はじめまして、株式会社LiNew広報のIです。わたしは普段、化粧や服に全く興味がありません。服を買うくらいなら漫画を買うし、化粧品を買うならおやつを買いたい。しかし、そんなわたしでも時折運命の出会いを果たすことがあります。
あの香水も、わたしにとってはその一つでした。
大学4回生の冬、初めて手にしたピンクのパッケージ。
後輩へのプレゼントを買いにデパコス売り場でどんなものがいいかと考えながら歩いていたわたしはふと香水売り場のお姉さんに声をかけられました。
パッと見て香水だな、とわかって笑顔が少しひきつったかもしれません。嗅覚過敏の気があるわたしは普段、においのするものは避けていました。
しかし、ひとつもらったそのムエット紙はいやなにおいではなく、むしろこのにおいならいいかも……と感じてしまうものでした。ただ、ちらりと値段を見ると約3万円。
……たっけえ水だ……。
そう思い、一度は売り場をスルー。しばらく服や化粧品の売り場をうろうろして最愛の後輩へ贈るプレゼントを熱心に探していたのですっかりそのことは忘れていました。
しかし、プレゼント購入のためバッグを開けた瞬間、甘いローズの香りが鼻腔をくすぐり、誕生日プレゼントだからデパコスを買いに来ただけなのに、急に“いい女”の烙印をもらった気がしました。自分が、強くて、一人で生きていける、凛とした女性だった気がしてきたんです。
そしてその足で引き戻されるように再び売り場へ。普段は柔軟剤の香りすら嫌うわたしは、つい3万円と水を交換してしまったのです。
かわいいパッケージといい匂いにテンションが上がりウキウキで乗り込んだ50系統のバス。だんだんと帰りのバスに揺られていると香水の入ったバッグが重たく感じてきました。
3万円の香水なんて、わたしに合うのか? 買ったはいいけど、明日はまた臭いって言ってつけなくなるんじゃないか? 大体、こんなのどこにつけていくんだ? 先輩に毎日ダサいと言われてきたくせに、香水なんて使いこなせるの?
そんな風に半分自嘲気味にとぼとぼと帰宅しましたが、バッグから香水の箱を取り出した瞬間そんな気持ちは吹っ飛びました。ピンクとゴールドのきらきらしたパッケージはわたしには鎧や武器に見えたのです。
いや、3万の香水だし。むしろ香水があることによってそれに見合う自分になればよくない? 香水つける時だけはおしゃれな恰好をしよう。だって3万もするんだよ、勿体ない。
そう思いながら確かめるように一吹き、自分の手首に吹き付けます。甘い香りで、主張しすぎなくて、いい匂い。わたしの好きな服の系統とは合わないかもしれないけど、かわいいから、いいんです。
丁寧に瓶を箱に戻して、箱を部屋の一番高いところに飾りました。下に置いておくと洗濯物で悲惨なことになりそうだったので。ピンクのパッケージはそこからわたしの部屋を見下ろして、時折わたしの望みにこたえてくれました。
さすがに香水は香害になってしまうこともあるので、毎日つけているわけではありません。毎日気合い入れてたら疲れちゃいますし。
今はもう、当時買った香水はありませんが、新しい香水をいくつも買いました。それらのパッケージはわたしの部屋の一番高いところから女王様のようにわたしの部屋を見渡します。そして大事なプレゼンの前や、新しい出会いがあるとき、最愛の友人たちに会う時。自分にさっと纏ってこの香りを鎧やドレスにして家を出ます。わたしが望む強さや自信をこの香りからもらっています。
人と向き合いながら、自分の発信する情報がどう届くかを気にする広報の仕事では、ほんの少しの勇気や余裕が大切です。香水のように、心に寄り添う自信を一つでも多く手に入れられるよう、日々の経験を積み重ねています。
カジュアル面談を通じて、こんなエピソードを含め私たちの会社や仕事の魅力についてもっとお話しできれば嬉しいです。興味が湧いた方は、ぜひお気軽に「話を聞いてみる」からご応募ください!