今回は、少し難しいけど聞いてほしい。グリラスのテクノロジーについてのお話です。
株式会社グリラスは、食品ロスから生み出された循環型食品(=サーキュラーフード)である食用コオロギの製造・販売のみならず、徳島大学の基礎研究をベースにした最先端バイオテクノロジー技術開発の研究所としての側面を持ちます。2019年に会社が創立するより前から、脈々と受け継がれてきたコオロギ研究の蓄積が、今日のグリラスを支えているんです!
コオロギの可能性を開く、グリラスが世界に誇る最先端のテクノロジーって?グリラスを代表する技術である「ゲノム編集」について解説します。
しっかり知って、一緒に考えたい。ゲノム編集の話。
畜産や農業の現場では、生産効率や味覚品質の向上に向けて常に品種改良が行われてきた長い歴史があるのをご存知でしょうか?
品種改良とは、自然の中で発生する突然変異の個体をうまく活用することで人間にとって利用しやすい性質の種を作り上げるというもの。美味しさの向上はもちろん、病気や冷害・高温への耐性を付けることで、農薬を減らせたり、生産コストを大幅カットすることができるというメリットがあります。稲や果実、乳牛の育種などで長い間試行錯誤が続けられてきましたが、実現には膨大な時間と労力が必要で、これまでの品種改良はごく一部の家畜類に限定され行われてきました。
グリラスで扱っているゲノム編集は、これまで品種改良で行われてきたプロセスを、より効果的・効率的に改良してできた技術です。
どんな生物も日常的に「細胞内のDNAに切れ込みが入る→すぐ修復する」サイクルを繰り返しているのですが、数万回に一度修復にエラーが起こり、性質が変異します。それがどのような変異かは完全にランダムで、その変異した個体を活用するのが一般的な品種改良です。機械を使って自然発生より多くの突然変異を起こし、欲しい性質を持った個体を探す方法もありますが、変異の起こり方はランダムのままで、変わらず膨大な時間が必要でした。
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ゲノム編集は品種改良と同じ現象をDNAの指定した位置で起こし、「狙った形質を意図的に得る」ことができる画期的なテクノロジー。外から新たな遺伝子を持ってきて加える遺伝子組み換えとは違い、生物の中でもともと起こっている修復作業を利用しているので、品種改良と同じく安全性に問題を生じません。
グリラスでは、徳島大学での30年近くに及ぶコオロギ研究を通じて確立したゲノム編集のノウハウ、特許技術を継承。目的の形質を持ったコオロギを作製する技術を既に確立させており、安全性が高く、味の良いコオロギの生産が期待できます。
7月には、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構が実施した2021 年度「研究開発型スタートアップ支援事業/シード期の研究開発型スタートアップに対する事業化支援(以下、「NEDO STS 事業」)」に採択され、グリラスは新たに徳島県美馬市にある廃校を整備し、世界初となるコオロギの品種改良を目的とした研究施設を立ち上げることになりました。(プレスリリース)
これまで以上に食用に適した系統や大量生産に適した系統、機能性成分を有した栄養価の高い系統など高度な品種改良をこれからも進めていきます。
食品メーカーとして、コオロギの最先端の研究所として。これからも安全性への担保と、さらなる品質の向上を目指したアップデートを両輪で進めていきます!