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< 平尾山荘 鮨麻生 >すべてにこだわった空間で、人のあたたかさを感じるお店

「IMD Allianceレストラン事業部各店舗の魅力を探る」、第4弾の今回は、『平尾山荘 鮨麻生』へ行ってきました!

完全予約、会員制のこのお店。

学生の私には到底縁のないお店。会員制のお店に入るなんて初めてでした…。

緊張しつつマップを見ながらお店を探します。

が、なかなか見当たりません。汗

(みなさん、どれだかわかりますか!?)

ほどなくして、ようやく見つけたお店の入り口には小さな看板!



会員制だからこその、この隠れ家具合なのでしょうか。

階段を登って行くとそこは、なんだか旅館にでも来たかのような雰囲気。



店に入るとスタッフの方がカウンター席に案内してくださいました。

天井が高く開放感のある空間に、大きな木のカウンター。

広い窓からは、外の光が差し込んできます。




緊張している私の前に現れたのは…。



「げっ!」(ひーっ、こ、こわいっ!!)

「ははは、ごめん、ごめん、驚いた?笑」

「は、はいっ!」


あらっ、なんと優しい表情!

この方が、今回私が取材することになった、ユーモアたっぷり鮨麻生主人の米島さんです。(この表情の落差、私へのツカミはばっちりです笑)

「今日は、よろしくお願いします!」

「よろしくね!さっ、何から話そうか?」

米島さんのあまりのナチュラルさに、少しあたふたしながらも、まずは、店のコンセプトについて聞いてみました。



「鮨麻生は、すべてにこだわった店だね。」

鮨のネタはもちろん、米、水、雰囲気…。

会員になって、予約をして、足を運んで来てくれるお客様へ、静かな空間で、特別感を演出しつつ、日本料理の醍醐味を思う存分を楽しんでもらうために、すべてにこだわり抜いてるとのこと。

実は米島さんの師匠はたつみ寿司の親父さんだそう。そこで修行をしたのちに茶懐石の料理人としてお茶時の懐石料理を通して、和食修行をしていったと言います。

のちに、たつみ寿司へ戻り、10年ほど店長として働いた後、2009年に当時の修行仲間に誘われ、このIMD Alliance で鮨麻生の主人となったそうです。


鮨と和食の二つを経験されてきた米島さんは、鮨と和食は、全く違う料理だと言います。

「日本料理の基本は季節感を演出していることです。」

季節感のないものは日本料理ではないとまで言い切る米島さん。

そのため鮨麻生のお寿司はもちろん、その他の料理も、盛り付けにも非常にこだわりがあるのだとか。



すごい華やか…。こんなにも季節感を感じるお寿司は見たことがありません。この飾り物も一つ一つ、米島さんが盛り付けを考えながら取りにいっているそうです。


また、料理を出す順番にもこだわりがあるようで。

本来は、小鉢が出て、天ぷらやお刺身を楽しんだのちにお寿司を食べ、最後に、茶碗蒸し…という流れが多いですが、鮨麻生は違います。

カウンターと個室では演出が異なりますが、カウンターでは最初にどんっとお寿司を楽しんでもらうというのです。

「せっかくお鮨を食べに来てくれてるからね、一発目にどんっと出すことで、ああ、お鮨を食べに来た、って気持ちになるでしょう?

お鮨、つまみ、お鮨、温かいお料理、お鮨…。

カウンターに座るお客様に、前からはお鮨で、後ろから温かいお料理で板挟み。

コースの合間に温かいお出汁の効いたお料理が入ることで、ホッとしては、くいっとお酒を飲み、それによって引き立つお鮨の美味しさをまた楽しむ。

聞くだけで幸せですね!!

和食と鮨を経験している大将だからこそできること。


「あとね、料理に大切なのはね、温度なんですよ。」

それは、お寿司で言えば、握ったしゃりの温度のこと。

ほんのり、ほろっとする人肌以上の温かさ。

「日本人はみんな炊きたてのご飯が好きでしょう。」

この温かさのバランスとお料理の順番の高低差が、波となり、お客様を“次はなんだろう”とワクワクさせるのだと言います。

「僕のコンセプトは基本的に、食事の時間をどれだけ楽しく過ごしてもらえるか、です。」



時間は嫌でも過ぎていく。

だからこそ美味しいものを食べるだけ、ではなく、美味しいものを楽しく美楽しく食べてもらう。有意義な時間を過ごしてもらう。

緊張しながら食べたってつまらないし、美味しいだけじゃインパクトは残らない、と米島さんは言います。

そして、その有意義な時間を作り上げていくために、食事だけではなく、カウンター越しの会話もその一つ。

米島さん、話を聞いているだけでも伝わってきます。


とても社交的な方なんです。


会話のテンポが、ぽんぽんぽんって。

大将の上手な話術に乗せられて、ついついなんでも話してしまいそうです笑(実際、このあと私の所信表明を聞いていただきました!)

会員制ということもあり、価値観の合うお客さんが多いことから、お客さん同士が仲良くなることもよくあるとのこと。

カウンター席に座って、顔を合わせて、会話をしながら食事を楽しむ。これがお寿司の醍醐味だと言います。

けれどもこのカウンター席、お客様の反応がダイレクトに伝わってくるのだそう。だからこそお客様の反応を見ながら、何度も試行錯誤して、こだわり抜いた素敵な時間を過ごしてもらうのだと言います。

もちろんお客様同士の会話は決して邪魔しないこと、これは前提みたいです。

「ある意味ここは舞台ですね。」

カウンターの下に隠しスポットライトまで付いてました。笑


米島ワールド、炸裂です。

(その表情の豊かさに私もぐんぐん引き込まれちゃいました。)

実は米島さん、18歳のころ海外に住んでいた経験もあるそうで。

半年だけのつもりが、スポーツを通して出会った仲間とのつながりもありビザを更新していった結果、3年間海外生活を送っていたというのです。

「海外にいたからこそ、日本の素晴らしさがよくわかった。」

もちろん良いところだけではないのだと思います。

それでも日本文化、伝統、そして日本料理の素晴らしさを身にしみて感じたと話してくれました。

日本の良い面も悪い面も知っているからこその、日本料理、伝統へのこだわりなのかなと思いました。

そしてこの、カウンター越しの会話もまた、日本の文化だと言います。

確かに、海外でシェフとおしゃべりしながら食事…なんて店は見たことないかも。

(豆知識ですが、この文化は、屋台発祥なのだそうですよ。)

お鮨に温かいお料理に心地よい会話、鮨麻生には日本文化が詰まりに詰まってます。


『どんな人と一緒に仕事がしたいですか?』

「うーん、技術云々より、まず社交性のある人かな。あと素直な人ですね。」

カウンターに立つということは、お客様ともコミュニケーションをとり、楽しんでもらえる時間を、直接提供するということ。いくら腕が良くてもそこは欠かせないと言います。


(カウンターに立たせてもらいました!)


「ここは、普段出会うことのない、会話をすることのない人とも出会える場だからね。」


たくさんの人と出会い、会話をし、コミュニケーションをとる。

料理を通して自分の幅を広げることができる。料理以外の学びを得られる。日本文化を学ぶことができる。

料理人としてのスキルはもちろん、人間として、日本人としての学びを得られる環境だなと感じました。

最後にこんなことも聞いてみました。

「今後、お店をどうしていきたいですか?」

返ってきたのは意外な答え。

「このまま今の状態を守っていくことですかね。」

予約が取れなくなりすぎるのも、今来ていただいているお客様からすると満足度を下げてしまう。心地いいと思ってもらえる今のままを継続していきたいと話してくれました。

きっと、ここまでお客様から支持されているお店だからこそなのだろうなと感じました。


今回、愉快な主人のもと、取材させていただいた『 鮨麻生 』。

会員制と聞くとどうしてもお堅いイメージになりがちですが、ここ鮨麻生は、全く違いました。


人間味の溢れるとても温かいお店でした。


私たちの国、“ 日本 ”の文化と伝統に誇りを持って、非日常の時間を提供していく。

手のひらで握ったお鮨の温かみが、そのまま伝わってくるような、ほろっとほんのり温かい、そんなお店でした。

「米島さん、本日はありがとうございました!」


(最後もお茶目な姿でお見送りしていただいて・・笑)

いつもより空気が美味しく感じました。

それではまた次回!

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