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【ステージの裏側】コンサートって実際どうやってできるの?

こんにちは、センクシャ広報担当です。

センクシャはコンサートやイベント、フェスのステージ美術を手掛ける会社ですが、「具体的にどんな仕事なの?」「運営ってこと?」などの質問をよくいただきます。

そもそもコンサートがどうやってできているのか、知っている方は多くないはず。

ということで、今回はセンクシャの仕事を中心に、コンサートがどうやってできているのか、誰がどんな仕事をしているのかを簡単に紹介したいと思います!


コンサートのはじまり

コンサートを作る仕事、と一口に言っても、いろんな役割があります。

アーティスト(アーティスト事務所)が「コンサートをやりたい」となったら、まずライブ制作会社へ依頼があります。

アーティストの希望を聞いたライブ制作会社から、アーティスト周りの手配や交渉を行うプロモーター、会場手配やチケット手配を行うイベンター、ステージ周りの制作を担う演出家舞台監督などの関係者に打診があり、プロジェクトがスタートします。

プロモーターやイベンターの役割は明確には線引されていないことも多く、座組はそのプロジェクトごとに異なります。アーティスト事務所やライブ制作会社がプロモーターを兼ねていたり、プロモーターが主催者としてイベントを企画し、アーティストをブッキングすることもあります。

コンサートを盛り上げる照明やレーザーなどは演出家が企画し、各セクションと調整を重ねて仕上げていきます。

センクシャの仕事の流れ

センクシャの担当はステージそのもの。コンサートを行う物理的な「舞台」を作る仕事です。

おおまかな仕事の流れ

依頼&企画のヒアリング
プラン作成
デザイン調整・図面作成
人員・材料・機材・運搬の手配
セット製作
施行準備
施工
本番・撤去

センクシャでは、どのタイミングでどんなことをしているのか、紹介していきます。

依頼&企画のヒアリング

《担当:セールス/プロジェクトマネジメント

センクシャには、主にライブ制作会社からステージ制作の依頼が届きます。大規模なコンサートやツアーの場合は、1年以上前から打診が来るなんてことも珍しくはありません。

アーティスト、開催時期、会場などの詳細をヒアリングし、社内でスケジュールや担当者を調整。受注できるかを判断します。

規模によってサポートが付くこともありますが、セールス/プロジェクトマネジメント・デザイナー・現場チーフの3名が基本の担当者。セールス/プロジェクトマネジメントが社外とのやりとりを行い、プロジェクトを進行していきます。

プラン作成

《担当:デザイナー

受注の方向性が決まったら、一番最初に取り掛かるのはステージのデザイン。

セールス/プロジェクトマネジメントがヒアリングした、アーティストのやりたいことや制作チームの意向を基に、雰囲気やイメージ画像、キーワードなどからデザインを考えるためのヒントを探します。

ステージ上にセット(装飾)がない場合も、舞台の形状をどうするか、花道が必要か、映像を流すLEDパネルをどこにつけるかなど、実は考えることがたくさんあります。

複数案を提出することも多く、アイデアの引き出しがたくさん必要。提出までの時間が短い場合は瞬発力も大切です。

現在はイメージパースでの提案が多いですが、場合によっては3Dを作って動画提案することも!

提案したプランを決定するのはアーティストやライブ制作会社。方向性が定まったら、プロジェクトが進んでいきます。

デザイン調整・図面作成

《担当:デザイナー

例外もありますが、「プラン」はあくまで方向性。決まったプランをもとに、デザインの詳細を調整していきます。

おおよそのデザインが決まったら、実際にどういう素材を使ったら予算内で実現できるか、デザイナー・営業・セット製作の担当者が作り方や素材を相談しながら詳細を決めていきます。

デザイン用の図面だけでなく、他にもたくさんの図面を作成します。

・ステージの大きさや形状を反映し、会場の座席数を決めるCAPA図(→チケットの販売数はこの図面によって決まります)

セットを製作するためにパーツごとに分かれて表記された製作図

・どの部材を使って施工するのか、実際にステージを組むときに使う施工図 など

センクシャでは、基本的に1案件につきデザイナー1名が担当。デザインから細かい図面までをひとりでこなしています。デザイナーがたくさんいる会社だと、図面ごとに担当者が分かれていたりすることもあります。

人員・材料・機材・運搬の手配

《担当:セールス/プロジェクトマネジメント

デザインの進行と同時に、製作に必要な人員材料機材、運搬用のトラックなどを確保します。

イベントの多い時期は業界全体が大忙し。貸してもらおうと思っていた機材の在庫がない、人数が足りない、トラックが足りずに会場に部材が届けられない…なんてこともあるので、なるべく早い段階で予定を抑えなければいけません。

なので、一番はじめにコンサートを打診されたタイミングで各協力会社さんに連絡し、日程の仮押さえをしてもらうことも多々あります。

予算との兼ね合いも考慮しつつ、全体の進行とのバランスを取っていくところが腕の見せどころ。業務が営業的な面だけではないことから、センクシャでは「セールス/プロジェクトマネジメント」というポジション名にしています。

セット製作

《担当:美術セット制作

センクシャでは、ステージセットの木工製作も担っています。

セットを作るときに主に使っているのはルーターという巨大な電動糸鋸のような機械。プランを基にデザイナーが描いた製作図面データを読み込ませると、自動で木のパネルを切り抜くことができます。切り抜かれた材料を組み合わせ、塗装や装飾を施して仕上げていきます。

横幅が数メートルを超えるような大きなセットだった場合は、運搬や設営がしやすいようなサイズに分割して製作します。

トラックに乗る大きさなのか?会場の出入口は通れるか?人が運べる重さなのか?触って危なくないか?

ただ見た目を図面通り再現するだけでなく、関わる人たちのことを考えながら作っているんです。

施工準備

《担当:現場チーフ

センクシャでは、セット製作(いわゆる大工さん)と、舞台施工(いわゆる大道具さん)はチームが分かれています。

デザイナーが描いた図面をもとに、どの部材をどれくらい使うのかを数え("拾い出し"と呼びます)、必要数を準備します。

様々な形状の部材を規定のトラックサイズ・規定の重量に収まるよう、積込用の図面を作成。トラックの台数やサイズの調整が必要ないかも確認します。また、場合によっては製作したセットや使用する部材を使って"仮組"を行い、事前に施工勝手や見え方を確認することもあります。

施工

《担当:現場チーフ

規模によりますが、ドームやスタジアムなどの大規模な会場の場合は本番の5日ほど前から、アリーナなどの場合は1〜2日前から設営をはじめます。(夜間作業のできない屋外フェスや屋外イベントは、10日以上かかることも!)

施工図の通りにステージの位置を決め、必要な部材を組んでいきます。

ステージ施工を担当するのは大道具さんと鳶さん。明確に作業の棲み分けがされていないことも多いですが、高所での作業は鳶さんが行います。

設営にはたくさんのセクションの人たちが集まります。一番最初に作業をスタートするのが我々ステージ設営。天井部分の部材を組み終わったら照明さんが照明機材を取り付け、ステージ周りが組み終わったら映像さんがLEDビジョンを設置し…と、ステージ設営が進まないと動けないセクションもあります。

全体がスムーズに進められるように、他のセクションが関わるポイントは優先して設営したりと、作業工程のコントロールも重要です。

当日は基本的にセールス/プロジェクトマネジメント担当者も施工に立ち会い、制作会社さんとの調整などを行います。

本番・撤去

《担当:現場チーフ

皆さんがコンサートを楽しんでいる本番中、実はステージに大道具が登場することがしばしあります。

いわゆる「ステージ転換」でセットを動かしたりするのは大道具の担当。アイドルのコンサートではトロッコに乗って会場を一周する演出がありますが、トロッコの下に入って動かしているのも大道具です。

コンサートが終わった後は、すみやかに撤去が始まります。

会場を借りている時間内ですべてを完了させなければいけないため、時間が非常にタイトなことも。夜の終演後、夜を徹してそのまま朝まで撤去作業ということもよくあります。

組み上げたステージを解体し、整理しながらトラックへ積み込み搬出。会場を元の状態に戻して、帰路につきます。

後日、現場チームは倉庫に戻った部材の片付けやメンテナンス、セールス/プロジェクトマネジメント担当者は金額面の最終調整を行って、完了となります。

センクシャはステージを作る仕事ですが、企画をする人、演出を考える人、演出の操作をする人、運営をする人などなど、たくさんの人が関わって、ひとつのコンサートを作り上げています。

今回はざっくりと流れをご紹介しましたが、コンサート業界に興味を持っていただける方がひとりでも増えたら嬉しいです!

<フェスの現場に密着したYouTubeはこちらから!>

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