はじめまして! PDM本部 UIUXデザイナーの永吉と申します。現在は弊社のSaaS事業である「KiZUKAI」のデザインを担当しています。
今回は、ハードウェア業界出身者から見たソフトウェアのものづくりとの共通点と違いや面白さについてまとめてみました!これから、IT・ソフトウェア業界で転職を考えている方のお役に立てれば幸いです。
自己紹介
KiZUKAIにジョインする以前は、ハードウェア業界にて、機構設計職としてtoC向けの製品、主にイヤホンだったりスマホ周りの周辺機器の開発に従事してました。
なぜハードウェアの企業からソフトウェア企業へ転職したかなどの経緯も、簡単に説明させていただきますと、もっと一つのサービスを長く成長させていきたいと思ったのが大きなきっかけでした。
ハードウェア・プロダクトの性質上、製品をリリースした後にお客さんからのフィードバックをいただいても、直接そのプロダクトを改善していくということができないため、働いていく中でもっと一つの製品やサービスを成長させていきたいと思うようになりました。そして、それができるのはハードウェアのものづくりより、ソフトウェアのものづくりだと思い、ソフトウェア業界での転職を目指しました。
また、自分がどの立場からものづくりに携わりたいかと考えた結果、ユーザー起点でものづくりを考えていけるかつ、それらの体験をチームで主導となって作り上げていけるデザイナーという職を目指そうと思い、UI/UXデザイナーの軸に絞って転職活動をしていました。そんな中、ご縁もあり今年の1月よりKiZUKAIへジョインしました。
今回は、ジョインしてから半年程たちハードウェア業界出身者(toC向け製品)から見た、ソフトウェアのものづくりの共通点と違いや面白さなどの、リアルな感想をお伝えできればと思います!
ハードウェアとソフトウェアのものづくりの共通点
まず、ハードウェアとソフトウェアのものづくりの共通点についてですが、「ものづくり」という大きな括りで言うと、ハードウェアもソフトウェアも正直大きく変わらないと思います。
企画→デザイン→設計→テスト→リリースというプロセスはハードウェアもソフトウェアも基本的には同じプロセスで、最終的なユーザーへプロダクトを届けているな~というのが正直な感想です。
しかし、提供するまでのプロセスは同じですが、ハードウェアとソフトウェアのものづくりの大きな違いとしては、速さ(スピード)と範囲(ミニマムでつくる)と柔軟さ(急な仕様変更)や更新(アップデート)できる点だと、半年程ソフトウェアのものづくりに携わって改めて実感してます。
ハードウェアとソフトウェアのものづくりの違いや面白さについて
・速さ:ユーザーへの提供スピードが速い
まず最初に違う点は、ユーザーへの提供スピードの違いです。ハードウェア業界と比較すると、ほんとにめちゃめちゃ速いです。(正直ソフトウェアのほうが速いだろうな~とは思ってましたがここまでとは、、) ハードウェア・プロダクトだと、最低でも半年程の期間を経てユーザーに提供することが多かったです。しかし、ソフトウェア・プロダクト(KiZUKAIの場合は)だと、改善レベルであれば来週リリースします!みたいなスピード感だったり、長くても2~3ヶ月ほどで新機能がユーザーへ提供されます。入社当時はそのスピード感に圧倒されたのを覚えています。(驚きの速さ)
・範囲:つくるべき範囲を細かく決めることができる
ハードウェアだと、企画の段階でどこまで作りきるかを決めるので、ミニマムで開発するという概念があまりありません。その為、ソフトウェアはつくるべき範囲を細かく決めることができるのも、大きな違いだと思います。小さく機能を区切って開発することができ、それにより機能をユーザーへ提供するスピードを速くすることができるんだな~と感じました。このあたり、ハードウェアと性質が異なるので、どこまで作り込むかの判断を見極め、小さな力で大きなインパクトを残すという考え方もソフトウェアのものづくりならではと思います。今後はこのあたりを意識しながら、デザインの意思決定もできるようになりたいと思います。
・柔軟さ:開発プロセスの中で仕様変更など柔軟に対応が可能
あまり良いことではないと思うのですが、ソフトウェアはプロセスの中で急な仕様変更やデザインの変更に対してもハードウェアよりかは許容できる(なんとかなる)のも大きく違う点だと思います。ハードウェアのプロダクトだと、ある段階から急な仕様変更やデザインの変更は行うことが難しいです。特に電化製品のような樹脂製品の場合、量産前段階だとデザインなどの変更は、ほとんどできません。デザインの変更=樹脂製品を作るための金型を加工したりする必要があるので、コストも工数もかかります。後述する「更新できる」という点とも被りますが、ソフトウェアという言葉の通りに変更に対する柔軟さは、大きな特徴かと思います。とはいえ、仕様を何度も変更するのは開発者体験として良くないので、そこはしっかりチームでのコミュニケーションを取り、無駄な工数をなるべくかけないようにしていくのもソフトウェアならではの面白さ(大変さ)だと思います。
・更新できる:永遠のβ版という考え方と、プロダクトを育てるという感覚
ハードウェアとソフトウェアの一番大きな違いは、リリース後に更新できるかどうかという点です。ソフトウェアのものづくりには明示的な終わりがなく、永遠のβ版だと思っています。(これは実際に働いていても思いますが、永遠に改善したい点がある・もっとよくできるという点がたくさんあります) ハードウェア・プロダクトは、リリースすることで完成しますが(余程の不良がない限りは)、ソフトウェア・プロダクトは性質上、作って終わりではなくユーザーへ提供し、フィードバックを受けて、同じプロダクト・サービスとしてより磨き込むことができます。KiZUKAIにジョインした後も様々なプロダクト改善に取り組んできましたが、やはり毎週の改善でどんどんプロダクトを磨き込んでいく感覚はソフトウェアならではの特徴や面白さだと、実践しながら強く感じますね。(我が子を愛でる感覚に近い?!)
他にもハードウェア業界との違いや面白さ(チケット管理開発やgitの概念など横文字の多さなどなど)はたくさんありますが、日々新しく覚えること・新発見が多くて楽しいです!
また、ここであえてハードウェアのものづくりのおもしろさを上げるとすれば、やはり完成品の手触り感を味わうことができる点です。特に、モックアップサンプルから金型サンプル(実際にユーザーに提供されるレベルのクオリティのサンプル)を見たり触れたりする瞬間は、ハードウェアのものづくりならではの感覚かと思います。あとは、電車の中などで自社の製品を使っている人を見かけるとテンションが上りますね!(これはソフトウェアでも同じですね)
まとめ
今回は、ハードウェアのものづくりとソフトウェアのものづくりの共通点や違い・面白さについてまとめました。物理的な制約がない分、素早く作って壊すなどの仮説検証を高速で回すことができるのも、ソフトウェアならではの面白さだと思います。
この記事を読んで、少しでも他業界からこれからIT・ソフトウェア業界に転職する方のお役に立てれば幸いです。今後はデザイナーとして新機能開発のデザインについてや、デザインシステム構築(絶賛構築中です!!)のお話など発信できればと思います!
KiZUKAIでは引き続き、エンジニア等の開発メンバーも積極的に採用中です!少しでもご興味お持ちいただきましたら、ぜひお気軽にエントリーください。