ハイタッチ型カスタマーサクセスへの進化を目指す上での試行錯誤
当社のプロダクトをご利用いただく企業等のクライアントはその多くが従業員規模で1,000名を超える大企業であり、当社のセールスチームはクライアント企業との間で対面・電話・メール等によってミーティングを行い、CSチームはクライアント企業の健康管理スタッフの皆様との間で、日々の問合せやご依頼事項への対応、当社からの案内やサービス運営上の確認事項に対応しています。各クライアントに対し、一人の営業担当(複数のプロダクトをご利用いただいてる場合には、複数名の営業が担当させていただくこともあります)と複数名のサポートチームで対応していく体制を基本とし、全国の提携医療機関ネットワーク(約2,000施設)との間で渉外対応を行うチームやコンタクトセンターのスタッフも合わせれば今日現在、セールスとCS合わせて、総勢170名ほどの体制となっています。
CSチームでは、日々、クライアントとなる企業や健康保険組合、そして、その従業員やご家族の皆様、全国約2,000施設に上る提携医療機関に向き合い、"問合せ対応、操作サポート、新機能の紹介、クレームや改善要望の受付、改善取組み"等の活動を行っているわけですが、企業のワークスタイル変革やデジタル化が推進されているとは言え、健康保険組合や医療機関のデジタル化には、制度面・ITインフラ等の環境面からの課題も残り、まだまだ、当社におけるCSには、ローテク対応が多く残っているのが実態です。
コロナが拡大した今年、当社の健康管理クラウドは、場所や時間を問わず、企業の従業員やご家族の健康状態を可視化させ、クラウド上で、法令で定められた健康管理業務を完結し、もう一歩進んで、従業員の健康管理・健康増進に積極的に取組む環境を提供するという役割から、まさに必要とされる基盤として一層、重要性が増したと考えられる一方で、緊急事態宣言が発令された直後、大きな不安に苛まれた事がありました。それが、上述したCSの現状です。Web会議システムやCRMツール、チャットボット、動画共有システムなどの活用が十分に進んでいない中で、リモートでのCS対応にまだまだ慣れていなかったことが、その不安を感じた最大の理由となったわけです。
CRM・CSを担当するチームが掲げた最初の目標は「全てのお客様とリモートでの定例ミーティングを企画してみよう」からでした。大企業の人事部や健康保険組合とは言え、そのスタッフの皆様自体も、環境面・仕事の特性面などから、リモートワークに慣れていない方々が多く、最初のうちは、なかなかミーティングの日程が決まらないといった初歩段階の苦労もありました。やがて、コロナ禍における健康管理クラウドの実用例・成功事例、新しい機能の紹介や提携サービスの紹介などを行うことから始め、ようやく次なるステップへと進んだ段階です。打合せ形態が変われど、これまで同様に、当社プロダクトを通じて、クライアントが抱える課題の解決や成功体験を実感していただけるCSへと進化していく第一歩をようやく歩み始めたところです。
また、CSのハイタッチ化がなかなか進まなかった理由として考え、その対策として取組んでいることも、少しだけご紹介します)
当社のSaaS上では、健診・人間ドックの予約手配や健診結果データの電子化・一元化サービスも付加サービス(BPO)として提供可能です。一方で、それらのサービスを運営するオペレーションは、「医療機関との間での健診予約手配には、まだFAXが一般的に用いられている」「健診結果報告書の多くが紙の帳票である、中には手書きも存在する」こと等が理由で、当社内では、多くの「ヒト」による作業が存在していました。ここ数年、当社は、
①品質の安定化・向上、
②人的作業による情報セキュリティリスクの軽減、
③社内オペレーションの生産性向上など
を目的として、BPR・RPA・AI等の投資に注力し、多くの工程で省力化・省人化が進んできています。その結果、社内でもテクノロジーを活用する意識や風土が醸成され、RPAロボット作成の知見や経験が積まれた事、そして、SaaS上で連携されるオペレーションがテック化してきたことで、クライアント側のUI/UXにおいても、チャットボットや動画マニュアル等の導入などが少しずつ始まり、ハイタッチ型のCSを目指した変革挑戦にも好影響をもたらしています。まさに、テック化を拒む原因を排除し、内からのCS進化に取組んでいるのです。
お客様当社のプロダクトを導入していてよかった!と感じていただける成功体験を実感いただけるよう、まだ我々の挑戦は続きます。当社が大切にしてきたCSの姿勢やクライアントとの関わり方は変えず、いかにツールや技術を駆使して、よりハイタッチ型のCSへと進化させていくか、今後も当社で取組む最重要テーマのご紹介でした。