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0→1フェーズだからこそ先端技術を活用、モバイルエンジニアが語る開発秘話

はじめまして。マツダ株式会社のMDI&IT本部「先進ITチーム」モバイルチームを担当する澤田です。インターネット会社などIT系企業でiOSエンジニア、Appオペレーション、品質管理サポートなどを経験した後、2021年にマツダに入社しました。実は、もともと転職するつもりは全くありませんでしたがたまたまマツダの求人を見つけ、転職を決意しました。自動車業界は今、クルマそのものの価値より、クルマを使ったサービスへとシフトしていく節目のとき。ビジネスの仕方がどんどん変わっていくスタート地点にあると思います。自動車業界に入ることで変化の過程を楽しめるのではないか…。またとないチャンスだと、興味を惹かれました。

苦労を乗り越えた先にある面白さ

マツダは日本の製造業で100年の歴史がある会社。組織体制の成熟度は高いですが、海外の自動車メーカーと比べるとIT周りが少し遅れていそうだなと想像していました。これまでIT業界と色々な面で異なる自動車業界に来たことでギャップを感じそうだな、と…。この予想は的中し、入社直後はMacでWi-Fiに繋がらない状況からのスタート。社員に貸与するパソコンはWindowsのみだったため、何もかもWindowsが前提だったんです。さらに、IT系企業と比べると、開発のスピードが異なりますし、何をどう作るかはゼロベースで考えないといけない状況。しかし、100年に一度の大変革期といわれるこの時代を経験してみたいという思いで入社しているので、これも一つの楽しみ方だとポジティブに捉えています。もちろん苦労することもありますが、大変だからこその面白さがありますよね。

私が所属する「先進ITチーム」にはスマートフォンアプリ「倶楽部 MAZDA SPIRIT RACING」、Maas関連、コネクティビティ関連と3つのチームがあり、私はこの3つを連携させるためにチーム間を横断する人員として動いています。私はiOSの担当で、ほかAndroid担当が2名ほどいます。全体を俯瞰して見て、それぞれのサービスが独走していかないようにコントロールしていくという役割を担っています。

スピードを鍵に、アプリを開発

入社してすぐにエンジニアとして関わったプロジェクトが、2022年8月にリリースされた「倶楽部 MAZDA SPIRIT RACING」。2021年11月にプロジェクトが立ち上がり、約9ヶ月で開発しました。このアプリの目的は、スピード競技を楽しむ人たちのコミュニティをつくること。「速さ」って見るのもやるもの楽しいですよね。小学生のかけっこでも、自転車でも、速いって楽しい。そこで、マツダらしく、なにかしらの道具を操って速さを競ったり楽しむ人たちに向けて、面白いものを提供できないかと考えました。自動車に限らず、スノーボードや自転車なども対象です。今はSNSとしての運用機能のみで、スモールスタートしたという状況。今後、このアプリをどう発展するか検討中ですが、マツダとお客様とのつながりを改革するようなサービスを作ることができればと思っています。

組織づくりもアプリもゼロから

「倶楽部 MAZDA SPIRIT RACING」の開発に携わったメンバーは20名。スピード競技を楽しんでいる人たちに向けて提供するという大きなコンセプトはありましたが、その方たちにどのようなサービスを提供したら喜んでもらえるのかを検討するところからのスタートでした。意図が伝わっていなかったり人によって認識のズレがあったり、技術的に難しいことがあったり…。IT企業、ベンチャー企業、SIer系企業などから転職してきたスキルも経験も異なるメンバーで組織作りから始めたプロジェクトということもあり、多くの課題を感じました。

チームの構成は、iOSとAndroidのエンジニア、バックエンドエンジニア、インフラエンジニア、WEBエンジニア、QA、PO。私はシニアスペシャリストエンジニアという立場でiOS領域を先導する役割で取り組みました。エンジニアとして面白かったのが、完全に新規で立ち上げるアプリなので、言語やアーキテクチャーなどをゼロベースから選定できること。世の中にどのようなものがあるのかを調査することから始めました。私はこれまでの経験をもとに一定の見込みはありましたが、ほかのメンバーの意思を尊重したいですし、もっと新しいことに挑戦したいという思いもあります。まずは試験的に作ってみて、大きなプロジェクトに耐えられるかどうかを検証していくというように段階を踏んで進めていきました。

新しいシステムに挑める面白さ

今のITの世界でゼロベースで取り組むことって多くないと思うんです。ベンチャー企業のスタートアップにしてもベースになる技術があるのが一般的です。ただ「先進ITチーム」は9名から始まって今80名ぐらいまで増えている成長過程にある組織なので、全国からいろいろなメンバーが次々と集まってきて、何をどうやって作るのかをゼロベースで考えることからスタートします。

今回「倶楽部 MAZDA SPIRIT RACING」には比較的に新しいSwiftUIを採用しました、これは今の「先進ITチーム」だから選ぶことができたのだと思います。あまり新しいものを採用すると市場が狭くなってしまう側面もあるので、なかなか選択できない。でも私たちが今から作るアプリは全くのゼロからのスタートなので、この時点で最新のものを使おうという意思決定ができました。最新の技術をいち早く取り入れて攻めの姿勢で開発できるというのは、エンジニアにとって本当に恵まれた環境。こうしたチャレンジができる会社ってほかにはないと思います。古いシステムを継ぎ接ぎしてでもずっと使い続けなければならない会社が多いですから。老舗企業で保守的なイメージがあるかもしれないマツダですが、意外なほど、柔らかい頭で開発ができていると思います。

理想を追求し続ける気持ちが大切

求める人材は、アプリを作って満足してしまう人ではなく、より良いサービスに発展させていったり、作業効率を上げるために改善を進めることができる人。自動車業界の変革と共にマツダ自体も進化していく必要がある中で、それを自分が中心になって引っ張っていくんだっていうぐらい気概を持った人が仲間になってくれるとうれしいです。あとフルリモートですから、コミュニケーション能力も大切。会議で自分からどんどん発言していく積極性が大事です。また、オンラインの成長コースで技術を習得し、スキル底上げを図っています。今アプリ開発がひと段落したので、改めてスクラムを勉強したりとそれぞれが前向きに取り組んでいます。会社のサポートはかなり手厚いので、やる気がある人なら大きく成長できるはずです。

モバイルアプリエンジニアは世の中にたくさん存在しますが、自動車につながるアプリを作った人はほんのひと握り。私もまだ自動車につながるアプリには直接関わっていませんが、当然マツダにいれば関わるチャンスが生まれると思います。自動車にはカメラ、速度、GPS、燃料など安全の為に様々なセンサーがあり、これらをクラウド上に乗せてデータ活用する時代が近いうちに訪れます。自動車の在り方を変えるプロジェクトに関われることは、エンジニアにとって大きな喜びにつながるはず。

挑戦したり、時には失敗したり、いろいろな経験をしながら一緒に理想を追い求めていきましょう!

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