近年、CX(Customer Experience:顧客体験価値)やEX(Employee Experience:従業員体験価値)という言葉が注目されている。
CX(Customer Experience:顧客体験価値)
CXは、商品の価値や機能性だけでなく、それらを通して得られる感情や経験を指します。企業が顧客に提供するのが「モノ」から「コト」に変化してきていると考えても良いだろう。「モノ」を提供されていたときの顧客は、その「モノ」が機能し目的を達成すればよい。「コト」を提供される顧客は、その「モノ」が生み出す大切な「コト」を大事にする。企業が顧客に「コト」を提供するために必要なことは、顧客自身を知ることであると考える。
CXを実現することは、顧客自身を知ることが重要になるが、企業側が顧客を知ることは結構難関である。これまで消費者調査などのアンケート調査を大々的に行わないと顧客の声を聞くことができなかった。それどころか顧客の感情や経験は時々刻々と変わっていくにもかかわらず、このようなアンケート調査は集計した途端に顧客の現在の感情や経験から離れていってしまうのだ。つまり、CXを実現するためには顧客が商品サービスを通じて得られる感情や経験をリアルタイムに取得する必要があるのだ。
それを実現するために必要な方法の1つがDX(Digital Transformation)である。商品、サービス自体をDXするのである。そうすると、顧客がどのように商品、サービスを使っているかといったログを、顧客が購入した後から随時取得できるようになるのだ。顧客の商品、サービス自体の使い方こそが「コト」の満足度を表していると考えてもよい。このデータを分析することで、その商品、サービスをよりよくし、CXを高めるためにはどのように変えていけばよいのかをはじめて議論できるのだ。
CXを高めるための施策は、「モノ」を販売していたときとは異なり、商品、サービス自体をDXすることで、商品、サービス自体をアップデートすることも可能である。理想的には、DXが実現するCXを高める方法として、商品、サービス自体をDXすることにより、顧客がその商品、サービスを使っている実態のログをデータとして取得することができる。そのデータを通じて、顧客の感情や経験を見出し、その感情や経験が高くなるように顧客の元にある商品、サービスをアップロードするというサイクルをずっと回し続けることになる。「コト」を最大限の感情、経験として顧客に提供するCXは、DXという技術的背景により実現されるのだ。
EX(Employee Experience:従業員体験価値)
EXは、従業員が働くことによって得られる体験を指します。これまで従業員が働くことへのインセンティブは、単に給与を頂くことだけに特化されていたかもしれない。しかしながら、現在においては、従業員1人1人がどのようなスキル、知識をつけられるか、タスクに対する達成感、社内の文化など、働くことによって自分自身を高めていける体験が重要になってきています。
それを実現するために必要な一つの方法がDX(Digital Transformation)である。従業員が働く環境自体をDXするのである。職場環境をDXすると考えると、デジタル化でより効率的な成果を生み出せる環境を作り出すところばかりに目が行くかもしれない。しかしながら、DXの効果はそれだけではない。従業員の満足度、従業員の知識の伝達・共有においても、DXは非常に大きな役割を担っているのだ。
職場環境をDXすることによって、従業員の働き方がデータとして取得されることになる。このデータを分析することにより、その従業員は満足感を持って働いているか、それともサボっているかがわかるかもしれない。サボっていたら即クビというわけではない。その従業員のEXが芳しくないと考えた方がよいだろう。その従業員のEXを上げるためにはどのような施策をすればよいかを考える機会になる。職場環境をDXすることにより、EXが芳しくない従業員を見つけ、士気を高め幸せに働くように仕向けることで職場全体の雰囲気も変わっていく。さらに、従業員の効率的な働き方について、暗黙知となっておりその他の従業員に伝えることができなかったが、DXによってデータを取得できることにより、その働き方自体をモデルとして残していき、自動化することも可能であろう。その環境で働く人が変化を楽しみながら過ごすことが可能になっていく。
CX、EX向上の要はDX
実は、CXとEXはDXによってシームレスマッチングされていくのだ。これまでの商習慣であれば、従業員は商品、サービスを作る人、売る人であり、そのあとのことは全く考える必要ではなかった。また顧客は商品やサービスを買った後は、その商品やサービスを製造販売する企業とそれほど結びつくわけではなかった。上記のとおり、CXは商品やサービスを買ったあとからも企業と結びつく。EXでは、単なる決められたタスクをこなすだけでなく、働き方自体を随時変えていくことができる。これはDXにより究極的に従業員と顧客がなめらかに結びつく可能性を示唆している。
DXは分断されていたフェーズをシームレスで結びつけ、これまで接することのなかった人とのコミュニケーションを生む。CX、EXの向上を謳っているが、これらはDXが実現されて始めてスタートラインに立つ。CX、EXの向上を突き詰めると顧客と従業員はシームレスにマッチングしていく未来も見えてくる。
技術顧問
DXインテグレーションセンター®長
中西崇文近年、CX(Customer Experience:顧客体験価値)やEX(Employee Experience:従業員体験価値)という言葉が注目されている。
CX(Customer Experience:顧客体験価値)
CXは、商品の価値や機能性だけでなく、それらを通して得られる感情や経験を指します。企業が顧客に提供するのが「モノ」から「コト」に変化してきていると考えても良いだろう。「モノ」を提供されていたときの顧客は、その「モノ」が機能し目的を達成すればよい。「コト」を提供される顧客は、その「モノ」が生み出す大切な「コト」を大事にする。企業が顧客に「コト」を提供するために必要なことは、顧客自身を知ることであると考える。
CXを実現することは、顧客自身を知ることが重要になるが、企業側が顧客を知ることは結構難関である。これまで消費者調査などのアンケート調査を大々的に行わないと顧客の声を聞くことができなかった。それどころか顧客の感情や経験は時々刻々と変わっていくにもかかわらず、このようなアンケート調査は集計した途端に顧客の現在の感情や経験から離れていってしまうのだ。つまり、CXを実現するためには顧客が商品サービスを通じて得られる感情や経験をリアルタイムに取得する必要があるのだ。
それを実現するために必要な方法の1つがDX(Digital Transformation)である。商品、サービス自体をDXするのである。そうすると、顧客がどのように商品、サービスを使っているかといったログを、顧客が購入した後から随時取得できるようになるのだ。顧客の商品、サービス自体の使い方こそが「コト」の満足度を表していると考えてもよい。このデータを分析することで、その商品、サービスをよりよくし、CXを高めるためにはどのように変えていけばよいのかをはじめて議論できるのだ。
CXを高めるための施策は、「モノ」を販売していたときとは異なり、商品、サービス自体をDXすることで、商品、サービス自体をアップデートすることも可能である。理想的には、DXが実現するCXを高める方法として、商品、サービス自体をDXすることにより、顧客がその商品、サービスを使っている実態のログをデータとして取得することができる。そのデータを通じて、顧客の感情や経験を見出し、その感情や経験が高くなるように顧客の元にある商品、サービスをアップロードするというサイクルをずっと回し続けることになる。「コト」を最大限の感情、経験として顧客に提供するCXは、DXという技術的背景により実現されるのだ。
EX(Employee Experience:従業員体験価値)
EXは、従業員が働くことによって得られる体験を指します。これまで従業員が働くことへのインセンティブは、単に給与を頂くことだけに特化されていたかもしれない。しかしながら、現在においては、従業員1人1人がどのようなスキル、知識をつけられるか、タスクに対する達成感、社内の文化など、働くことによって自分自身を高めていける体験が重要になってきています。
それを実現するために必要な一つの方法がDX(Digital Transformation)である。従業員が働く環境自体をDXするのである。職場環境をDXすると考えると、デジタル化でより効率的な成果を生み出せる環境を作り出すところばかりに目が行くかもしれない。しかしながら、DXの効果はそれだけではない。従業員の満足度、従業員の知識の伝達・共有においても、DXは非常に大きな役割を担っているのだ。
職場環境をDXすることによって、従業員の働き方がデータとして取得されることになる。このデータを分析することにより、その従業員は満足感を持って働いているか、それともサボっているかがわかるかもしれない。サボっていたら即クビというわけではない。その従業員のEXが芳しくないと考えた方がよいだろう。その従業員のEXを上げるためにはどのような施策をすればよいかを考える機会になる。職場環境をDXすることにより、EXが芳しくない従業員を見つけ、士気を高め幸せに働くように仕向けることで職場全体の雰囲気も変わっていく。さらに、従業員の効率的な働き方について、暗黙知となっておりその他の従業員に伝えることができなかったが、DXによってデータを取得できることにより、その働き方自体をモデルとして残していき、自動化することも可能であろう。その環境で働く人が変化を楽しみながら過ごすことが可能になっていく。
CX、EX向上の要はDX
実は、CXとEXはDXによってシームレスマッチングされていくのだ。これまでの商習慣であれば、従業員は商品、サービスを作る人、売る人であり、そのあとのことは全く考える必要ではなかった。また顧客は商品やサービスを買った後は、その商品やサービスを製造販売する企業とそれほど結びつくわけではなかった。上記のとおり、CXは商品やサービスを買ったあとからも企業と結びつく。EXでは、単なる決められたタスクをこなすだけでなく、働き方自体を随時変えていくことができる。これはDXにより究極的に従業員と顧客がなめらかに結びつく可能性を示唆している。
DXは分断されていたフェーズをシームレスで結びつけ、これまで接することのなかった人とのコミュニケーションを生む。CX、EXの向上を謳っているが、これらはDXが実現されて始めてスタートラインに立つ。CX、EXの向上を突き詰めると顧客と従業員はシームレスにマッチングしていく未来も見えてくる。
技術顧問
DXインテグレーションセンター®長
中西崇文
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