2023年5月、流通小売業界の常識を変える出来事が起こりました。
日本全国に100店舗以上を構える生活雑貨店「LOFT」全店で、クラウドPOSが導入されることになったのです。
なんだ、そんなことか。と思う方もいるかもしれません。ですがLOFTのような大規模店舗でクラウドPOSの導入が決定したのは、日本でも他に類を見ない事例。なぜならば、大規模店特有のシステムの複雑さやセキュリティ問題の懸念などが障壁となり、導入が難しいといわれていたからです。
この常識を打ち破ったのが、私たちオープンリソースが手掛けるRedx。これまでシステムの受託開発を主力事業としていた私たちが初めて手掛けた自社ソリューションです。
業界のシステム開発に風穴を開ける、Redx。きっと近い将来、業界の新常識になるであろうこのサービスについて今回は語らせてください。
ベンダーロックインの呪縛と、DX化の遅れ
Redxとは、Retail×Digital Transformation(DX) の略称。その名の通り流通小売業(=Retail)のDX化を支援するソリューションで、「RedxクラウドPOS」と「Redx店舗DX」の2つのサービスから成り立ちます。
私たちオープンリソースはこれまで20年以上に渡り、流通小売業界においてPOSシステムの受託開発を行ってきました。その中で感じていた業界共通の課題は、「ベンダーロックイン」と呼ばれるもの。
個社ごとの要件に合わせてオリジナルのシステムを1からつくることで、企業が特定のベンダー(製品やサービスの販売元)への依存状態になってしまうのです。
これはユーザーにとって非常に不利な状態。使用するハードウェアから追加機能の搭載の可否まで、全てにおいてベンダー側に決定権があること、そして改修時に巨額のコストがかかることなど、沢山の問題を抱えていました。
またRedxが誕生した2021年は世界中で新型コロナウィルス感染症が猛威をふるっており、日本各地でも緊急事態宣言が発令されました。外出を控え、ネットショッピングに切り替える人も多くいる中、流通小売業界では急速なDX化が迫られました。
ですが弊害となったのは、前述のベンダーロックイン状態。DX化を進めるには当然、大幅なシステムの改修が発生しますが、これには巨額のコストが掛かってしまう。企業は身動きのとれない、まさに足踏み状態でした。
20年以上に渡り培ったノウハウを、業界の課題解決に役立てたい
これまで流通小売業界において、沢山のクライアント企業と共に歩んできたオープンリソース。その中で大切にしてきたのは、クライアントのビジネスに徹底的に寄り添う、ということ。
例えば、開発をして終わりではなくその先の保守まで丁寧に向き合うこと。課題を解決するだけでなく、どうしたらクライアントの業績を伸ばせるのかを本気で考えること。日々店舗の最前線で働くスタッフや、その先にいるエンドユーザーが求めているのはどんなことなのか理解すること。
そんな風に真摯に向き合ってきた道のりの中で得られたのは、圧倒的な知見とノウハウ。これらを業界の課題解決に生かせないか。私たちの持つITの力で、古い慣習に縛られた業界に変革を起こせないか。そんな想いから生まれたのがRedxです。
個社対応の落とし穴に苦しむ業界へ、「標準化」という新提案
私たちがビジネスを推進する上で大切にしているのは「標準化」という考え方。個社対応・個別対応は一見親切なようで、実はコストの高騰や納期の長期化、属人化による品質のバラつきなど多くの問題の引き金になります。
そのため私たちは、ビジネスを行う上で発生しうる業務の1つ1つを標準的なフォーマットに落とし込み、低コストで短納期、そして高品質なソリューションを安定的に提供することを心がけてきました。
この考え方を取り入れた最たるものがRedx。これまで大手専門店、量販店、スーパーマーケット等に納品したPOS システム約 40,000 台の実績があるフレームワークをベースに、これらをより標準的なシステムとしてブラッシュアップし、開発されました。
さらに、「セルフレジ」や「ポイント付与」など個社ごとに必要な機能はプラグイン型でカスタマイズも可能。標準化されたフォーマットのため導入費用も抑えられ、尚且つプラグインで機能追加にも柔軟に対応できる、標準化とカスタマイズの「いいとこどり」を叶えました。
フレキシブルで美しい、細部にまで徹底的にこだわりぬいたソリューション
Redxは、ハードウェアフリーで使用できるのも画期的な点。これまではベンダーが指定するハードウェアを使用する必要があったため、「今のレジは場所をとるからタブレット端末に変えたいのに、ベンダーに断られてしまった」なんてこともしばしば。
Redxは、スマートフォンでもタブレットでも、あるいは据置のレジをそのまま活用することも出来る、自由度の高いクラウドシステム。小規模の商店から大規模のチェーン店にまでフレキシブルに対応します。
そして、洗練されたUI/UXもRedxの魅力の1つ。一般的に、流通小売業界において店舗に配属された新入社員は、まずレジの研修からスタートすることがほとんどです。
複雑な画面、分厚いマニュアル、そしてシステムの改修ごとに何度も行われる研修…。それらから解放されたら、どんなにスムーズな運営になるでしょう。Redxは直感的に使えるUI/UXにより研修なしで誰もが使える、デザインもこだわりぬいたソリューションです。
激変期の今、本当に必要とされるサービスを
新型コロナウイルス感染症は現在「5類感染症」に位置づけられ、就業や日常生活の行動制限はなくなりました。ですがコロナ禍を経て、社会は激変期を迎えています。
リモートワークは働き方の選択肢の1つとして定着し、定住しないという新しい暮らし方を選ぶ人も増えてきました。そんな中で流通小売業界においては、場所や時間を問わずにサービスを受けたいというニーズが高まっています。
Redxは、ゆくゆくは在庫管理、発注、従業員同士の連携、電話、監視カメラなど、店舗運営において発生しうる全ての機能を繋ぐことを目指しています。
これにより店舗業務がスムーズになりクライアント企業の業績アップになることに加え、人々がいつでもどこでもシームレスなサービスを受けられ、日々の生活がもっともっと快適で豊かなものになることを目指しています。
Redxが、未来の「ふつう」になる日を目指して
さて先日、2007年入社の社員とお会いした際に、こんなことを話していました。
「17年間オープンリソースを見てきたけれど、今が一番の転換期だと思う」
そう、自社ソリューションの開発というのは私たちにとって大きなチャレンジであり、まさにオープンリソース第2章の幕開け、といっても過言ではありません。
そして世の中にとっても、少し先の未来に「Redx以前とRedx以降」で語られるほどの大きな変革をもたらしたいと思っています。
Redxの導入により流通小売業界全体のDX化が加速すれば、私たち消費者にとってどんな未来が待っているでしょうか。
シームレスなショッピング体験、リアルタイムな在庫情報、より多様な商品の選択。きっと今よりも快適で豊かな毎日が待っていることでしょう。
今まではどこにもなかったけれど、それが未来の「ふつう」になる日まで、私たちのビジネスはまだまだ続きます。
開幕したばかりのオープンリソースの第2章、これを読んでいるあなたにも、共に紡いでいく仲間になっていただけると嬉しいです。「話を聞きに行きたい」ボタンから、ご応募お待ちしています。
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