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起業について考えてみた

さて、今回は「起業」そのものについて考えてみました。

起業とは、読んで字のごとく「業を起こすこと」です。

私なりの定義は、ここに「世の人々に必要とされるサービスやプロダクトを提供することによって業を営み、対価を得ること」です。

まずは起業のメリット・デメリットについて考えてみました。

<メリット>

・「これから何が起こるんだろう」というワクワク感を味わえる

・上手くいったらお金持ちになれる

・いろんな人と出会える

・好きな人と働ける

<デメリット>

・孤独、不安定

・失敗したらお金を失う

・責任を自分で負わなくてはいけない

さて、近年「(若者は)起業すべきだ」という論調が高まっており、それを後押しする風潮があります。

確かに、諸外国に比べると日本の起業率は低く、それが原因でイノベーションが起きづらいと言われています。

しかし、私は安易に起業すべきとは思いません。

よく「起業したい」という相談を受けます。

それ自体は否定しません。

しかし、彼らの多くが現状に不満を抱えているケースが多いです。現在勤めている職場の勤務時間が長い、給料が安い、上司に恵まれない、etc….

起業したいのは、「自らが置かれている現状に満足できないから」という理由になっているケースが多いのではないでしょうか。

起業すると、様々な障壁があります。

勤めている時とは比べ物にならない、また違った種類の不安や孤独、プレッシャーに苛まれます。

また、お金の問題も重くのしかかってきます。

どこかにお勤めの場合であれば、給料の金額における多寡はあれど、まあこの国で食いっぱぐれることはそうありません。

しかし、起業すれば話は別です。特に創業当初は、半年ぐらい1円も入ってこないなんてことはザラにあります。

1円も入ってこないどころか、出ていくことが異常に多いのです。ビルの賃料、水道光熱費、人を雇ったら人件費、広告費などなど

あっという間に資金がショートしてしまい、明日どうやって生活していこう、ということが多くあります。

とはいえ、失敗を事前に回避するのは不可能ですし、えいやでまずはやってみないとわからないし、失敗しながら成長していくというのも真実です。

では、起業したい人(起業した人)はどうすべきか。

私の答えは一つです。

まずはどこかで「圧倒的に必要とされる人間になる」ということです。

今自分が所属しているコミュニティ(会社、家庭など)があるのであれば、そこで圧倒的に必要とされる人間になってみてはいかがでしょうか。

起業において成功するためには、世に必要とされるサービスやプロダクトを作り出すことが求められているのですから、人が何を求めているかを把握し、それを満たすことが肝要です。

よく、「とにかく起業したい!」という自分の思いだけで起業しようとする人がいますが(過去の私もそうでした苦笑)、その先には失敗が待ち受けています。

であれば、まずは自分が今いる場所で圧倒的に必要とされる存在を目指してみるのが一番得策なのではないでしょうか。

今いる場所で必要とされるには、努力や貢献が必要です。

営業職の方なら自社の製品を売ることかもしれません。

事務職の方なら社内のみんなが気持ちよく働けるように社内の環境を整えることかもしれません。

よく起業を煽る文言として、「自分の人生を生きよう」とか「好きなことをして生きよう」とか言います。

しかし、私はそんなのはどうでも良いと思います。

人は誰かに必要とされてナンボです。

誰かに必要とされて初めて自分の人生が生きられるし、好きなことをすることができます。

誰かに圧倒的に必要とされる経験は、人に自信を生み出します。

自信というのは、読んで字の如く「自分を信じること」です。

なぜ自分を信じることができるかというと、

「誰かから必要とされているから」

に他なりません。

つまり、自信は自分一人で生成されるものではなく、他者との関わりの中で他者から必要とされることによって生成されるものだと思います。

まずは近しい人に必要とされるための努力をし、必要としてくれた人を満足させてあげる。

周りの人から必要とされて、そしたら自信が生まれてきて、自己肯定感というか自尊心みたいなものが高まっていって、なんか毎日を楽しくハッピーに過ごせるようになる。

そこまでいけば、起業なんてしてもしなくてもどっちでもよくないですか。

その上で、「もっとたくさんの人を満足させたい」とか、「もっとお金持ちになりたい」とか、「何が起こるかわからないワクワク感を味わいたい」とか、そういう風に思えば起業すれば良いし、

「今のままでも十分楽しいしいいや」って思えばそのまま毎日ハッピーに過ごせば良いと思います。

起業について考えてみた結果、「起業してもしなくてもどっちでもいい」という無責任な結論になりました。

とはいえ、起業を否定しているわけではありません。

冒頭に起業を定義しましたが、「世の人々に必要とされるサービスやプロダクトを提供することによって業を営み、対価を得ること」は、とても価値のあることです。

また、私自身としては起業家でありたいし、起業家に必要とされ、必要としてくれた起業家を満足させるよう、貢献と努力を継続していきたいと考えています。

東京スタートアップ法律事務所

代表弁護士 中川浩秀

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