1番の理由です。


ーーー エネルギッシュな沖津さんらしい選択ですね。では、「古民家をリノベーションしたプロジェクトに興味を持った」きっかけは何なのでしょう?

昔から、日曜朝放送の『渡辺篤史の建もの探訪』が大好きだったんですよね。皆さんご存知の某リフォーム番組もよく観ていました。

特に学生時代は、古道具・古着屋さん巡りも趣味でした。建物に限らず、1つの「もの」を生まれ変わらせ、受け継いでいくような取り組み・その物自体にかなり惹かれる性分なんだと思います。その頃に買ったもので、既存のものを活かした小屋の写真集は、今でも宝物です。







ーーー 確かに!日頃の言動からも、その「好き」はとても伝わってます笑
それじゃあ、そもそも大学で建築を学ぼうって思った理由も知りたいです。

高校生の時、『建築家/安藤忠雄著』という本との出会いがあったからです。

そこで初めて「建築意匠(建築物を美学的に捉え芸術的意義を追求する考え方)」を知って衝撃を受けました。「もの」ではなく「空間」でも心が揺さぶられるなんて…といった感じに。この本がきっかけで、1番自分が学びたいと思うものが建築になりました。


ーーー すごい、人生を左右した一冊だ。個体というか物体的世界に焦点が合っていた状態から、構造・環境的世界に視野が広がった瞬間の感動があったんですねえ。

視野の広がりはあったかもしれませんね!

デザインという行為によって、芸術と実用性が共存出来ている事に感銘を受けるとともに、今まで好きだったもの(家の番組など)が何故好きなのか、理由を言語化できるようになったような気がします。新たな共通言語を学んだような感覚にウズウズしていたのがまだ記憶に新しいです。


ーーー おお~~!…では改めて最初の質問に少し戻りますが、そう意思強く建築を専攻して、どう「宿泊業」「女将」というお仕事に活かせそうだと思ったんですか?

建築を専攻することで、空間づくり手法の引き出しが増え、これが結果として宿泊・接客業に活かせているのではと感じています。とはいえ、最初から活かせそうだと感じていた訳ではなくて…。

実は「女将」という言葉も、協力隊として私が何をやっているのか分かりやすいということ、そして何よりキャッチーなので途中から使い始めました。

宿泊は、土地ならでらはの体験を商品としてパッケージ化したもの。お客様の五感に響く商品を作り出す為には、接客やコンセプトに合った空間づくりなどの総合的な魅せ方も重要な「おもてなし」です。
これはデザインを学んだことで得られた感覚だとも思っています。



ーーー 「須貝邸」というミッションの中で、苦しかったこと・難しかったこと、色々な葛藤もあったんじゃないでしょうか。よければ教えてください。

仕事と生活のバランス感に悩んでいましたね。
協力隊2年目の時、GoToトラベル事業のおかげさまで須貝邸にお客様が殺到するようになったのですが、突然の人気に私1人では手が足りず…当時はもういっぱいいっぱいで、あまりにも疲弊してしまったので
一時お休みをいただいたこともありました。


ーーー 仕事と生活のバランス感ですか…1人じゃ解決出来ないことも多くて難しい問題だと思います。バランス感覚はもちろん、物事に対するキャパというのも人それぞれですし。

そうなんですよね。どれだけ仕事にやり甲斐を感じていても、休息の時間もなければ私の心身のバランスは保たれない!と気がつくことができたので、今後の働き方や将来設計を考え直す良い機会になりました。

このこともあって、2人体制・せめて1.5人体制で活動していきたいと思い
二代目女将の募集について、役場の方に相談することにしたんです。


ーーー そして準備している間に、私が現れたと笑 

ご縁ってあるんですね笑
過去の縁がここで繋がるとは思わず、嬉しかったです。



ーーー ご縁でしたね〜、私も嬉しかったです笑。では逆に「須貝邸」で働くことができてよかった〜!って思うことはなんでしょうか。

それはもう「様々なことに挑戦できる柔軟な環境があったこと」です。

お宿自体のコンセプト作りに物品選び、サービス方法や広報デザインなど…あらゆる事に関わらせていただきました。普通にサラリーマンとして働いていたら、もっと細分化されたお仕事を担当することが多いと思うんですが…

これは「少人数チームかつ、自由な職場」だからこそ挑戦できたことであり「協力隊という立場だからこその動きやすさ」もあったと感じます。

また、須貝邸を通して村の方々とつながる中で、この地域ならではの暮らしに触れられたことも良かった点です。

今後の理想の働き方に繋がるきっかけになりました。


ーーーそして「montage」としての独立に至る訳ですね!おめでとうございます。 個人事業主としての起業は、もともとしたいと考えてたんですか?

最初は全く考えていませんでした!起業のきっかけとなったのは、新庄村の協力隊OG「栃澤まどかさん」の暮らしを見たことです。

収支について学び始めていた協力隊2年目の頃、様々な要因から「私が須貝邸1本で生きていくのは難しい」と考えるようになっていました。

そんな中、栃澤さんは個人事業主として複数の事業を組み合わせながら生計を立てられており、それが私の望む理想の暮らしに近いと感じ、起業を意識するようになりました。


ーーー 全く考えていなかったのは意外です。色々なものを見聞きして柔軟に考えをまとめられるいい環境であることが伝わってきます。協力隊として任期を3年とプラス1年にて満了、独立してさらに1年経ちましたが、暮らしはいかがですか。

3歩進んで2歩下がるような日々ではありますが、じわじわと自分の目指す暮らし方に近づけているという手応えはあります。




ーーー 少しずつでも前進している感覚というのは、本当に嬉しいことですよね。ではこれからもっと、どういうことをしていきたいなと思ってますか?

おもしろく心躍ることを全力で楽しむような生き方を、仕事でもプライベートでも実現していきたいと思っています。

“思いたったが吉日” がモットーなので \\\٩(๑`^´๑)۶////



ーーー お〜!ありがとうございました!
私も近くで、楽しく小躍りさせてくださいね。


執筆・撮影・編集:青野日向子

須貝邸を中心に、お仕事をしている人々のルーツを紹介していきたいと思って書き始めましたこのページ。

読んで近いものを感じてくださった方が、この小さな村に興味を持って
訪れてみたり、一緒に働きたいな~ なんて思っていただけたら嬉しいです。

次回は、いよいよ私「青野」のことも、改めて深く見つめて文字に起こしてみようと思います。


このストーリーが気になったら、遊びに来てみませんか?
年間売上1000万の小さな古民家宿、女将としてクリエイティブに生きる選択肢
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