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画面の向こうのユーザーの痛みに共感する。B2Bに必要な開発プロセス

フロントエンドエンジニアがUXを担うメリット

Queueでは、フロントエンドエンジニアがUI/UXの設計を担うことが多くあります。これは2016年の創業時から一貫して意識してきたことでした。もちろん開業してしばらくは、限られたリソースの中でプロジェクトを完成させなければいけないことから兼務していたというのもありますが、フロントエンドエンジニアとしてUI/UXと向き合っていくうちに、フロントエンドエンジニアがUI/UXを学ぶメリットも見えてきました。

単純なところからいけば、一連の開発プロセスからレイヤーが一つ減ることになるので、アイデアから実装までのスピードが上がるメリットがありました。また、特定のUIを実装するのにかかる工数が自然と読めてくるので、費用対効果を加味した議論がスピーディにできるようになりました。

2017~2018年ごろには、Airbnbが ‘Painting with code’ というコンセプトと共に、react-sketch-app を公開したり、Full stack Designer という職種 (概念?) が登場したりと、フロントエンドとUI/UXの境界が溶けていくのを感じていました。

またその当時、2014年にGoogleによって提唱されたMaterial Designが円熟してきており、実用上のUI/UXに関してはエッジケースまで含めて、ベストプラクティスが溜まってきたことで学びやすい環境が整ってきたのにも助けられました。

もっと本質的なところで言えば、特に私たちがフォーカスしているB2Bのソフトウェアの場合、例えばルーティングやデータの処理の設計など、単純な画面のデザイン以外の要素でユーザー体験を左右するものが多くあります。

もちろん、将来的には実装面まで深く理解できる専任のUXデザインチームを組成したいという思いもあります。

現場で使われるサービスを開発するということ

Queueでは、自社サービスでもクライアント様とのプロジェクトでも、基本的にはB2Bのサービス=業務中に使うツールを開発しています。業務中に使うツールの主たる目的は、業務効率を改善することにあると言っていいと思います。

業務効率とはすなわち、単位時間あたりの成果です。これを改善するには、特定の業務にかかる時間・工数を小さくするか、得られる成果を大きくする必要があります。成果はまた、量的な成果と質的な成果に分解でき、このうち量的な成果は時間・工数の圧縮によって実現されます。一方で質的な成果を大きくするには、他の代替手段では得られないアウトプットを出せることが必要になります。

このため、B2Bサービスの設計時にはまず、①時間・工数の圧縮 / ②他の代替手段では得られない成果、このどちらを求められるかを考えます。もちろんこれらは混在することもあります。

さらに、業務中に使うツールを適切に設計するためには、前後の業務フローを正確に把握する必要があります。例えば極端な例ですが、飲食店のフロアスタッフ向けにPCアプリを提供するわけにはいきません。

必ず思わぬ発見がある、現場の観察

現場の業務フローを理解するために、できる場合には実際の業務プロセスを観察させてもらうこともあります。現場の観察をさせてもらうと、必ずと言っていいほど思わぬ発見があります。ヒアリングだけではわからない、もしくはヒアリングとは矛盾するような観察結果が得られることもあります。

「この業務に時間がかかっているけど、多分慣れてしまっていて圧縮できることに気づいてないな」「この業務を中断させてしまうとストレスだろうな。ここに差し込むのはまずい」など、観察の中でターゲットの痛みを発見し、共感することが非常に重要だと思います。

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