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ネット専用スーパーだからできる仕組みを武器に戦略を考える楽しさがある

インタビュー:イオンネクスト株式会社 営業戦略部長 東卓也

1時間単位で指定できる配送システムや、温度管理の徹底によって鮮度抜群の商品提供を実現するコールドチェーンなど、この「Green Beans(グリーンビーンズ)」には“リアル店舗にはない強み”が存在している。今後は、オンラインサービスならではのデータ収集・分析、そして需要予測など、新たな戦略展開にも取り組んでいく。今回は、イオングループ会社において、リアルの店舗で25年以上の実務経験を持ち、バイヤーや営業部長、執行役員などを歴任してきた東卓也営業戦略部長に、リアル店舗との違いやネット専用スーパーにおける営業戦略部の役割、求める人材像について聞いた。

お客さまのことが「見えなくてもわかる」ネット専用スーパー

イオングループ会社に入社して25年以上。そのほとんどをリアルの店舗で過ごしてきました。2019年以降はEC推進部も統括してきましたが、リアル店舗のないネット専用スーパーのみの営業戦略は初めての挑戦です。そこで感じた面白さは、お客さまと直接顔を合わせることのないネット専用スーパーのほうが、お客さまの特徴が見えるということでした。リアル店舗では、馴染みのお客さまなど顔を知っている方もいらっしゃいますが、お客さまの属性・特徴ははっきりとはわかりません。しかし、ネット専用スーパーは会員登録時のデータや購入履歴、高頻度で実施しているアンケートからそれぞれの特徴が見えます。また、メールなどを使ったダイレクトのアプローチも可能です。現時点ではそこまで実現できていませんが、ゆくゆくは個別アプローチを目指していきたいと思います。

ネット専用スーパーだからこそできる、リアルではできない仕組み

 お客さまの本音として、時間と心に余裕があるのであれば自分で見て触ってショッピングを楽しみたい、自分で目利きをして納得感を得たい、という気持ちがあると思っています。しかし、現状では共働き世帯の増加やタイムパフォーマンスを意識する世代も増えてきています。自分に使える時間の減少、あるいは効率的に生活したいというニーズの増加により、ネット専用スーパーが利用されるわけですが、見て触れられない商品への不安の払拭が必要です。その懸念に対する1つの答えとして、「Green Beans」では「鮮度+(せんどぷらす)」を用意しました。温度管理を徹底し、一定の温度で自宅まで配送するコールドチェーンによって実現しているサービスです。「鮮度+」は1週間の鮮度維持をお約束するもの。実際に私も食べたところ、小売りを30年やっていて、これほどまでに新鮮な野菜を食べたのは初めての経験であり、感動しました。長年リアル店舗を経験してきた私としては、少し悔しい気持ちもあったほどです。常温で販売され、購入後お客さまが持ち帰る時点で温度管理ができなくなるリアルな店舗では、太刀打ちできない仕組みです。ネット専用スーパーであれ、リアル店舗であれ、おいしいもの、良いものを届けたい思いは同じです。しかし、良い商品を届けるのにネットの方が届けやすい点は新たな発見であり、強みでもあると感じています。

顧客獲得から配送後のフォローまで一貫した業務フロー

営業戦略部は、マーケティング部と連携した顧客獲得・注文獲得の施策や、注文の頻度を上げるための販促施策、商品部と連携した商品販促の検討、エリア戦略、配送計画、トラブル時のカスタマーセンターとの連携など、幅広い範囲の業務を担います。顧客獲得から配送完了までのすべてに関わる業務と言えるでしょう。

 現在強化しているのは「エリア戦略」です。リアルの店舗を出店する時と同様にそのエリアの特徴、食文化、顧客像、会員や注文密度、競合状況等を調査し、サービスを拡大すべきエリアはどこか、または既存エリアではどこを強化すべきかをデータと現地調査を基に決めていきます。営業戦略部のコア業務と言っても過言ではありません。

データ解析を強化する業務で感じる面白味

 「販売促進計画」についてはまだまだ弱い部分として認識しており、外部パートナーと共に様々な販促にチャレンジしているところです。それらを支えるアナリティクスチームが今期よりマーケティング部から営業戦略部に移管され、より営業数値に直結する分析とアウトプットができる環境整備が進みました。重要KPIであるDPV(1ルート当り配送件数)、バスケット単価においては社内プロジェクトチームを組んで会社全体で改善に取り組んでいます。このようにデータを基に日々新たな発見をしながら施策をカスタマイズしていく、どんどんエリアと顧客情報がクリアになっていくところが面白いところです。

 データを見て「なぜ?」と興味を抱き、その理由を見つけることに楽しさを感じる人は、この仕事に向いているでしょう。

毎日が新しい発見とチャレンジの連続

 食品のリアル店舗経験者はもちろん、異業種からの挑戦だからこその発想を活かせる方にも、大いに期待しています。

現在、営業戦略部ではプランニング(受注から配送まで)チームと分析チームという2チーム体制で業務に対応しています。知的好奇心があり、課題解決力や提案力を日々磨いていきたい人にはチャレンジしがいのある業務だと思います。データの積算はまだ約1年分しかなく、どのようなアプローチが有効かなどを随時試している段階で、毎日新たな発見があります。楽しみはこれからですね。

プロフィール

東卓也

 1996年、三重県に展開していたフレックスに入社。統合によりマックスバリュ中部となった後、バイヤーや店長、営業部長、営業企画部長、ストアオペレーション部長などを歴任。商品、営業系の部署を経験後、執行役員マックスバリュ事業本部副本部長に。マックスバリュ東海では、執行役員営業サポート本部長として営業企画部、ストアオペレーション部、EC推進部を統括。2023年1月から現職。

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