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2022年を振り返って

Photo by Marek Piwnicki on Unsplash

2022年も残すところあと数日となりました。今年の7月に取締役 CTOとなりました川上です。対面でご挨拶する機会も少ない昨今ですが、改めてよろしくお願いします。ご挨拶にかえて2022年を振り返ってみたいと思います。

体制強化

最も重要なトピックは体制強化です。資金調達後の一年半ほど前に積極採用を行う意思決定を実施し、その活動が実り従業員数としては、昨年の倍以上になったことが大きな成果だと考えています。

前年の同時期の社員数で言うと

  • 前年末 6名
  • 現在  13名

2倍+になっています。

特に、エンジニアは私も含めて2名であったところ、運命的な出会いとも言える面々がJOINしてきていただいたおかげで、現在5名の社員体制となっており、2.5倍となりました。

プロダクト開発には業務委託といった契約形態でご協力いただいているパートナーも多くいらっしゃるため、開発に関わっている方はもっといらっしゃいますが、中心的な役割であったり能動的に活動いただく方が増えたことは喜ばしいことです。

会社としても大きく成長し始めているという実感があります。

オフィス移転

改めて年初から振り返ってみると2月にオフィス移転。オフィス移転にまつわる手続きはほとんど社内メンバーで実施しました。

私が主に関わった部分としてはネットワーク環境があります。現在のオフィス規模だけではなくもう一回り大きい規模でも可用性のある状態を狙い、ネットワーク構築を行うことが今回のミッションでした。これまでのキャリアで社内インフラへの関わりはそれなりにあったつもりだったものの、ハードウェア機器の選定から設計・設定・導入を実施し、特にISMSを考慮した設定・設置という面で検討すべきことが大いにあり、セキュリティ設計上もゼロから構築できたことが今後のサービス運用設計にとって良いボトムアップとなりました。

またハードウェア等の納品においても全てスムーズに行えたわけではなく回線・ラック・サーバー・ケーブリングといった、ネットワーク環境だけでも、課題と意思決定、リスク管理などから大きな学びを得ながら、形にすることができました。

プロダクト開発

非公開ではあるもののプロダクト開発という面でも大きな進歩を遂げた一年でもありました。昨年より検討開始、年初よりプロダクション開発に着手し、新規開発でアーキテクチャ選定含め変更、それによって開発体制の見直しならびに開発といった実行をした年でありました。先日の発表でも共有している内容ですのでご参照いただきたいです。

React Nativeを中心にTypeScriptでApplication開発をできるようにアーキテクチャ変更した話 - Speaker Deck

またプロダクト開発体制の面では、このフェーズで構築・強化していったこともあり組織としても学びが多数あったことを、先日社内で振り返りを実施する機会をもって実感できました。その中でも中途入社いただいた社員の活躍というのはとても嬉しい話でした。事業開発、プロダクトマネージャー、エンジニアなど職種問わずご活躍されています。

私自身が直接開発に携わる段階から、新規メンバーへ色々な情報共有・開発スタイルの検討・継承といったところを進めていった結果、各人がすすんで開発技術・進め方・各種イベントのファシリテーションをする段階へ進み、私はオブザーブに回れる状況にしていただきました。感謝とともに組織としての成長を感じた一端でした。

AWS CTO Night & Dayへの参加

こういった経緯もあって、10月にAWSさん主催の「AWS CTO Night & Day 2022」のお誘いを受けることができました。以前から尊敬するCTO・諸先輩方であったり、かつての同僚が参加している状況を横目でみながら知っていたイベントです。オフレコも含めた非常に大きな学びある機会ということで存じ上げておりました。今回改めてCTOとして参加できたことは大変嬉しい出来事でした。

また、参加した場においてはスタートアップを始め色々な企業で技術的、戦略的、人事組織的なアプローチや試行錯誤の結果であったり、その思考過程・失敗の共有などがあり色々な学びがありました。そして、CTOネットワークという意味でも大きく広げてさせていただきました。気軽に悩みを相談できたり、素朴な疑問をぶつけ合うなど、切磋琢磨できるような存在と多く出会えたことは非常にありがたい限りです。

撮影:漆原未代

スクラム

ソフトウェア開発におけるスクラムのワークフローは目新しいものでも無く、どれだけパワフルなものであるかを疑う余地はありません。しかし、一般的には医療機器ソフトウェアIEC62304というウォータフォール開発に親和性の高い規格に基づいて推進されます。DTxは患者さんにアプリケーション(ソフトウェア)を直接プロダクトを提供することから、スクラム開発が適しているものの制度上のミスマッチがあると考えられます。

そんな中、スクラム経験のあるエンジニアが発信源となってスクラムの有効性やスクラムチーム全員が理解して取り組むことの重要性をプレゼンテーションし、DTx開発をスクラムでTRYすべきではないか?という意見をぶつけてくれました。この結果、「不確実性が高く、変化に富んだ領域においてこそ適用すべきだ」という賛同が得られました。これを契機に、「特にプロダクトオーナー(PO)の人材や経験、役割理解が会社に不足している」「最も効果の高いインプット方法は研修」という分析のもと、PO研修を導入することを決定しました。しかし、コロナ禍の昨今、研修自体はオンラインで実施、かつ研修の空席待ち状況は最短で半年以上も先となっており、いつPOに関する体系的なインプットができるかわからないという状況にありました。

そこでスクラムPO研修を提供しているScrum Inc.へ連絡し、全社員に対してPO研修を行う弊社特別プログラムをご用意していただき、研修を経てスクラムの知見を会社に導入することができました。

これは大きな変革であり、またその第一歩であると思っています。この取り組みが弊社DTx開発のスタンダードになるよう、これからもスクラムのワークフローを磨き続けていきたいと思います。個人的にもスクラムマスターは研修や実践経験がありましたが、POの役割や具体的なActionについてより明確になり解像度が上がりました。また、研修の契機も組織内より自発的に挙がったことであり大変嬉しい出来事でした。

研修プログラムのカスタマイズにご協力いただいた関係者の方々まことにありがとうございました。


Output

またアウトプットという面で、先程触れた発表を、10月には 「React Native Matsuri 2022」という場で昨年に引き続きスポンサーとして協賛し、今年はセッショントークの機会も頂きました。開発技術について知見を共有する機会に私自身が久しぶりに登壇する機会があったというのも嬉しい一面でした。
採用に関するイベントとしては、他にも出演がありました。ヘルスケアスタートアップ5社の技術責任者が集結!ピッチとQ&Aで会社と技術の事がざっくり分かる1時間 - connpass

まだまだ技術・プロダクト・開発組織といったノウハウの提供をコミュニティへ還元ができていないと思いますので、今後も色々な形で取り組んでいきたいと思います。気軽にお声がけいただけますと幸いです。

最後に

弊社はパートナー企業・機関との共同プロジェクトが多いため、公開済み情報が少なく外部からみると不透明な側面があると思いますが、プロダクト開発は着実に進んでおります。一方、私たちがチャレンジしている「DTx」「SaMD」「治療用アプリ」「デジタルヘルスケア」といった領域で大きな成果を上げたとはまだまだ言えず、これからも引き続きプロダクト開発に邁進してまいります。

自分の経営者として、また新規領域へのチャレンジャーとしての座右の銘があります。

「ムーンショットを狙う」そのために「バッターボックスに入ってバットを振り続ける」

正直見通しが立ちにくい状況であったり、暗中模索とも言えるような状況の中では、ビジョン・ディレクションが重要になってくると考えています。自分たちの道しるべになるNorthStar を見つけるためにもがき、そして長くチャレンジし続ける為の施策を惜しまない。これが今の自分たちの解だと思っています。これからも困難が多いとは思いますが、真正面から困難に向き合っていくチャレンジをし続ける、これからも進み続けていこうと思います。

来年もどうぞよろしくお願いします。

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