Save Medical採用担当者が、COO野添にインタビューをしました。
前編につづき後編では、DTxプロダクト開発する上で感じること、目指す組織の姿について聞いていきます。
【COOプロフィール】
ジョンソン・エンド・ジョンソン(株)に新卒で入社。薬事として国内治験計画デザインに従事し、20品目以上の新製品の承認・認証を取得。またGlobalと連携したQMS改善やERP入れ替えなど、Quality Compliance業務にも精通。工学修士。
薬ではできない領域でもDTxならアプローチできる
ーー野添さんご自身としてDTxに期待していることはありますか?
一番は薬というモダリティだけではアプローチできない疾患領域へのアプローチです。
既存の薬であったりプログラムではない医療機器でアプローチできる範囲には限界があるというのは感じていて、DTxであればその限界を超えてアプローチできる可能性があるのではないかと注目しています。
例えば鬱病やアルツハイマーなどニューロ系の領域など、原因が一つではなかったり明確にわかっていない領域では、薬や医療機器によってこれ以上のアプローチが難しいというのが現状です。
DTxは、人間の行動や認知のようなところに、デジタルの特長を生かしたアプローチができるので、そういったアプローチで治療の新たな選択肢を提供できる疾患領域が広げられると考えています。
その観点で見たときに、2型糖尿病のプロダクトに始めに取り組んだ理由としては大きく2つあります。
まずはデジタルとの親和性ですね。スマホを通して生活習慣にアプローチするという観点でスマホと相性が良いのではないかと考えました。糖尿病という病気が、生活習慣病の中でも大きなテーマであるというところがあります。
また、アメリカや欧州で参考になる研究や社会実装が進んでいる領域である、というところが2つ目の理由です。日本で私たちが開発を進める上で、非常に参考になる情報が多かったという点で取り組みはじめやすい領域でした。
国と共に規制・産業をつくる側の立場でもある
ーーその他、今までの話以外でこの会社での仕事のやりがいや面白いと感じることはありますか?
規制の話になりますが、今の薬事規制は日本に限らず海外も、プログラム以外の「物」がある有体物を中心に長年構築されてきたものです。それが、ここ10年、20年でプログラム医療機器が出てきたということで既存の規制をアジャストして使い回している、というところが今の状況だと考えています。
そういう意味でいうと、プログラム医療機器は規制の中で決まっていないところが他のもの以上に多い現状にまだまだあります。
プログラム医療機器、DTxをどう扱っていくかみたいなところはまだ当局も頭を悩ませていますし、事例もまだ少なく、こういう時どうすればいいのかというのを考えながらやらなくてはいけないというところで、薬事など規制がある仕事としてはすごく難しいと感じています。
ただ、頭の使いどころがたくさんあって、自分たちが考えて当局と一緒に相談しながら進めていき、一緒に悩んだことが次の規制になっていくという産業なので、そういう意味でもやりがいがある仕事なのではないかと思います。
当局側もなかなか事例がないので、事例ベースでのアドバイスをしづらいという状況です。事例が積み重ならないと一般化してルールを作るというところにたどり着かないので、当局からすると事例をどんどん持ってきてほしいという感じでもあります。こういう状況なので、こちらから提案したり、当局と一緒に悩み、自分たちでルールを作っていける領域でもあります。
Save Medicalを「解」をつくる会社にしたい
ーー医療のバックグラウンドをお持ちの立場として、この会社をどんな会社にしていきたいとお考えでしょうか。
会社のバリューとして「想いを巡らせる」「学び続ける」「解を作る」の3つを掲げています。どれもうちの会社っぽいな、とこのバリューを見てていつも思いますね。
最終的に会社として「解」を作りたいのですが、そのために我々の想いを巡らせる、学び続けるというところをすごくやっていかないと解を作るというところに行かないなと感じています。
既存の発想でいてはいけない部分であったり、ユーザーさんや現場の人、患者様はどう考えているかというところをゼロベースで真剣に考えないと成り立たない。常識だと思っていることをアプリで実現すればいいよね、と安易に考えるとうまくいかないと考えていて、そういうところを私含めみんなで考えられる会社でいたいと思っています。
(代表の)淺野が医師ではない、医療業界出身ではないというところが弊社の特徴だと考えていて、既存の医療の枠にとらわれない発想で他の業界から見た時にここちょっとおかしいよね、という目線でも医療の業界を見ることができる組織ではあります。一方で社内に医療バックグラウンドの人もいて、現場感もすごく大事にしているところも特徴的だと思います。
これからもそういう会社でありたいと思っています。
ーーありがとうございました。
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