「商品ライン構築の主要なプロセスは、商品を視覚的にグループ化することです。視覚的なライン計画を手作業で作成し、計画に変更を加える際には複数のシステムを更新し、変更を各関係部門へ伝える必要があるため、何時間もかかり、信じられないほど時間を浪費する手作業なのです」。
Arc’teryx 情報システムおよびプロダクト&ブランド担当シニアマネージャーのKaren Keane氏は、Centric Visual Boards™をすでに同社で稼働しているCentric software®ソリューションに加えることになった経緯を次のように説明します。「Centricのフィルタリング機能には、データ連携という大きなメリットがあります」Centric Visual Assortment Boardへの期待は、集約されたビジュアルプラットフォーム上での、来シーズンの品揃えとライン計画の可視化です。「時間の大幅な節約とプロセスの効率化が可能です。アクティビティコレクション、品揃えフィルター、商品カテゴリ、性別、地域、これら全てが属性やタグでリンクされ、手作業では深みにはまるような複雑な作業がなくなり、容易かつスムーズに商品情報を入手できるようになることを、各事業部門は待ちきれません」
グローバルカンパニー
1989年に設立され、カナダのブリティッシュコロンビア州ノースバンクーバーを拠点とするArc’teryxは、高性能のアウターウェアとアウトドア用品をグローバルに提供しています。
実り多き長期のパートナーシップ
Arc’teryxは、商品データを一元化し、重複作業を減らし、情報を1カ所に集約することによって、ミスを削減する必要に迫られていました。Keane氏は次のように説明します。「商品開発向けのステムは導入しておらず、社内で構築した当時のERPに含まれるBOMのみがありましたが、社内の業務プロセスとは連携していませんでした。そのため、スプレッドシートで業務を進めていたのです。当社には商品に関連するトラッキング機能、コミュニケーション、意思決定をサポートするシステムが必要でした」2018年のCentric PLM™導入以降の様子を、Keane氏は「Centricが大きな役割を果たし、商品化リードタイムが劇的に短縮さました。Centric PLMのおかげで、必要な物事が可視化されたのです」と話します。
Centricソリューションは商品関連部門で広く活用されており、Keane氏は次のように続けます。「全社的なメリットは、Centricが提供する集約された情報管理にあります。統合情報管理はとても重要な当社の目標です」 Arc’teryxはCentric PLMの新リリースを常に確認し、その都度革新的な機能を活用しています。
完全な統合
Centric PLMは複数のビジネスシステムと統合されています。「SKUのデータをERPやプランニングツールに送り、PIMシステムとも統合して、Webサイトや卸売り用の別のツールへフィードしています。さらに、Centric PLMと連動するデータウェアハウスにも取り込んでいます」
「デザイン作成から、商品属性の割当、SKUの作成まで、PLMは何をどう作るかという上流工程を担うものです。そして、販売やトランザクションに関係するものは、Centric PLMからの情報と連携します」
3Dテクノロジー
「当社は何年も3Dで仕事をしていますが、Centricが提供する最新機能を導入できることに大きな期待を持っています。Centricは、部門の仕事の進め方を改善する方法で、3Dを統合しているため、当社は自身で発明しなくても、こうした機能を活用すれば要件を満たすことが可能になります」
例えば、3D Centric PLMのユーザーは、Centric PLMのライブラリからAlvanonのアバター(AlvaForms)を直接ダウンロード、保存、検索して、3Dツールとして活用可能です。「この機能の活用を、とても楽しみにしています。Centricのアバターライブラリは、ビジュアル検索可能なUIで、3Dプログラムでも利用できます。アバターは、3D商品開発の出発点です」
サステナビリティ
Keane氏は環境問題への取り組みについても語ります。「当社のブランドにとって、サステナビリティはとても重要です。Centric PLMのサステナビリティ機能の一部を導入して、トラッキングに役立てることを検討しています。システムの目標は現在策定中です。3D対応のPLMとしては、サンプリングを減らすことができるので、すぐに効果を期待できます」
Visual Assortment Board
Centric Visual Assortment Boardは、Centric Visual Boardsシリーズのひとつで、小売店での最適なパフォーマンスと、全チャネルでの一貫したブランド体験を実現するために、バイヤー、販売計画担当、デザイナー、プランナー、調達、営業、小売の各部門が、視覚的なピボットテーブルを駆使し、品揃えを戦略的に把握することを支援します。「このテクノロジーの活用へ大きな期待を持っています。数年前に初期のコンセプトを見て、いかにクールで、商品部門にとって大きなメリットをもたらす素晴らしいツールになるかを常に考えていました。このような統合システム上でライン計画を作成できることは、非常に大きなビジネスメリットになります」とKeane氏は話します。Visual Boards導入の経緯について、Keaneは次のように説明します。「Centric Visual Boardsを導入するために、ワークショップを重ねました。Centricの担当者は、当社向けのスタマイズデモで素晴らしい仕事を成し遂げました。本当に必要なソリューションであると納得しました。課題と言えば、ERP導入と時期が重なっていたことです。しかし、販売計画部門は何年も前からこのツールに注目していたため、実際に導入することになり、とても嬉しく思います」
Keane氏はさらに詳しく述べています。「他のソリューションも試してみました。 ホワイトボードツールを使う利点もあるかもしれませんが、データを集約することはできませんし、すべての機能が備わっているわけではありません。昨年デモを行った際、Centricに当社の要件をフィードバックしたのですが、速やかに対応してくれて、今では、要件に完全にフィットした追加機能があります。
”当者は豊富な業界知識を持っています。私たちがシステムに期待する要望を、当社よりも先に把握しているような感じです」”
導入フェーズ
「早く立ち上げたいので、範囲を狭めています」とKeaneは言います。「最初の目標は時間の節約で、次のシーズンのライン計画の可視化です。キックオフ的な位置づけになるでしょう。第二の目標は、具体的なレポート出力にあります。これまでは数時間を要したレポート作成が数分で済むようになります。すでに計画されえている次期リリースでは、ゲームチェンジャーとして当社が活用できるような機能を盛り込む予定です」
本来の業務への注力が実現してハッピーに
Keane氏は、Centric Visual Boardsのその他のメリットについても語ります。「当社のビジネスケースでは、ライン計画の可視化と作成にかかる時間を短縮するだけでなく、異なるシステム間でのデータ連携を実現、そして手作業による更新を削減して部門の業務負担を軽減することも重視していました。このシステムによって、作業のチェックやミスの発見が容易になります。私たちは、データの整合性チェックではなく、戦略に集中したいので、本当に助かります」
▼関連リンク
https://www.centricsoftware.com/ja/success-stories/arcteryx/