今回は、2022年4月に新卒としてUPDATERに入社した厚田梨帆さんにお話を伺いました。厚田さんは入社後、みんな電力の法人営業として活躍しているだけでなく、2年目にはドバイで開催されたCOP28にも参加しました。
「変える」ためにビジネスの世界へ
ーUPDATERに入社を決めた理由を教えてください。
長崎の大学に通っていたときに平和教育や核兵器廃絶の活動に参加していて、ニューヨークの国連本部で開催された「2020年NPT(核不拡散条約)再検討会議第3回準備委員会」に出席したことがあります。その会議の3本柱の一つが、原子力の平和利用でした。
原子力を平和的に利用することは本当に可能なのかなという疑問があり、福島に行き被災者と交流した結果、個人的にはちょっと違うかなと思ったので、原子力ではない代わりのエネルギーを広げるという意味で再生可能エネルギーに目をつけました。
それに、単なる再エネではなくて新しい価値を生み出していて、働いている人も楽しそうで、面白く社会課題を解決しているというところが良いなと思い、UPDATERに入りました。
ーなぜ大学時代の活動の続きとして、平和活動やNGOの世界に行かなかったのでしょうか。
アクティビストやNPO/NGOでの活動をしている人にとってまず大切なのは、発言することだと思います。一方、実際に「変える」ためにはお金の流れやビジネスが関わってくると思います。社会問題を解決したり、良い事業をやっていたりするところへお金が流れるようにすることを実感したいと思って、企業という経済活動の場に進むことにしました。
就活を通して、会社に行きたくないとか愚痴を言いながら働く社会人ではなく、本当に自分がやりたいことや、少しでも自分が生きたい世界を作れるところで働きたいと思って、ソーシャルビジネスに目を付けました。
実はみんな電力(現UPDATER)の最初の面接で、一度落ちてしまっているんですね。何を伝えたいのかまとまりのない話をしてしまったのが理由だと思いますが、落ちた時に改めて「自分が働くところはここだな」と思ったんです。
社会問題の解決って、その一言をいうのは簡単ですが、実際に達成するのはものすごい難しいことで、それこそ一人では絶対にできないと思います。大学の時に思ったのが、楽しく、面白くやらないと人を巻き込むことはできないし、興味すら持ってもらえないということだったので、同じ考えがUPDATERにあると感じたんだと思います。
サイトやSNSを見ていて、働いている人がイキイキしているし、ここで働いたら自分らしくいられそうだなと確信も持ちました。それでもう一度面接をしてもらえないかお願いして、そこからはとんとん拍子に採用が決まりました。
「みんな電力」独自の価値が顧客に評価されていると感じた
ー入社して1年目はどうでしたか?
正直とても大変でした。2022年は、電力市場が高騰していたときで、私が同席する商談はすべて料金改定をご説明する場でした。端的に言うと、値上げを伝える場ですね。私は、UPDATERに入るまで、電気のことを一切知らない人だったので、背景も全然理解できていないし、実は商談の内容も9割が理解できませんでした。でも、1割理解できたことがみんな電力ってただの電力会社じゃない、独自の価値を届けている会社なんだということでした。
「値上げさせてください」といったときに、「本当に厳しいので無理です」と言われるのではなく、「みんな電力だから契約しているので、正直きついですけど分かりました」と言っていただけることが本当に多かったんですね。その商談を経て、みんな電力の価値をすごく感じることができました。
ー2年目には仕事の領域も広がり、先日はCOP28にも参加しましたね。
1年目は法人のお客さま向けに再エネ切替の営業をがむしゃらにやっていました。お客さまと話す中でお客様が抱えている課題や考えていることが少しづつ分かるようになってきて、よりお客さまの課題解決をできるようになりたいなと思うようになりました。
ちょうど、法人のお客さま向けに新しいサービスを開発するタイミングでもあったので、手を挙げて新サービスの開発にも2年目から関わっています。
COP28への参加は、社内で声をかけていただき「行きます!」と即答しました。大学時代から、政府・民間・NGOといった様々なステークホルダーが混ざって話す国際の場がすごく面白いと思っていたので、気候変動の分野でも世界で話されいる最先端の会話の内容や、日本と世界のギャップを足を運び目で見ることで直接世界の流れを感じたいと思っていました。
会社の中にいると有難いことにお客様から感謝や激励のお声をいただくことで、UPDATERの価値を感じる時が多いんですけど、そこに甘えすぎていると今後脱炭素化を進めるためには何が必要か客観的な視点が見えなくなる時があるので、会社の外に積極的に出ていきたいという気持ちは元々言っていたと思います。
ーやりたいことを言っていたからチャンスが回ってきたんですね。
言ったら実現できること。UPDATERの魅力の一番はそこだと思います。やりたいとか、興味があるとか、こんなふうになりたいとか、そういうことを言っていると周りの人も分かってくれて実現するための機会がめぐってくる会社ですね。
UPDATERは整っている環境ではないですが、やりたいことを自分で見つけて発言して動ける人、目指したい理想の世界に対してポジティブに自分から働きかけられる人にとっては、とても面白い環境だと思います。
脱炭素が経済成長のチャンスである意識を日本にも
ーCOP28に行ってみてどんな学びがありましたか。
行く前は、気候変動について危機感を訴えているアクティビストたちがいて、政府はそんな光景を横目に政策について話し合う印象がありました。しかし、実際に行ってみると完全に経済の場になっていると感じたことが大きな違いとしてあります。
COP28に参加しているのも、アクティビストや政府関係者よりも企業の方が非常に多かったですね。スタートアップや金融系の方もたくさんいました。ビジネスを回す人たちがたくさん来ているということから、脱炭素化が経済成長のチャンスであることをとても強く感じました。
日本の状況を振り返ってみると、脱炭素化が経済成長であるイメージってあまり無い気がしています。多くの企業は「脱炭素をやらなくてはならない」という、チャンスより制限のような印象が強いのかなと思います。
それは逆にみんな電力にとってのチャンスになると思います。再エネは確実に広がっていくので、そのチャンスを活かしていきたいと思います。
また、COP28の中で気候変動だけについて話し合う場というのはほとんどなく、気候変動と海面上昇であったり、気候変動に絡めたジェンダーの話であったり、複合的な目線での気候変動になってきていると感じました。
再エネについても脱炭素するための一つの手法というだけでなく、導入することで地域の人が喜ぶ再エネなのか、生物の多様性が守られるような再エネなのかと、再エネの質と量が求められる時代になってきていると感じ、みんな電力で質と量を確保できる再エネをどんどん広げられるようにしたいと思いました。
ー厚田さんが学生のときに参加した国際会議とCOP28はどのような違いがありましたか。
COP28では政府の人たちの意見だけではなく、企業やアクティビストなど色んなステークホルダーの声が、成果物に反映されているところが違う点だと思います。多くの人が自分ごととして捉えている気候変動だからこそ、声が反映されているのだと思いました。
NPTの場合は、COPほど多くのステークホルダーの声が政策の中に反映されない印象がありました。もちろん様々な要因があると思いますが、核兵器の問題が人や国によって取り組まないといけない優先度が低く自分ごととして捉えづらいことが影響していると思いました。そこの違いは大きく感じましたね。
良い未来をつくる企業を増やしていきたい
ー最後に厚田さんの野望を教えてください。
元々就職するときから思っていたことですが、ソーシャルビジネスにちゃんとお金が流れていくような経済の構造づくりに携わっていきたいです。社会課題の解決のために動いている人や組織にお金が流れていく仕組みにしていくことが、良い未来をつくるために必要だと思っています。
社会の様々な課題に配慮しながら、社会をより良くするためにビジネスをやっているところにお金が流れるようにしていきたいですし、そういう企業を増やせるようにしたいです。
ー厚田さんは、UPDATERの中でどんなことをやりたいのか明確にもっていて、そして周りの人たちもそれを理解している印象があります。だからこそチャンスが巡ってくるし、2年目とは思えない活躍につながっているんだなと感じました。これからも厚田さんがやりたいことをどんどん実現してほしいです!ありがとうございました。