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商品パッケージのデザインはこうつくる。現役クリエイターが語るものづくりの真髄

自社商品のパッケージや紹介ページは、お客様が目にする大事な接点。

パッと目に入り、その商品やサービスを魅力的に感じてもらえるよう、デザイン面は細部までこだわって制作しています。

今回は、商品パッケージやWebサイトページのデザインに携わっている現役クリエイターのふたりにインタビューを敢行。仕事を進める上で大切にしている価値観から、ものづくりへのこだわりを問います。

商品パッケージやWebサイトページはどのように作られているのか

― おふたりは普段どのような仕事をなさっているのですか?

後藤
私は商品のパッケージやチラシ、店販で使う什器などをデザインしています。実物を”手に取れる”デザインが私の担当範囲です。

赤瀬
私は逆に“手に取れない”デザインを担当しています。商品の紹介ページやWEB広告などが該当します。分野は違いますが、同じ訴求のキャンペーンでデザインのトーンを踏襲したりするので、コミュニケーションをとりながら連携して制作を進めています。

― 今回は特に、新しい商品を開発した際に必ずつくるパッケージやパンフレット、商品ページについてお伺いしたいです。ハーブ健康本舗の商品パッケージや詳細ページは、どのような流れでつくるのでしょうか?

後藤
新商品を発売するときは、最初にパッケージをデザインします。商品開発部門から商品のコンセプトやスペック、想定しているターゲット像などを共有してもらい、パッケージのデザイン案をいくつか提出します。

赤瀬
社長からはよく「ひと目で商品の良さが直感できる」「お客様のベネフィットが伝わる」「ハーブ健康本舗らしさがある」ようなデザインをつくるよう言われています。現在の流行や他社商品のデザインも比較して、自社らしいデザインを考えていきます。

後藤
ハーブ健康本舗は会社のコンセプトとして『「ユーモア」と「品質」を磨こう』を掲げています。手に取りたくなるユーモアや品質の良さが、分かりやすく伝わるよう意識してデザイン案を作成し、ミーティングに持ち込むんです。一般的には早くても2~3ヶ月くらいかけてじっくり議論しますが、ハーブ健康本舗では最短で1ヶ月ほど集中的に議論し決定する場合もあります。

― スピード感が早いのですね!

赤瀬
デザイン案を詰めていくのと並行して、商品開発が「商品詳細資料」を作成してくれます。商品ひとつひとつに対し、かなり緻密に情報がまとめられていて、制作時にとても助かるんですよ!この詳細資料をベースに、商品ページやパンフレットの制作にもとりかかります。

後藤
サイトに掲載する商品ページと並行して、新商品発売を既存のお客様にお知らせするキャンペーンDMや、広告で使うWebページを同時進行で進めたりすることもあります。

― パッケージをデザインするとき、商品ページをつくるときに気を付けていることはありますか?

後藤
各商品の漠然としたイメージをひろいつつ、そのイメージをお客様に分かりやすく、魅力的に伝えることを常に心がけています。

赤瀬
分かりやすさは大事ですよね。突飛なデザインが良いのではなく、分かるもの、相手に伝わるものをつくるよう意識します。

― なるほど。

赤瀬
アカデミックなものを想像される方が多いのですが、通販商品のデザインにおいては「人に理解してもらえる」ことが大切です。石鹸の商品なら、「清潔感」「ふわふわの泡」といった石鹸のイメージをある程度踏襲しないと、そもそも石鹸であることすら伝わらないことが考えられます。

後藤
分かりやすさを追求するのに加えて、他社商品との差別化も必要です。似たような商品が数多くある中で、どのようなデザインがお客様の目を引き、欲しいと感じるか、頭をひねって考えています。

― 商品の情報を分かりやすく魅力的に伝えるには、お客様の目にどう映り、どう感じるのか、顧客視点で設計していくのが大切なのですね。

後藤
見た目の印象はもちろん、言葉の情報がどう伝わるかも意識しています。読ませる、というよりは、言葉が目に入ってきて、瞬時に商品のスペックや魅力が想起できることを目指してつくっています。

赤瀬
フォントの位置や大きさも重要ですよね。自然な視線を意識して、お客様の目の動きを考えながら、どこにどのサイズでキャッチコピーの文言を載せるか。細部にまでこだわっています。

デザインを極めていくにはどうしたらいいのか

― 新商品が発売されるまでのデザイン業務をこなせるようになるには、一朝一夕で身につくものではないと思います。どのように勉強なさったのですか?

後藤
「勉強」というよりも、「気遣い」を常に意識して仕事する、という方がしっくりくるかもしれません。お客様がどう思うかという視点を常に忘れず、相手にどう伝わるかを考えてつくることが、デザインには大事な観点だと思います。

赤瀬
学校に通っていた頃、「デザイナーは常識人じゃないとできない」と言われたことがありまして。この常識というのが、相手側の視点にたってデザインを見た時、相手がどう感じるかを逆算できる、「気遣い」に近い概念なのかなと思います。

― なるほど!素人考えですが、デザインの世界って「センス」勝負というか、才能第一みたいなところがあるのかなと思っていたので、いまの「気遣い」という言葉に新鮮味を感じています。

赤瀬
もちろんセンスも大切です。写真の選び方ひとつとっても、選ぶ基準や方法は教えられても、その個別での最適解を選べるかどうかは、個人のセンスにかかっている部分があるかなと思っています。ただ、手取り足取り教えればセンスが身に付くかと言われると、そうでもない部分がどうしてもあって。勉強して身に着けるものなのかというと、どうかなと…。

後藤
センスを磨くのって難しいですよね…。それでも敢えて言うとすれば、例えば写真を変えた時に印象がどう変わったか、その変化を捉えていくのは重要だと思うんです。修正指示が入った時に、なぜ修正してと言われたのか、修正の意図を汲み取れると、学びに繋がるのかなと思います。

赤瀬
修正の意図が理解できていると、その後の修正案や別の提案でも使えて、やりやすくなりますよね。

― 修正の意図を探るというのも、修正を指示した相手側の気持ちを理解することが大前提だと思うんです。そういった意味でも、先ほどの「気遣い」という言葉がしっくりきました。自分のデザインセンスを遺憾なく発揮すればOK!という訳ではなく、相手にどう受け取られているか考えるのが重要なのですね。

後藤
通販商品のデザインは、お客様に魅力を伝え、手に取ってもらうことが最優先です。その意味で自分の好きにデザインすることが叶わない場面もあります。制約がある中で、お客様に自己紹介をするツールとして、顔が見えない状況でどうメッセージを伝えるか。この課題を楽しめるとよいのかなと思います。

赤瀬
私たち、ふたりとも妄想力が強い方なんですよね。この妄想は仕事にも生きている気がします。例えば「乾燥と潤い」の対比で何かデザインをするなら、カラカラのリンゴと瑞々しいリンゴを並べるのはどうかな…とか、画で分かりやすくする変換力みたいなイメージでしょうか?こういう変換力がデザインの引き出しとなって、お客様に分かりやすく魅力的に情報を伝えるデザインをつくりやすくなると思います。

― デザインを産み出すセンスは大切にしつつも、「お客様が商品を魅力に感じ、手にとる」という目的をぶらさず、お客様視点で設計していくのが大事なのですね。芯の通った仕事をされていて、おふたりともスゴイです!

赤瀬
ありがとうございます!でも、最初から自信をもって取り組めた訳ではなくて、入社時はすごく焦っていました。26歳で入社し、それまで扱ってこなかった広告の分野に初めて触れて、いままでやってることと全然違って、このままだと通用しないなって不安に感じて…。

― できないことへの焦りの気持ちがあったのですね。そこからどんな風に仕事を進めたのですか?

赤瀬
出来る人と自分のつくったデザインを比べて、違いを理解するのに努めました。他社のクリエイティブをまねしてみるのも同じ発想です。なんでも「見る」ことが重要で、同じ業界のものだけでなく、パチンコとかゲームの広告とか、ひたすら見続けていく。そうしてためた知見が、デザインの現場でふとアイデアとして湧き上がったりするのに繋がるんだと思います。

後藤
私も同感で、他社のクリエイティブを観察するのはとても大切だし、私自身いまも続けています。実は新卒入社した会社で「今まで何を学んできたの?」と強い言葉を言われたことがあって…。これはマズいぞと、色々なクリエイティブを見るようになりました。

― 「今まで何を学んできたの?」とは、なかなかヘビーですね…。どういったデザインをみていたのですか?

後藤
同業他社の折込チラシや、YouTubeをはじめとした動画媒体のCMとかをみていました。月極の広告なんかも結構参考になります。あと、デザインを見ながら、「なんでこうなったんだろう?」「自分ならこう組むかなあ…」と、デザインの意図を想像したり、自分なりのアイデアを考えたりするようにしていました。

― デザインを見るのに加えて、自分の中でさらに一段深く考えるようにしていたのですね。他のデザインを研究する上で、何かコツやポイントなどありますでしょうか?

赤瀬
たくさんのデザインを知る中で、「自分はなんて出来ないんだ!」と思う場面が出てくるかもしれません。でも、誰もが通る道なので、あまり悲観的にならなくてよいと思います。「まぁそんなもんか」と考えて、たくさんのデザインに触れていくのが一番良いです。

後藤
デザインを見ていく中で、「コレはすごいな!」と自分で思えたデザインは、何かしら学びにつながる点があるのではないかと思います。「人を喜ばせる」デザインを探してみるとよいかもしれません。そこから、今度は自分のデザインで、どんな風に人を感動させたり、嬉しい気持ちにさせられるか考えて、いろいろなデザインに挑戦するのがよいと思います。

― ありがとうございます!インタビューの最後に、ハーブ健康本舗でデザイナーとして仕事をする上で、「こういうマインドがあった方がよい」という方のイメージなどあれば、教えていただきたいです。

赤瀬
デザイナーの中には、自分の世界に没入するタイプの人も多いのですが、チームみんなでつくり上げるマインドを持った人の方がハーブ健康本舗向きだと思います。デザインをつくるときは個人プレーでよいのですが、時にはふざけた話もできるような、コミュニケーションを楽しめる人は、ぜひ一緒にお仕事したいなと思います。

後藤
素直さも大事ですよね。通販業界はお客様に手に取ってもらえるかが肝になるので、その観点でデザインを修正する場面が多々あります。デザインを「作品」だと考えると、修正したくない!という思いも出てきてしまいますが、素直に聞き入れて、修正の意図を冷静に考えられることが大事だと思います。ポジティブさというか柔軟さというか、前向きに割り切るモチベーションがあると良いのかなと思います。

デザインのちからで、お客様に「喜び」と「感動」を届ける

おふたりの話を伺いながら、通販事業で成果を出す目的はしっかり意識しながらも、お客様に喜ばれる、感動してもらえるデザインを生み出すにはどうしたらいいか…前向きに、楽しく取り組んでいらっしゃるなと強く感じました。

健康食品・化粧品の通販業界は、ライバル他社も多い激戦区ですが、その中でハーブ健康本舗の良さが直感的に伝わるようなデザインが、今後もクリエイティブ制作からバンバン出てくると思うと、とても楽しみです!

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